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番外編 薔薇と海 ◆ 新シリーズとの幕間 ◆
マリンとリーフとスカイ
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マリンはいつものカフェに来ていた。
ローズと一緒に過ごせない時によく来る馴染みの店だ。
店の中から外の通りを眺めて ぼーっとしていると、テーブルを コンコンッと叩かれて声を掛けられた。
「悪い、ちょっと話が聞きたい。今時間良いかな?」
見上げると楽園で一緒に過ごしたリーフが居た、隣には水色の髪と瞳の美丈夫を連れている。
「やあ、リーフ久しぶり。どうぞ座って何の話かな?」
そこで三人は飲み物を注文して、それを待ってから話始める。水色の男はリーフの友人らしく、スカイと名乗った。
「楽園の事だ。俺が加入した時には居なかったが、お前が楽園にいた間に銀色の髪と瞳の男を見なかったか?、そいつはもしかすると俺達の知り合いかも知れない」
マリンには思い当たる男がいた、初期のころ少しだけ居て直ぐに居なくなったアイツだ。
「そいつは強力な魔力持ちか?、同じ奴かは分からないけど、銀色の髪と瞳の男を確かに見かけたよ、楽園の施設が出来た始め頃に数ヶ月だけ居た、呼び名はムーンだ」
「魔力を持っていると分かるのか?」
「分かるよ、僕も魔力持ちだからね。スカイも相当な魔力を持ってるだろ?、リーフの近くにいたのに楽園に招待されなかったのか?、あそこ居た男は魔力をもった奴ばかりだった」
女は管理人の好みの容姿で集めていたようだが、男は容姿に加えて強い魔力を持つ者が選ばれていて、マリンはそこに何らかの思惑がある様に感じていた。
「ムーンがどんな魔力持ちか分かるか?」
スカイが初めて声を掛けてきた、美丈夫は声も良い。
「詳しくは分からないけど、多分精神系の能力じゃないかな」
僕が推測がてら話すと、リーフが鋭い目をして聞いてくる。
「どうしてそう思う?」
「リーフは紫の色持ちアイリスを覚えているか?、あいつは魅了の持ち主だ、そして管理人も精神系の力を持っていた。橙色の奴も魔力量は少なかったがそっち系だ」
「・・・・・」
「・・・・・」
リーフとスカイは仲良く黙った。
そこで僕は二人に、前から考えていた事を話してみた。
「あの楽園を作ったのは本当に管理人だと思うか?、他にも別の目的があって支援した奴がいそうだけど、リーフとスカイはどう思う?」
サイラスの力だけであれだけの施設は作れない。他の誰かがサイラスを裏で操って、利用して人を集めていた可能性が高い、あそこは実験場だったのでないかとマリンは想像している。
今は三人の誰も明確な答えは持っていない、その後二人は礼を言って退席したが、マリンは席に座ったまま思考を巡らす。
紫色のあいつ、アイリスもそうだ。女を魅了して好き放題していた。
「お前と彼女は色が濃すぎるだろう、俺と彼女の方が色が馴染みやすい。あの女堪らない体をしてやがる、俺が魅了して毎日毎日、一日中抱いて孕ませてやる」
ローズが初めて楽園にきた日に奴が言った言葉だ。始めは誰かに手酷く扱われないうちに俺が先に手を出して守ろうとしただけだった。でも抱いてる途中で、体が馴染んで快感が止まらなくなり気が付いたら離せなくなっていた、体の相性が良過ぎた。
マリンはガキっぽくて、女に甘えるのが上手い、でも優しくて女を大切に扱う。女が理想とする年下男の典型だ、大抵の女に好かれる。ローズもまた他の女と同じようにマリンに惹かれた。
様々な情報を集めていたジェラルドにとってマリンは使える男だった。
ジェラルドはもうずっとマリンを演じていた、ジェラルドの容姿にマリンはピッタリとはまり、今ではジェラルドも意識せずともマリンの思考の方が先に出る。
こちらへ向かって通りを歩いてくるローズが見えた、仕事が早く終わったらしい、時間が合えば二人は此処で、よくランチを取っていた。今日もローズは美しい。
マリンが上機嫌でローズを眺めていると、横から急にローズの腕を掴み顔を寄せて話かける男がいた、ローズの顔は強張り迷惑そうにしているが、男の顔が更に近づき耳元で何が囁いた。
驚いたローズの顔に朱が走り、男の顔を引っ叩いた。マリンなら、はははっローズやるなと笑う所だろう。だが今は、腹の中をどす黒い感情が渦巻いている。あの男の顔を殴りローズに触った腕を折って、二度とローズに絡まないよう脅してやりたい。
マリンはこんな事は考えない、この感情はマリンではなくジェラルドだ。だがローズが好きなのはマリンだ、この感情をローズに知られてはならない。ジェラルドは彼女に嫌われたくなかった、彼はいつしかローズを愛し始めていた。
ローズと一緒に過ごせない時によく来る馴染みの店だ。
店の中から外の通りを眺めて ぼーっとしていると、テーブルを コンコンッと叩かれて声を掛けられた。
「悪い、ちょっと話が聞きたい。今時間良いかな?」
見上げると楽園で一緒に過ごしたリーフが居た、隣には水色の髪と瞳の美丈夫を連れている。
「やあ、リーフ久しぶり。どうぞ座って何の話かな?」
そこで三人は飲み物を注文して、それを待ってから話始める。水色の男はリーフの友人らしく、スカイと名乗った。
「楽園の事だ。俺が加入した時には居なかったが、お前が楽園にいた間に銀色の髪と瞳の男を見なかったか?、そいつはもしかすると俺達の知り合いかも知れない」
マリンには思い当たる男がいた、初期のころ少しだけ居て直ぐに居なくなったアイツだ。
「そいつは強力な魔力持ちか?、同じ奴かは分からないけど、銀色の髪と瞳の男を確かに見かけたよ、楽園の施設が出来た始め頃に数ヶ月だけ居た、呼び名はムーンだ」
「魔力を持っていると分かるのか?」
「分かるよ、僕も魔力持ちだからね。スカイも相当な魔力を持ってるだろ?、リーフの近くにいたのに楽園に招待されなかったのか?、あそこ居た男は魔力をもった奴ばかりだった」
女は管理人の好みの容姿で集めていたようだが、男は容姿に加えて強い魔力を持つ者が選ばれていて、マリンはそこに何らかの思惑がある様に感じていた。
「ムーンがどんな魔力持ちか分かるか?」
スカイが初めて声を掛けてきた、美丈夫は声も良い。
「詳しくは分からないけど、多分精神系の能力じゃないかな」
僕が推測がてら話すと、リーフが鋭い目をして聞いてくる。
「どうしてそう思う?」
「リーフは紫の色持ちアイリスを覚えているか?、あいつは魅了の持ち主だ、そして管理人も精神系の力を持っていた。橙色の奴も魔力量は少なかったがそっち系だ」
「・・・・・」
「・・・・・」
リーフとスカイは仲良く黙った。
そこで僕は二人に、前から考えていた事を話してみた。
「あの楽園を作ったのは本当に管理人だと思うか?、他にも別の目的があって支援した奴がいそうだけど、リーフとスカイはどう思う?」
サイラスの力だけであれだけの施設は作れない。他の誰かがサイラスを裏で操って、利用して人を集めていた可能性が高い、あそこは実験場だったのでないかとマリンは想像している。
今は三人の誰も明確な答えは持っていない、その後二人は礼を言って退席したが、マリンは席に座ったまま思考を巡らす。
紫色のあいつ、アイリスもそうだ。女を魅了して好き放題していた。
「お前と彼女は色が濃すぎるだろう、俺と彼女の方が色が馴染みやすい。あの女堪らない体をしてやがる、俺が魅了して毎日毎日、一日中抱いて孕ませてやる」
ローズが初めて楽園にきた日に奴が言った言葉だ。始めは誰かに手酷く扱われないうちに俺が先に手を出して守ろうとしただけだった。でも抱いてる途中で、体が馴染んで快感が止まらなくなり気が付いたら離せなくなっていた、体の相性が良過ぎた。
マリンはガキっぽくて、女に甘えるのが上手い、でも優しくて女を大切に扱う。女が理想とする年下男の典型だ、大抵の女に好かれる。ローズもまた他の女と同じようにマリンに惹かれた。
様々な情報を集めていたジェラルドにとってマリンは使える男だった。
ジェラルドはもうずっとマリンを演じていた、ジェラルドの容姿にマリンはピッタリとはまり、今ではジェラルドも意識せずともマリンの思考の方が先に出る。
こちらへ向かって通りを歩いてくるローズが見えた、仕事が早く終わったらしい、時間が合えば二人は此処で、よくランチを取っていた。今日もローズは美しい。
マリンが上機嫌でローズを眺めていると、横から急にローズの腕を掴み顔を寄せて話かける男がいた、ローズの顔は強張り迷惑そうにしているが、男の顔が更に近づき耳元で何が囁いた。
驚いたローズの顔に朱が走り、男の顔を引っ叩いた。マリンなら、はははっローズやるなと笑う所だろう。だが今は、腹の中をどす黒い感情が渦巻いている。あの男の顔を殴りローズに触った腕を折って、二度とローズに絡まないよう脅してやりたい。
マリンはこんな事は考えない、この感情はマリンではなくジェラルドだ。だがローズが好きなのはマリンだ、この感情をローズに知られてはならない。ジェラルドは彼女に嫌われたくなかった、彼はいつしかローズを愛し始めていた。
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