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坊主頭の奇妙な校則
【4】
しおりを挟む白宮 龍正――二十六歳。男。
本業――――【幻想現象対策部隊】――隊長。
これがオレの、本当のプロフィールだ。
【幻想現象対策部隊】とやらの説明は後にするとして、早い話が、オレは二十六歳の身でありながら、学生服に身を包み、高校二年生を演じている痛い人間、という訳である。
誰が痛い人間だ、誰が。
学生コスプレ趣味をこじらせたから、この薄池高校に転校してきたの? それは違う。
オレは仕事で、この薄池高校に転校してきたのだ。
仕事として、とあるミッションを成し遂げるために。
そのミッションというのが、この学校にて現在猛威を振るっている、『奇妙奇天烈な校則』の治療というのは、最早語るべくもないだろう。
校則の撲滅や破壊、消滅などという強く野蛮な言葉ではなく、治療と言った点にも当然意味はある。
それもまた、後に説明するとして……。
さて、転校生としての挨拶を終え。
お約束とも言える、クラスメイト達からの記者会見とも言える、熱烈なインタビュータイムをも終え。
一時間目の授業(薄池高校での初授業)をも終え。
二時間目、三時間目、四時間目の授業を終えた昼休みへと突入したところで、オレは動いた。
転校生が現れたというホットニュースが、ほんの少し冷めてきたこのタイミングで、オレはとある生徒に話し掛けた。
にっこりと笑いながら、両親からいただいた爽やかフェイスの童顔(同僚談)を活かして。
「喜田 博利くんだっけ?」
坊主頭にしたばかりであろう頭に、黒縁の眼鏡をかけている素朴な男子高校生に話し掛けた。
喜田博利くんは応える。
「へ? あ、そ、そうだけど……?」
「君、この学校に転校してきたばかりなんだろ? 同じ転校生仲間として、この学校を案内してくれよ」
「え!? ぼ、ボクが!?」
「そ、君が」
「な、何でボクが……そ、そういうのは、学級委員長とかの仕事なんじゃ……」
気まずそうに、クラスメイトの顔色……特に学級委員長である女子生徒の顔色をチラチラと伺っている喜田博利くん。
うん、どうやら読み通りのようだ。
「学級委員長には既に、話を通してあるから大丈夫。『仲良くなれる人が増えるのは良いこと。是非そうしてください』と、快く了承してくれたよ」
「ほ、本当に……?」
「うん、本当本当。だからさ、学校案内してよ」
続けてオレは彼に耳打ちする。
「色々と、君に聞きたいこともあるからさ」
「!?」少し驚いたように目を見開く喜田博利くん。ぎょっとその目でオレを見つめてくる。
おっと、あまり目立つ行動はよろしくない。
「そんな訳で、行こう!」
「う……うん……」
渋々といった様子だが、どうやら納得してくれたようだ。
椅子から立ち上がって、オレの顔をじっと見つめた後。
「それじゃあ行こうか……転校生の……えーっと……名前、何だっけ?」
と、歩き出した。
「白宮 龍正だ。よろしく!」
そんな訳で、オレは喜田博利くんに学校案内をしてもらうことになったのだった。
……教室を出る際の、学級委員長の目が、少し気になりはしたが……。
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