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第44話入院中の現実生活2 ~ヤクザと同室に~
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基本的に一番苦しかったのは3回目の入院、滝村先生のとき。ちょうどオバマ大統領の世界平和の直後からの入院である。
病室はたいてい3人部屋で、様々なタイプの精神病患者と同室になった。
一度、ヤクザが入院してきたことがあって。恐らく覚せい剤中毒かなにかだと思うのだが、背中に大きな刺青を入れて小指もない爺さんであった。
豪志は、そのヤクザと、もうひとり不良の石田さんと同室になったことがある。ある晩、錯乱したヤクザが、
「ヤクザナメとんのかー!」
と言って、豪志に襲いかかってきた。夜勤の看護師たちは震え上がって助けに来ない。仕方なく応戦したが、ヤクザは意外にも力がなかった。もう年寄りだし覚せい剤で身体もボロボロだったのだろう。凶器でも持っていたらヤバかったが、精神病院内に患者が持てる凶器などない。
その日以来、ヤクザはすっかり豪志に興味を失くしたようで、今度は不良の石田さんを相手にカツアゲを始めた。不良の石田さんはカツアゲが趣味で、女性や年寄りなど弱い患者を狙ってお菓子や小銭をせびるのである。
その石田さんを相手にヤクザは、
「石田!今日のシノギ出せ!」などと恐喝を繰り返した。そのプレッシャーで石田さんは症状が悪化し、車椅子になってしまった。
その後、病院側も問題と考えたのだろう。ヤクザはいつの間にかいなくなってしまった。
病室はたいてい3人部屋で、様々なタイプの精神病患者と同室になった。
一度、ヤクザが入院してきたことがあって。恐らく覚せい剤中毒かなにかだと思うのだが、背中に大きな刺青を入れて小指もない爺さんであった。
豪志は、そのヤクザと、もうひとり不良の石田さんと同室になったことがある。ある晩、錯乱したヤクザが、
「ヤクザナメとんのかー!」
と言って、豪志に襲いかかってきた。夜勤の看護師たちは震え上がって助けに来ない。仕方なく応戦したが、ヤクザは意外にも力がなかった。もう年寄りだし覚せい剤で身体もボロボロだったのだろう。凶器でも持っていたらヤバかったが、精神病院内に患者が持てる凶器などない。
その日以来、ヤクザはすっかり豪志に興味を失くしたようで、今度は不良の石田さんを相手にカツアゲを始めた。不良の石田さんはカツアゲが趣味で、女性や年寄りなど弱い患者を狙ってお菓子や小銭をせびるのである。
その石田さんを相手にヤクザは、
「石田!今日のシノギ出せ!」などと恐喝を繰り返した。そのプレッシャーで石田さんは症状が悪化し、車椅子になってしまった。
その後、病院側も問題と考えたのだろう。ヤクザはいつの間にかいなくなってしまった。
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