『時空の迷い子〜異世界恋愛はラノベだけで十分です〜』《番外編》 愛情過多な父を持つと大変です!

いろは

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3.初恋-2

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目が覚めたらレイシャル騎士のダン君に抱っこされていた。どうやら助けられ母様に抱きしめられたら寝てしまったようだ。

「ダン君。ここ何処?」
「屋敷に着いてお部屋にお連れしている所ですよ」
「母様は?」
「ジャン陛下がお見えになり、貴賓室でお話ししておいでです」
「母様のところに行きたい」
「ですが…お休みになられた方が…」
「行く!」

渋るダン君を説得して貴賓室へ

入室すると大きな陛下が目の前に来て跪いて謝罪される。陛下も他の皆んなも悪く無いのに…
陛下の後ろに並ぶ沢山の大人の人も一緒に頭を下げている。

すると母様が

「頭をお上げ下さい。アリサの不注意で皆さんにご心配とご迷惑をお掛けしました。アリサ丁度よかったわ。危ないから柵に近付かない様に言われませんでしたか?」
「言われました」
「それを守らなかった貴女が悪いのです。軽率な行動は皆さんに迷惑を掛けるのです。こういう時は?」

微笑んでいるけど明らかに怒っている母様。
母様は身分関係なく迷惑をかけた時は謝る事を常日頃言っている。これは”謝りなさい”だ。

「ごめんなさい。そして助けてくれてありがとう」

母様は抱きしめてくれて頭を撫でてくれる。
謝罪が終わると着席しお茶とお菓子をいただく。すると陛下が

「ジャズに聞いたが流石春香殿のお子だ。普通なら怖くて泣く所が、光石をジャズに灯す様に助言し、助けを待つ間冷静だったとか」
「だってジャズ様がいてくれて1人じゃ無かったから。それに亡霊は私とジャズ様の口まねしてただけだから怖くなかったよ」
「口まね?」

みんな驚いた顔をしてジャズ様に真意を聞いている。

「アリサ殿下が言われた通り、私とアリサ殿下声が聞こえました」
「空間に反響したのでは無いのか?」
「いえ、2人とも口を噤んでいても聞こえたんです」
「まるでカナートみたいだったよね⁈ジャズ様!」

カナートは人の言葉を真似て喋る愛玩動物で貴族の屋敷には大抵いる。腕組みをした母様が…

「その亡霊が居ると言われる場所は、声がするんですよね?」
「はい。誰も言葉を発していないのに話し声がきこえるんです。採掘中に稀に見つかり危険なため、直ぐにあの様に封鎖しております」

コスナー伯爵が説明してくれる。すると母様がジャズ様に色々質問して…

「アリサとジャズ殿の話から想像するに、亡霊が出ると言われる場所は音を蓄積する”音石”が有るのでは?」
「「「「「音石?」」」」」

部屋の大人は皆んなびっくりしている。

「アリサ。空洞に着いて真っ暗な時は何も聞こえず、光石で明るくなったら聞こえてきたのね⁈」
「うん。だよねジャズ様」
「はい。間違いございません」

こうして亡霊では無く採掘作業者の声を蓄積し、明かりが当たる事で音を再生していると推測。後日私達が帰った後にジャン陛下が指揮をとり調査された。
そして音石が発見され世に広まった訳だ。数ヶ月後にジャン陛下自らレイシャルを訪れ、発見した音石を大量に持って来てくれ感謝された。
今では音石は平民に間でも広まり、当たり前にどの家にも有る鉱物になった。

「音石の話はいい。その情けないジャズの何処に惚れる要素があるんだ」
「そうだよ。暗闇で震えていたんだろ? レディを守るべき男が情けない」
「だって大きな男性が震えていたら、反対に守ってあげたくなりなるじゃない」

静かに話を聞いていたアルバートが

「アリサは普通のレディと違うのは兄様は知っているだろう⁈ 母様に似て優しくて肝が座っているのさ」

流石双子の片われだ。私の事をよくわかっている。アルバートの言葉に納得いったのかショーン兄様が

「で、いつまで好きだったんだ」
「レイシャルに帰ってきて少ししたら、丸っと忘れたわ」
「初恋なんてそんなものさ…」
「それに後で分かったけど、出会った時にはジャズ様はすでに婚約していたらしいしの」

するとやっとソファーに深く座り直したショーン兄様が

「その初恋の話がジャン陛下の耳に入らなくて良かったなぁ…」
「何故?小さい子の気まぐれを本気にしないと思うけど⁈」
「いや、母様との繋がりが欲しいヴェルディアの事だ。知ったらジャズ殿の婚約を破棄させて、アリサとの婚約話を進めた筈だ」
「アリサが生まれて婚約を一番に申込んだのは確かヴェルディアだったぞ」

そう言えばヴェルディア滞在中はやたらに王子や高位貴族の子息に会わされたさなぁ…
今思うとプチ見合いさせられてたんだと知った。

「ふっ」

急に笑ったフレッド兄様が

「ついでだ。次に恋したのは誰だった?」
「なんで今になって私の恋愛話聞きたいの?」
「どうやら隠し事がいっぱい有りそうだからなぁ。どうやって隠していたのか知りたくなったのさ」
「知りたい!」

ショーン兄様も楽しそうに話に乗ってきた。

「俺は1人なら知ってますよ」
「アルバート!」
「この際白状しろアリサ!」

の裏切りにより兄様達に私の恋愛遍歴を話す事になってしまった。
本当に深夜に勘弁してほしい…
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