特性【プレイヤー】に覚醒した俺は、前世の記憶を思い出し異世界を楽しむ

霜月雹花

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第一章

第4話 【異世界・4】✤

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 鑑定職員の試験は単純で、素材をどこまで鑑定できるかで合格ラインが決まる。
 試験はリンさんと、ギルド職員の鑑定使いが見ながら行われた。

「……まさか、ここまで高い鑑定能力とはこれ以上の試験は私では対応が無理ですね」

「という事は、最低でも鑑定能力として上級以上のレベルですか」

「そうなります。もしかしたら、それ以上かも知れませんがそれを知るのは難しいですね」

 結果は、無事に合格ラインを突破した。
 そしてその鑑定能力の高さから、リンさんとギルド職員の鑑定使いから俺の鑑定能力のレベルの高さに驚かれた。

「まさか、これ程の高度な鑑定が出来るとは思いませんでした」

 その後、俺は臨時の鑑定使いとして登録され、ギルドが忙しい時や難しい鑑定素材が来た際は臨時で出る事になった。
 その代わり、職員だけが許された特権を俺も使える事になった。
 本の閲覧や、職員の休憩所、食堂の割引、その他に受付の待ち時間を無くして貰えたりと、かなり幅広い優遇を受けられる事になった。
 給料も貰えるが、それは仕事をした時に渡されるので基本的に仕事が無ければ、恩恵を受けられるので俺がかなり有利となっている。
 本来、ここまでの恩恵は受けられないが俺の鑑定能力が高いおかげだとリンさんは教えてくれた。

「あっ、そうだ。戦闘系のスキル習得をしたいんですけど、それらの講習ってどうなりますか?」

「講習は冒険者様に依頼して行われので、無料には出来ませんが料金の半分をギルドが肩代わりする事は出来ます」

「でしたら早速、講習をお願いしたいです」

 そうしてリンさんにお願いをした俺は、早速だが今日から仕事に入ってほしいと頼まれた。
 この時期はそこまで忙しくないが、どこかの初心者冒険者が二日続けて大量の薬草を持ち込んだせいで他の仕事が追い付いてないらしい。
 俺はその理由を聞き、仕事場に案内してもらって仕事の内容を説明してもらった。

「クリス君、本当に助かったよ。あれだけの数、鑑定しようと思ったらかなり時間掛かるのに凄く早く終わってびっくりしたよ」

「まあ、俺のせいでこうなってしまったという自責の念もあったので頑張りました」

 先輩鑑定使いで、俺の試験も担当してくれたロンさんは、そう言って俺に飲み物を渡してくれた。

「本当によくやってくれたよ。リンくんから、君の事を聞いたがここまで出来るとはね」

 渡された飲み物を飲んでいると、背後からそんな男性の声が聞こえて振り返った。

「マスター。おはようございます!」

 隣で一緒に休憩をしていたロンさんは、その男性に対して挨拶をして俺はこの男性がギルドマスターだと認識した。

「は、はじめまして今日から臨時の鑑定使いをしているクリスです」

「挨拶が出来るのは偉いね。僕は冒険者ギルド王都支部のギルドマスターをしているレイン。よろしくね」

 レインと名乗った男性は、身長が約180㎝程あり細身の体格している。
 茶髪を少し伸ばしており、後ろで結んでいる。
 ギルドの長にしては、若いなという印象を受けた。

「……もしかしてですけど、エルフの方ですか?」

「よく気付いたね。普段は耳を隠してるから、バレる事は少ないんだけど眼が良いのは報告通りだね」

 顔を見ていた際、若干の魔力の流れを感じた俺は気付いた事を聞くと、レインさんはサッと手を耳にやると長い耳が現れた。
 エルフという事を隠してる理由は、同族が来た際に面倒事を避けるためにしているらしい。

「街に来たばかりのエルフは肉を食べる事に煩くてね。同じエルフだからって、指図してくるんだ」

「そ、そうなんですね……あの、所で俺はどうしてマスターの部屋に連れてこられたんですか?」

「おっと、クリス君があまりにも聞き上手で本来の目的を忘れてたよ。ごめんね」

 あの後、俺は仕事場からギルドマスターの部屋へと連れてこられた。
 そして、その部屋の中で俺はレインさんから同族に対する愚痴を聞かされていた。

「実は君に頼みたい事があってね。リンくん、クリス君を案内してくれた受付の子から君の鑑定能力の事を聞いてね」

「という事は、頼みとは何かを鑑定する事ですか?」

「うん。これ、見てくれる?」

 レインさんはそう言うと、異空間から一つの箱を取り出した。
 その箱を開けると、中には掌サイズの透明な球が入っていた。

「これは〝才能の球〟と言って、使用者に〝固有能力、スキル〟のどちらかを付与する貴重な球なんだ。だけど、使うには鑑定をしてどんな才能を得られるか調べないといけないんだ。だけど、数十年色んな鑑定使いに見て貰ったけど誰も正体が分からないままでね」

「成程、それを鑑定すれば良いんですね」

「うん。ちなみに成功報酬はこの〝才能の球〟だよ。正直、早く手放したいんだけど中身が気になってね。中身さえ分かれば、必要ないから持って行ってもらった方が楽なんだ」

 レインさんのその言葉に俺は驚き、目の前の球とレインさんを交互に見た。

「僕は嘘は言わないよ。勿論、正体が分かってクリス君が要らなかったら僕の方で処分を手伝ってあげるよ。どんなものでも、最低金貨以上の価値はあるから暫くはお金に困らないよ」

「それは嬉しいですね。是非、自分に必要じゃない物だと生活に困らないですね」

 そう俺は言って、早速この〝才能の球〟の鑑定を始めた。
 普通の素材の様に、俺は球に鑑定の能力を使った。
 レインさんがあれだけ難しいと言ったから、かなり難しい作業だと考えた俺だったが、意外にも鑑定はあっさりと終わってしまった。

「……レインさん、鑑定出来ました」

「やっぱり、無理だったか~……えっ、出来たの?」

「はい。証拠に球の中にどんな球なのか文字が出てきました」

 〝才能の球〟は鑑定が出来ると、内部にどんな才能が入っているのか文字が出て来ると教えて貰った。
 その為、鑑定が出来たかどうかは鑑定能力を持ってない者でも出来る為、俺はそう指摘してレインさんに見て貰った。

「成程ね。かなり凄い能力を貰える球だったのか、これまでの人が鑑定出来なかったのも納得できるよ」

 鑑定した〝才能の球〟で得られる才能。
 固有能力、【天賦の才】。
 スキル習得率上昇、スキル成長速度上昇、身体の成長促進、武術の才能、魔法の才能。
 特性とほぼ変わらない程の能力を秘めているが、その逆にこれを受け入れられる条件もあった。

「レベル1、更に全ステータス数値が合計50以下、固有能力とスキルを未所持状態とはかなり制限されたものだね。使える人がいるかどうかも怪しいレベルの物だけど、クリス君はこれをどうする?」

「勿論使いますよ。その使用制限に俺はクリアしているので」

「……という事は、鑑定の能力は特性の力だったんだね。そんな人、初めてみたけど逆に納得したよ。それだけ強い特性だったからこそ、この球を鑑定出来たんだね。でも、良かったの? 僕にその特性を教えても」

「こんな良い物を貰えましたから、それに俺の特性はただの鑑定だけの能力でも無いので大丈夫ですよ」

 そう俺が言うと、レインさんは笑みを浮かべ「本当にクリス君には驚かされてばかりだよ」と言った。
 その後、俺はレインさんの目の前で〝才能の球〟を使用した。
 使用方法は簡単で、使用できる者が球を砕くと中に入ってる才能を得る事が出来る。

「どう。クリス君、何か変わった?」

「そうですね。なんとなく体の中がムズムズする感じはしますね……ちょっと、ステータスを確認しますね」

 そう言って俺は自分のステータスを確認した。


名 前:クリス
年 齢:10
性 別:男
特 性:プレイヤー

レベル:1
筋 力:100
体 力:100
魔 力:100
敏 捷:100
・固有能力
【天賦の才】
・スキル
・加護
豊穣神の加護


 ステータスを確認すると、固有能力の欄に新たに【天賦の才】が追加されていた。
 更に変化した所で言うと、能力値も10倍になっていた。

「へ~、能力値も十倍に本当に凄い球だったみたいだね。僕としてはようやくずっと気になってた事が解決して、嬉しい限りだよ」

「俺もこんな凄い能力を貰えてよかったです。ありがとうございました」

 その後、頼みも解決した俺は仕事も終わっていたので今日の所は家に帰る事にした。
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