特性【プレイヤー】に覚醒した俺は、前世の記憶を思い出し異世界を楽しむ

霜月雹花

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第一章

第2話 【異世界・2】

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「成程、アリシアさんは政略結婚が嫌で冒険者になったんですね」

「そうね。そもそも貴族として生きる事自体が私の性格に合わなくて、幼い頃から家から出てやると決めていたわね。ただ今も両親が完全に離してくれなくて、今も抵抗中という訳ね」

 あの後、何故かアリシアさんと意気投合してしまった俺は朝食がまだだったので奢ってもらう事になった。
 そして、その際に身の上話としてアリシアさんが冒険者になった経緯等を聞いて、短い時間だが親しい関係となっていた。

「しかし、私の顔と名前を知ってもクリスは全く恐れなかったわね」

「そんな人じゃないと感じたのもありますけど、こんな幼い子供が不敬をしたからとこんな公共の場で死ぬ事も無いだろうという安心感からですね」

「ふむ……肝が据わってるという事ね。冒険者として大成しそうな性格ね」

「そう言ってくださりありがとうございます。アリシア先輩」

 〝先輩〟と付けて呼ぶと、アリシアさんは目をキョトンとして驚くと、直ぐにその意味を理解して豪快に笑った。

「こんな面白い子供は初めてね。偶々気になって声を掛けたけど、正解だったわ」

「俺もちゃんと受け応えして良かったです。こうして腹いっぱいご飯食べられたので、依頼前に倒れるところでした!」

「そう言えば、クリスは孤児院出身だと言ってたわね。ふむ、用事が終わるのがまだ数日かかるから……」

 アリシアさんはそう小声で呟くと、俺の顔をジッと見つめて来た。

「クリス。料理と掃除は出来る?」

「えっと、多少は? その道のプロと比べたら、そりゃ劣りますけど人並程度には出来るとは思いますよ」

「だったら、私の家で住むのはどう? 孤児院は直ぐに出なくても、確か一年以内に出ないといけないんでしょ? 私の家だったら、宿に掛かるお金も掛からないし、ギルドからも近くて直ぐに休めるわよ。勿論、食材の費用は私が出すから、ご飯にも困らないわ」

「えっ、良いんですか!?」

 まさかの提案に対して、俺は驚き立ちあがってそう聞き返した。

「私も普段だったらこんな提案はしない。だけど、クリスはいつか大物になりそうな予感がするから今の内に投資をしておこうと思って」

「俺としては衣食住の二つが解決出来る提案なので、物凄く受けたいですけど、そのアリシアさんの家の方達はどうも思わないんですか?」

「言ったでしょ〝私の家〟って、冒険者で稼いだお金で最近買ったのよ。だから、両親から文句言われる筋合いはないの」

 自信満々そうにアリシアさんはそう言って、俺としてはこの提案は有難いので暫く世話になる事にした。
 それから飯を食べ終えた後、受付嬢の方に図鑑を返してまずはアリシアさんの家に案内してもらった。
 アリシアさんの家は、本当に冒険者ギルドから近く徒歩5分圏内にあった。
 二階建ての一軒家で狭いが庭も付いており、一階に台所と水回り、そして小さめの個室があり二階には大きな部屋が二つあった。

「俺はここで良いですよ」

「いいの? 二階の部屋の方が広いし、使ってないからそっちを使っても良いのよ?」

「大丈夫です。逆にこの狭さが気に入ったので」

 その後、家の案内も終えたのでアリシアさんとは別れて、俺は図鑑に載っていた薬草を採りに街の外に出た。
 そして歩く事10分、近くの薬草の群生地に到着した俺は【プレイヤー】の能力の一つ、鑑定を使って薬草採取を始めた。

「おお、こんな風に分かるのか! やっぱり作って良かった鑑定能力!」

 鑑定能力のおかげで、苦労する事も無く俺は薬草採取を行った。
 勿論、薬草を入れる場所は同じく【プレイヤー】の能力の一つ異空間ボックスに入れる。
 異空間ボックスはまだ容量は少ないが、魔力の数値依存で俺が成長すれば今よりも大量に物を入れる事が出来る。
 ちなみに個数制限では無く、種類として登録されるので今は10種類まで入れる事が可能となっている。

「沢山採ってきましたね」

「はい。図鑑のおかげでどれが薬草か直ぐに分かったので、沢山取れました。リンさん、よろしくお願いします」

 朝も対応してくれた受付嬢のリンさんに、俺は採って来た薬草を提出した。
 勿論、鑑定を使って採ってきてるので間違いは無いが改めてギルドの方で薬草かどかの鑑定作業が行われた。
 数が数なので、鑑定に10分程掛かり俺は初の依頼達成として報酬を受け取った。

「報酬は半分は貯金に回して、残りは生活用品を少し揃えるか……」

 正直、衣食住の衣以外全てが揃うとは思いもしなかった。
 スタートダッシュとしては上々だし、アリシアさんにんは感謝しないとな……。

「でも用事で三日は家に帰れないって言ってたからな、それまでにお礼を考えないと」

 一先ず、俺は生活用品の買い出しを終えて家に戻って来た。
 アリシアさんは既に用事に出掛けており、ここから三日間は一人で生活する事になっている。

「家の中は自由にしていいとは言われてるけど、流石にアリシアさんの部屋は入れないな、取り合えずその他の部屋の掃除から始めるか」

 女性の一人暮らし、冒険者のアリシアさんは掃除が苦手なのか荷物が大雑把に置いたままの状態となっている。
 アリシアさんの私室も他の部屋と同じだが、流石に無断では入れないのでその他の部屋の掃除を始めた。
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