ママと勘違いされて始まった物語

ミヒロ

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晩ごはん

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思いのほか、久しぶりの人生ゲームは二歳児の理一が一位。

ちなみに俺がビリ。

「うわー、こんなにお金があったらお菓子がいっぱい買えちゃう!」

おもちゃのお金を掻き集め、理一はご満悦だ。

「言っておくけど、おもちゃのお札だから使えないからな」

理一が不服そうに眉根を寄せた。

「わかってるもん。にせさつでたいほされたくないもん」

そういう意味じゃない...。

陽平くんは盤ゲームを片付けてくれている中、俺はキッチンで陽平くんが持ってきてくれたお菓子を開けた。

ラングドシャや洋菓子の詰め合わせ、もう片方は小さなようかんや饅頭の詰め合わせ。

お洒落に盛りつける様な籠みたいなもんも無いので、幾つかを取り出し深めの皿に入れ、ついでに俺と陽平くんのぶんのコーヒーを淹れた。

が、理一が飲めるようなジュースも無けりゃ牛乳もない。

陽平くんの膝の上ではしゃいでいる理一はお菓子とコーヒーを持ちリビングに足を踏み入れるなり、

「お菓子、来たー!」

と、早速、テーブルに小さな手を伸ばし、不器用に饅頭の包みを開け、齧り付いた。

と、同時に陽平くんはリュックから持参のポットから麦茶を注ぎ、理一の目の前に置いた。

その阿吽の呼吸はさすが、お父さん。

理一はくぴくぴと小さな喉を鳴らし饅頭を片手に麦茶を飲んでいる。

しばらく俺と陽平くんはたわいない話しをしのんびり過ごしていたが、齧り付いて半分になった饅頭を片手に理一が重たそうな瞼でコックリコックリし出した。

額をテーブルに打ち付けるんじゃないか、と冷や冷やし、理一を抱えると、ぐー、と寝息をかいて眠った。

「寝るの早っ」

「唐突に寝ちゃうんですよね、じゃ、僕達はこの辺で...」

「え、理一、起きちゃいませんか?」

「その時はその時ですし、もう夕方ですから...」

ふと、カーテンを開けた窓からはオレンジ色に染まる空と街並みが見えた。

理一はソファに寝かせ、ブランケットを掛ける。

「理一を起こすのもなんですし、晩ごはん、食べてってください」

「え、申し訳ないです、先日のお礼に来たはずが...」

「まあ、いいじゃないですか。ただし」

「...はい」

「晩ごはんの支度、手伝ってください」

真顔だった陽平くんが笑顔を見せた。

「それでしたら、僕も料理の勉強になりますし、是非」

そうして理一の眠っている間、俺と陽平くんはキッチンに並んだ。
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