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24 黄色の湖
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「サラダはできたら、冷蔵の小部屋に入れといて」
「ああ、分かった」
サラダの仕上げはダオに任せて、次はポタージュ作り。
「あっ、そうだ。入れるだけコンソメのあれ、ないな」
現世は魔法はなかったけど、本当に便利だったなぁとしみじみ。
「野菜くずと…………ベーコンはなかったから、……骨でいいですか?」
洋風だしのブイヨンに、味付けしたものがコンソメ。
本当はベーコンとか鶏肉とか玉ねぎとか、牛とかセロリとか……。
これだ! ってやつを使いたいけど、代用できるものでなんとかなりそう。
「先に火にかけとこ」
直近の料理で使った野菜の皮や先っちょ達を、鳥の骨と共に鍋へ。
「いい出汁でてね~」
それを見送って、ポタージュの主役と対面する。
……って結局自分でやることになってしまった。
「うーん、見た目的にピーナッツバター……じゃなかった、バターナッツかぼちゃよね?」
ひょうたん型のかわいい見た目のかぼちゃ。
原産地は日本じゃないけど、近年家庭菜園でも人気が出ていて、職場で話題にあがったりしてた。
分類は西洋カボチャだから、しっとりした日本カボチャより……なんだろう。
ほっこりホクホク、べちゃってよりは、パラッって感じ。
……語彙力が。
「色きれいね~」
外の皮も中と同じオレンジ系統で、皮は若干うすい色だが、中は鮮やかなオレンジ。
大きさもほんと、ひょうたんって感じ。
まずへたの部分を切って、今度は縦に半分に切る。
はい、きれいなオレンジいただきました~。
んで、ひょうたんの丸みでいうと下の丸みにある種とわたをくりぬく。
あー、種も一応……とっとくか。
皮をむくために、むきやすい大きさへ。
か、……固い! けど、いける。わたしなら……いけるよ!
よし、いけた。
皮もしょりしょりと。皮うすいから、食べれそうだしテキトウで。
からの一口大へ切る。
「あっと、玉ねぎ忘れてた」
保管場所にとりに行って、玉ねぎを薄切りに。
よし、下準備はおっけい。
「しまった! ローリエ入れときゃよかったか」
ブイヨンの仕上げにローリエをプラスすれば、もっと洋風! になったかな。
まぁ、いつか試してみましょう。
「──終わったぞ」
「お、ありがとね」
「次はなにをやればいい?」
「もうちょっとしたら出番くるから、少し休んでおいて?」
「?」
ダオの出番はもう少しあと。
「そうだ、あと十分くらいあるから……山芋おろしといてくれる?」
「分かった」
料理は段取り! っていうもんね。
隙間時間でほかの準備だ。
ポタージュ用に用意した鍋へバターを投入。
あたためて、徐々にとけてきたら玉ねぎも投入。
はい、良い香り。
おいしくない訳がないのよ。
カレーとかもだけど、こういうのはしなっとなるまで炒めれば良いよね?
もう少し炒めよう。
ちらっとダオを盗み見れば、一生懸命山芋をすりおろす。
……体格の無駄遣い、すまない。
「もういいかな」
しなっとしてきた玉ねぎに、かぼちゃをこんにちはさせる。
かぼちゃは固いし……中火くらいでいいかな? ちょっと火を魔法で足して……。
鍋に加える用の水を魔法でコップに出しておく。
「いっけぇ」
バターの成分が十分にかぼちゃに絡まったら、水を入れて今度は煮る。
蓋しとこう。
煮てる間に玄米を炊く用意。
それとブイヨンの様子見。
あぁ、エボニーとか知り合いと一緒に魔法を駆使して建てた家だけど……キッチン広く造って良かった。
「こっちはもう良いかな~」
野菜と骨から、十分成分を抽出できた模様。
お疲れ様でした。
火を止めて、すこし冷ましておく。
……そうこうしていると、かぼちゃを煮ていた鍋もいい頃合い。
気分はもう、複数の手を持つ神の気分。
段取りよく出来る料理人のみなさん、尊敬。
かぼちゃも蓋をとって、粗熱を冷ます。
「ダオー、そろそろ出番だけど、いける~?」
「ああ、もうすぐ終わる」
本当は美形に山芋をすらせるなんて、絵的には忍びないんですけどね。
男女平等、差別反対。
容赦はしませんよ、わたしは。
「──何をすればいいんだ?」
「あれよ、あれ。いつもの!」
「? あぁ、みきさーってやつか?」
「そうそう!」
もはやミキサー要員と化した美形。
ごめんね、色々と才能の無駄遣いさせて。
でも食事って、とても大切なことだと思うの。
というか、鍋からミキサーに移さなくていいの便利よね。
原理は分かんないけど、鍋も傷付いてないし。
「どのくらい?」
「えっとね、スープみたいに飲む料理だから、なめらかになるまで。バジルの時みたいなのでお願い」
「任された」
よし、あとはそれと牛乳とブイヨン入れて、味を調えて加熱するだけ……かな?
ひとまず黄のポタージュ、準備おっけい!
「ああ、分かった」
サラダの仕上げはダオに任せて、次はポタージュ作り。
「あっ、そうだ。入れるだけコンソメのあれ、ないな」
現世は魔法はなかったけど、本当に便利だったなぁとしみじみ。
「野菜くずと…………ベーコンはなかったから、……骨でいいですか?」
洋風だしのブイヨンに、味付けしたものがコンソメ。
本当はベーコンとか鶏肉とか玉ねぎとか、牛とかセロリとか……。
これだ! ってやつを使いたいけど、代用できるものでなんとかなりそう。
「先に火にかけとこ」
直近の料理で使った野菜の皮や先っちょ達を、鳥の骨と共に鍋へ。
「いい出汁でてね~」
それを見送って、ポタージュの主役と対面する。
……って結局自分でやることになってしまった。
「うーん、見た目的にピーナッツバター……じゃなかった、バターナッツかぼちゃよね?」
ひょうたん型のかわいい見た目のかぼちゃ。
原産地は日本じゃないけど、近年家庭菜園でも人気が出ていて、職場で話題にあがったりしてた。
分類は西洋カボチャだから、しっとりした日本カボチャより……なんだろう。
ほっこりホクホク、べちゃってよりは、パラッって感じ。
……語彙力が。
「色きれいね~」
外の皮も中と同じオレンジ系統で、皮は若干うすい色だが、中は鮮やかなオレンジ。
大きさもほんと、ひょうたんって感じ。
まずへたの部分を切って、今度は縦に半分に切る。
はい、きれいなオレンジいただきました~。
んで、ひょうたんの丸みでいうと下の丸みにある種とわたをくりぬく。
あー、種も一応……とっとくか。
皮をむくために、むきやすい大きさへ。
か、……固い! けど、いける。わたしなら……いけるよ!
よし、いけた。
皮もしょりしょりと。皮うすいから、食べれそうだしテキトウで。
からの一口大へ切る。
「あっと、玉ねぎ忘れてた」
保管場所にとりに行って、玉ねぎを薄切りに。
よし、下準備はおっけい。
「しまった! ローリエ入れときゃよかったか」
ブイヨンの仕上げにローリエをプラスすれば、もっと洋風! になったかな。
まぁ、いつか試してみましょう。
「──終わったぞ」
「お、ありがとね」
「次はなにをやればいい?」
「もうちょっとしたら出番くるから、少し休んでおいて?」
「?」
ダオの出番はもう少しあと。
「そうだ、あと十分くらいあるから……山芋おろしといてくれる?」
「分かった」
料理は段取り! っていうもんね。
隙間時間でほかの準備だ。
ポタージュ用に用意した鍋へバターを投入。
あたためて、徐々にとけてきたら玉ねぎも投入。
はい、良い香り。
おいしくない訳がないのよ。
カレーとかもだけど、こういうのはしなっとなるまで炒めれば良いよね?
もう少し炒めよう。
ちらっとダオを盗み見れば、一生懸命山芋をすりおろす。
……体格の無駄遣い、すまない。
「もういいかな」
しなっとしてきた玉ねぎに、かぼちゃをこんにちはさせる。
かぼちゃは固いし……中火くらいでいいかな? ちょっと火を魔法で足して……。
鍋に加える用の水を魔法でコップに出しておく。
「いっけぇ」
バターの成分が十分にかぼちゃに絡まったら、水を入れて今度は煮る。
蓋しとこう。
煮てる間に玄米を炊く用意。
それとブイヨンの様子見。
あぁ、エボニーとか知り合いと一緒に魔法を駆使して建てた家だけど……キッチン広く造って良かった。
「こっちはもう良いかな~」
野菜と骨から、十分成分を抽出できた模様。
お疲れ様でした。
火を止めて、すこし冷ましておく。
……そうこうしていると、かぼちゃを煮ていた鍋もいい頃合い。
気分はもう、複数の手を持つ神の気分。
段取りよく出来る料理人のみなさん、尊敬。
かぼちゃも蓋をとって、粗熱を冷ます。
「ダオー、そろそろ出番だけど、いける~?」
「ああ、もうすぐ終わる」
本当は美形に山芋をすらせるなんて、絵的には忍びないんですけどね。
男女平等、差別反対。
容赦はしませんよ、わたしは。
「──何をすればいいんだ?」
「あれよ、あれ。いつもの!」
「? あぁ、みきさーってやつか?」
「そうそう!」
もはやミキサー要員と化した美形。
ごめんね、色々と才能の無駄遣いさせて。
でも食事って、とても大切なことだと思うの。
というか、鍋からミキサーに移さなくていいの便利よね。
原理は分かんないけど、鍋も傷付いてないし。
「どのくらい?」
「えっとね、スープみたいに飲む料理だから、なめらかになるまで。バジルの時みたいなのでお願い」
「任された」
よし、あとはそれと牛乳とブイヨン入れて、味を調えて加熱するだけ……かな?
ひとまず黄のポタージュ、準備おっけい!
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