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接収の謎
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ギルド職員を追い払った僕。
こんなトラブルの後、男手が無い状態でリサさんとマイカさんを置いて賢者の隠れ家に戻っていいのか悩む。
「アーキ君がいてくれて助かったよ」
僕を抱きしめてくるリサさん。
身体が少し震えている。
男の職員相手に勝気に対応していたリサさんだけどかなり心細かったらしい。
やはり、このトラブルが解決するまでは残った方がいいな。
ホムも残るのを勧める。
「アーキ、困っている人が居たら手を差し伸べるのも賢者の仕事だとホムは思う」
ホムも残った方がいいと言っているので、師匠が戻って来てこの件が解決するまでもうしばらく残ることにした。
*
僕がポーションの仕込みをしていると、メアリーさんとアンナさん、シェーマスさんがクラウスさんの屋敷の錬金工房で作りこんだポーションを運んできた。
僕が残っていたのに気が付いたメアリーさんは僕に抱きついてきた。
「アーキ様、まだ居たんですね。もうお屋敷に戻って来ても大丈夫ですよ。お父様には深く反省してもらっています」
現在進行形で反省しているのらしいのが少し不穏な雰囲気を感じる。
もしや、とてつもなく厳しいお仕置きの最中なんだろうか?
かなり気になる。
シェーマスさんがギルド前に止めた馬車からポーションを次々に運んで積む。
若返ったシェーマスさんは昔と変わらない筋肉質な身体を見せつけるようにポージング。
「大変だと? このぐらい、へっちゃらじゃ!」
今では村で一二を争う肉体派だ。
「今日は10ケースかな? いつもの倍で二週間分だ」
シェーマスさんは自分じゃ作ってないのに胸を張って自慢気だ。
「それがねえ……」
リサさんがついさっき王都のギルド本部の職員から言われた事を繰り返す。
それを聞いたアンナさんは呆れていた。
「接収が7割じゃと? そんな無茶苦茶な。このギルドを潰す気なのか?」
「あいつらは私たちが困るのをわかっていて無茶を言ってくるのよね」
「7割もただ同然で取られたんじゃ材料費分も出んぞい」
接収の際に支払ってもらうお金は基本的に国への協力ということで材料費のみだ。
しかも失敗品の分は全く考慮していない。
僕の属性錬金した錬金台が使える前は大赤字で、通常販売分でどうにか穴埋めしている感じだった。
赤字でポーションを作るのもバカらしいのでいっそうのことポーションを作りから撤退するのも考えていたそうなんだが、町の住民や冒険者のことを考えると辞めるに辞められるず困り果てていたところだったそうな。
「それに、」
リサさんが続ける。
「ポーション作りから撤退したら接収に応じられなかったと言うことで、ギルドの運営許可を取り上げられてしまうかもしれないので辞める選択肢はなかったのよね」
リサさんもアンナさんもかなり困ってる感じだ。
それで、助けを求めに僕の元に来たということだった。
「でも、なんのためにポーションを集めているのか謎よね?」
「戦争の準備のためですよね?」
「でも、戦争になったとしても、あれだけ強い武器を持っていたら一方的な戦いになってケガ人なんて出ないと思うわ」
そういわれると……。
確かにそうかもしれない。
大量のポーションを用意する必要は薄い。
「なんでポーションを集めているんだろう?」
「ちょっと王子に聞いてくるよ」
まるで友だちに聞きに行くような感じで当たり前のように言ったリサさん。
王子にそんな気軽に会いに行っていいんだろうか?
心配なので僕も付いていくことにしたら、ホムとメアリーさんもついてくることになった。
ちなみに赤ちゃんが大きくなってお腹の膨らみが目立ってきたアンナさんとシェーマスさんはお留守番。
王都への移動での飛竜は2匹。
僕の飛竜のヒエンとリサさんたちの飛竜フレイヤだ。
既に飛竜同士、かなり仲良しだ。
僕らは王都を目指し、大空を翔《かけ》る。
こんなトラブルの後、男手が無い状態でリサさんとマイカさんを置いて賢者の隠れ家に戻っていいのか悩む。
「アーキ君がいてくれて助かったよ」
僕を抱きしめてくるリサさん。
身体が少し震えている。
男の職員相手に勝気に対応していたリサさんだけどかなり心細かったらしい。
やはり、このトラブルが解決するまでは残った方がいいな。
ホムも残るのを勧める。
「アーキ、困っている人が居たら手を差し伸べるのも賢者の仕事だとホムは思う」
ホムも残った方がいいと言っているので、師匠が戻って来てこの件が解決するまでもうしばらく残ることにした。
*
僕がポーションの仕込みをしていると、メアリーさんとアンナさん、シェーマスさんがクラウスさんの屋敷の錬金工房で作りこんだポーションを運んできた。
僕が残っていたのに気が付いたメアリーさんは僕に抱きついてきた。
「アーキ様、まだ居たんですね。もうお屋敷に戻って来ても大丈夫ですよ。お父様には深く反省してもらっています」
現在進行形で反省しているのらしいのが少し不穏な雰囲気を感じる。
もしや、とてつもなく厳しいお仕置きの最中なんだろうか?
かなり気になる。
シェーマスさんがギルド前に止めた馬車からポーションを次々に運んで積む。
若返ったシェーマスさんは昔と変わらない筋肉質な身体を見せつけるようにポージング。
「大変だと? このぐらい、へっちゃらじゃ!」
今では村で一二を争う肉体派だ。
「今日は10ケースかな? いつもの倍で二週間分だ」
シェーマスさんは自分じゃ作ってないのに胸を張って自慢気だ。
「それがねえ……」
リサさんがついさっき王都のギルド本部の職員から言われた事を繰り返す。
それを聞いたアンナさんは呆れていた。
「接収が7割じゃと? そんな無茶苦茶な。このギルドを潰す気なのか?」
「あいつらは私たちが困るのをわかっていて無茶を言ってくるのよね」
「7割もただ同然で取られたんじゃ材料費分も出んぞい」
接収の際に支払ってもらうお金は基本的に国への協力ということで材料費のみだ。
しかも失敗品の分は全く考慮していない。
僕の属性錬金した錬金台が使える前は大赤字で、通常販売分でどうにか穴埋めしている感じだった。
赤字でポーションを作るのもバカらしいのでいっそうのことポーションを作りから撤退するのも考えていたそうなんだが、町の住民や冒険者のことを考えると辞めるに辞められるず困り果てていたところだったそうな。
「それに、」
リサさんが続ける。
「ポーション作りから撤退したら接収に応じられなかったと言うことで、ギルドの運営許可を取り上げられてしまうかもしれないので辞める選択肢はなかったのよね」
リサさんもアンナさんもかなり困ってる感じだ。
それで、助けを求めに僕の元に来たということだった。
「でも、なんのためにポーションを集めているのか謎よね?」
「戦争の準備のためですよね?」
「でも、戦争になったとしても、あれだけ強い武器を持っていたら一方的な戦いになってケガ人なんて出ないと思うわ」
そういわれると……。
確かにそうかもしれない。
大量のポーションを用意する必要は薄い。
「なんでポーションを集めているんだろう?」
「ちょっと王子に聞いてくるよ」
まるで友だちに聞きに行くような感じで当たり前のように言ったリサさん。
王子にそんな気軽に会いに行っていいんだろうか?
心配なので僕も付いていくことにしたら、ホムとメアリーさんもついてくることになった。
ちなみに赤ちゃんが大きくなってお腹の膨らみが目立ってきたアンナさんとシェーマスさんはお留守番。
王都への移動での飛竜は2匹。
僕の飛竜のヒエンとリサさんたちの飛竜フレイヤだ。
既に飛竜同士、かなり仲良しだ。
僕らは王都を目指し、大空を翔《かけ》る。
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