墓守令嬢は黒幕貴公子の溺愛に気付かない
結局のところ、貴族令嬢の運命など後ろ盾次第だ。
幼くしてお母様を亡くし、公爵だったお父様を12歳で亡くして5年。
わたし、公爵令嬢フェリシア・ストゥーレは、よく持ちこたえた方だと思う。
婚約者の第3王子に婚約破棄を突きつけられ、お飾り同然の結婚をしたわたし。
嫁ぎ先から向かったのは、亡き両親の眠る辺境の地。
3年ぶりに眼鏡をかけ、大好きな本に囲まれて過ごすうちに、どうやら、わたしは夫に溺愛されているらしい。
けれど、生憎とわたしはまったく気付かない。
なぜって?
本が面白くて、それどころじゃないから!
これは、亡き両親の墓守をしながら、第2の人生を謳歌しようとした公爵令嬢の物語。
......え? 陰謀? 何か企んでるんじゃないかって?
まさか、まさか。
わたしはただ、静かに暮らしたいだけですのよ?
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