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三章◆彼女さん◆
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会食を兼ねた打合せが終わり次の会議のために一旦会社へ戻ると、藤原から予定変更が伝えられた。
「社内調整会議は18時からに変更になりました。」
「18時?」
淡々と予定を告げる藤原に、雄大は小さくため息をついた。
そんな時間から会議をするとなると、どう考えても会社を出るのは19時を過ぎるだろう。
いつも営業時間ギリギリで、少し過ぎても鍵をかけずに待っていてくれる琴葉を思い出し、雄大はモヤモヤとした気持ちでいっぱいになった。
会議なんてさっさと終わらせて、お土産を持って琴葉に会いに行くハズだった。
それなのに、会議中いつも以上に杏奈が議論を白熱させる。
たかが社内調整会議に今日はやけに突っかかる杏奈に、雄大は苛立ちを隠せなかった。
長々と続いた会議がようやく終わったのは21時のことだ。
「雄大、これ買っておいたわよ。一緒に食べましょうよ。」
会議が終わり副社長室で帰り支度をしていると、杏奈がノックもせず図々しく入ってくる。
雄大の目の前に差し出されたのは見慣れた紙袋、minamiのパンで、雄大は眉間にシワを寄せた。
「俺の世話は焼かなくていいって言っただろ。」
雄大はそれを受け取らず、杏奈を無視して帰ろうと席を立つ。
「じゃあ一緒に帰る。」
「俺は用事があるから。」
後を追いかけようとする杏奈に、雄大はつれない態度で冷たくあしらった。
そんな雄大に、杏奈は冷ややかな声色で言う。
「そんなにあの子に会いたいの?今からminamiに行ったって遅いんだから。」
背中に浴びせられた言葉に雄大は一瞬立ち止まると、振り返らずに言った。
「杏奈、わざと会議を長引かせただろう?仕事とプライベートは切り離せよ。」
杏奈を残し、雄大は副社長室を出ていった。
会食を兼ねた打合せが終わり次の会議のために一旦会社へ戻ると、藤原から予定変更が伝えられた。
「社内調整会議は18時からに変更になりました。」
「18時?」
淡々と予定を告げる藤原に、雄大は小さくため息をついた。
そんな時間から会議をするとなると、どう考えても会社を出るのは19時を過ぎるだろう。
いつも営業時間ギリギリで、少し過ぎても鍵をかけずに待っていてくれる琴葉を思い出し、雄大はモヤモヤとした気持ちでいっぱいになった。
会議なんてさっさと終わらせて、お土産を持って琴葉に会いに行くハズだった。
それなのに、会議中いつも以上に杏奈が議論を白熱させる。
たかが社内調整会議に今日はやけに突っかかる杏奈に、雄大は苛立ちを隠せなかった。
長々と続いた会議がようやく終わったのは21時のことだ。
「雄大、これ買っておいたわよ。一緒に食べましょうよ。」
会議が終わり副社長室で帰り支度をしていると、杏奈がノックもせず図々しく入ってくる。
雄大の目の前に差し出されたのは見慣れた紙袋、minamiのパンで、雄大は眉間にシワを寄せた。
「俺の世話は焼かなくていいって言っただろ。」
雄大はそれを受け取らず、杏奈を無視して帰ろうと席を立つ。
「じゃあ一緒に帰る。」
「俺は用事があるから。」
後を追いかけようとする杏奈に、雄大はつれない態度で冷たくあしらった。
そんな雄大に、杏奈は冷ややかな声色で言う。
「そんなにあの子に会いたいの?今からminamiに行ったって遅いんだから。」
背中に浴びせられた言葉に雄大は一瞬立ち止まると、振り返らずに言った。
「杏奈、わざと会議を長引かせただろう?仕事とプライベートは切り離せよ。」
杏奈を残し、雄大は副社長室を出ていった。
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