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鳩死亡
しおりを挟む驢馬は、コントロールルームの方に向かっている。ハジメから報告を受けて、ヘビは急いだ。
途中、一匹の獣を見つけた。獣は、横たわる人間を運ぼうと食らいついていた。
「くそっ」
此方を向いている鳩は、既に絶命していた。
ヘビが銃を構えると、獣が気がついて襲いかかってきた。
打ち込んだ二発の銃弾は、獣の頭部と、胸に被弾し、獣は床に叩きつけられた。
ここ二、三年の間に外で数を増やしている獣だった。
かつて栄えた動物のどれにも当てはまらないが、どこか既視感のある獣だ。猫科のような俊敏さと跳躍力を持ち、前足には、馬科のような硬い蹄を持つ。鋭い牙と顎の力も驚異的だ。
「……」
獣の死体の横を通り過ぎ、鳩の側で屈んだ。
「何かで、首を斬られている?」
広がる血の海、鳩の死因は失血死と予想される。
「……何だ?」
鳩が何かを握りしめてた。細い枝か……藁のような何かだった。
『ヘビ、驢馬が此方に迫っています』
「分かった」
もしも、驢馬がコロニーに恨みを抱いて、機能不全に陥るような破壊を行えば大変な事になる……ヘビは走り出した。
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