あの時、君の側にいられたら 【恋愛小説】

いんげん

文字の大きさ
21 / 56

第二十一話 はじめて(性描写有)

しおりを挟む

(どうしよう……もうギブアップしそう、詠臣さん、いつもと違う! 当たり前なんだけど、男性の顔をしている!)
 寧々は胸の中が、モゾモゾとして落ち着かない気がした。
(好きな人と抱き合いたいと思ってたけど、いざ……ってなると、どうしたらいいか分からないよ! 私、上手く出来るのかな⁉ 変なやつだと思われたりしないかな……大丈夫かな?)
 初めての事に、寧々は不安と心配に襲われた。もちろん、期待や興奮もあるけれど、好きだからこそ、嫌われたりしないかネガティブになった。
「寧々……」
 詠臣は寧々を抱き上げて歩き出すと、ベッドに優しく座らせた。

(ここから……私はどうしたらいいんだろう……男女が何をするのか位は知っているけど……実際、どうしたら良いかわからないよ! どうしよう、美怜ちゃん! もっと勉強しておけば良かったよ!)
寧々の混乱をよそに、詠臣はネクタイの結び目に指を差し入れて、もどかしそうに引き抜いた。
(かっ……かっこいい……)
 寧々が詠臣に見惚れているうちに、詠臣は軍服のジャケットを脱いで床に捨てた。
 普段ならば、しっかりとハンガーに掛ける詠臣の粗野な振る舞いに、寧々は、さらにドキッとした。
 そして、詠臣はワイシャツの腕のボタンを外した。

(あっ……私も服を脱ぐべき? 今がその時なのでしょうか? えっ……どうしよう、これ首元まであるパーティードレスなの! チャックが後ろなの……)
 寧々が固まっている間に、詠臣はワイシャツの胸のボタンを外しにかかっていた。
(ワイシャツの隙間から見える詠臣さんのお胸……す、すごくドキドキする……抱きつきたい……どうしよう、私……おかしいのかな⁉)
「寧々……あまり熱心に見つめられると、優しくできなくなります」
 寧々の視線に気がついた詠臣が、苦笑してワイシャツを脱ぎ捨てた。
 そして、上半身裸の状態で寧々に近づいて、膝でベッドに乗り上げた。迫り来る、美しい雄の肉体が、寧々を圧倒する。

「そんな不安そうな顔をしないでください……虐めたくなります」
「え、いしんさ……んっ……あっ」
 詠臣の手が寧々の頬に添えられ、唇を食べるようにキスをされた。
 いつもより激しく、執拗なキスに呼吸がままならない。ギュッと目を閉じて縋るように詠臣の胸に手を置いて、相手が素肌なことに鼓動が高鳴った。
「……はっ……んぁ……あっ」
 角度を変えて、より深く口付けられたソコから、舌が入って来た。
(こ……これが、ディープキスっていう……キス……詠臣さんの……舌が、私の中で動いている……)
 寧々がキスに圧倒され喘いでいるうちに、詠臣の腕が後ろに回り、寧々の背中のファスナーをゆっくりと下げていった。首元までキッチリと身を包むドレスがはらりと胸元まで垂れた。

「やっ……」
 恥ずかしくなった寧々は胸元でドレスを押さえた。顔を下げた事でキスが止んだ。
「寧々……嫌ですか?」
 寧々に迫っていた詠臣が、後ろに引いてベッドの上で片膝だけ正座をした状態で止まった。
 寧々がゆっくりと首を振った。
「私……詠臣さんみたいな、素敵な体じゃなくて……恥ずかしい」
「……」
 詠臣が眉間を摘まむように抑え、俯いた。深いため息が出ている。
「……私だけには、見せてください」
 気を取り直した詠臣が、自分が脱いだシャツを手を伸ばし拾い上げて、寧々の肩から掛けた。
 そんな詠臣の紳士的な振る舞いに、寧々の胸がキュンと締め付けられた。

 詠臣が寧々の首元で、シャツをマントのように抑えてくれている間に、寧々はブラジャーを外してドレスを引き抜くと、恥ずかしさの余り詠臣のシャツに腕を通して着た。
 詠臣が目を見張って笑っている。
(ショーツも脱ぐのかな……でも、詠臣さんもズボンはいているし、まだ良いよね……だって、無理……)
「……」
 寧々が、泣きそうな顔で詠臣を見上げると、詠臣が寧々の頭を支えてベッドに押し倒した。
「寧々……好きです、とても……」
 詠臣の手がシャツの隙間から入り、寧々の胸に触れた。
 少し荒れている詠臣の硬い手に、意識的に優しく触れられると、くすぐったいような心地よさに包まれた。
「……あっ……んっ」
 温かい手が寧々の胸を優しく揉みながら、反対の手が寧々のお腹や脇を撫でている。
「詠臣さん……」
(すごく、大切に扱われているのが、わかる……心が満たされる……嬉しい……好きが溢れてくる)
 寧々は柔らかい表情で微笑むと、詠臣の頬に手を伸ばし、人差し指で唇に触れた。
 すると、その指にチュッとキスをされたので「そっちじゃなくて……」と寧々が不満を漏らすと、意地悪そうに微笑んだ詠臣が寧々に顔を寄せ、軽いキスををした。
そして、その唇は、首筋、胸元へと下がっていった。

「やぁっ……あ……うっ」
 指で弄られ痼った乳首に口付けられて、寧々の体が震えた。
(なに、これ……ジンジンする……息が詰まる……でも、やめて欲しくない……)
 詠臣の口に含まれた乳首は、温かい舌に優しく吸われ舐められて、寧々の腰が浮き上がった。少し濡れてきたソコに詠臣の手が迫る。
「あっ……駄目っ」
 恥ずかしくて、やめてと言おうとした寧々の口が詠臣のキスに塞がれた。
 置き去りにされた胸が寒くて、シャツの前を引き寄せたら、乳首が擦れ予期せぬ快感に眉を顰めた。
「寧々……」
(ずるい……詠臣さんに、そんな熱っぽく名前を呼ばれたら……何も言えないよ……)
 詠臣の手はショーツの上から寧々の秘所に触れた。

「詠臣さん……あっ……」
 濡れてしまったソコが恥ずかしくて、寧々は唇を噛みしめた。
 しかし、触れるか触れないかのタッチで、何度もソコを擦られると、耐えきれなくなって、荒い吐息が漏れる。
「ゆっくりしましょう……寧々の心臓が驚かないように……」
「……」
 言葉通り、詠臣は寧々の体をゆっくり開いていった。
 あまりに、丁寧すぎて……寧々が焦れるまで。

「えっ、詠臣さん! もう……やだっ……」
 詠臣の指にいかされて、更になお解されて……寧々は、もう限界が近かった。気持ちいいのも辛いと初めて知った。
「……痛い思いをするかもしれません……」
 寧々の中から指を抜いた詠臣は、一度起き上がって軍服のズボンを脱ぎ捨てた。
 ソコには、勃起して下着を押し上げる、凶悪なモノが待っていた。
(……痛い……思い……えっと、えっと……)
 再び覆い被さってきた詠臣のソレが、寧々のもとに近づいて来た。
 いつの間にか、避妊具も装着されている。

「……すみません」
 苦しそうな顔で謝る詠臣に、寧々は何故だか高揚感が湧いた。
(詠臣さんが……愛しい……)
 覚悟を決めて、詠臣の首に腕を回した。
 硬く大きなソレが、寧々の中に沈み込んで来る。
(いっ……痛い……あんなに解されたけど……少し……痛い……)
「寧々……寧々…」
 自身を穿つ圧迫感と痛みはあったけれど、それよりも興奮が勝った。
(詠臣さんが必死に私を呼んでる……苦しそうで、気持ちよさそうな顔が……堪らない……)
「えい、しんさ……ああっ……ん……あ…」
 最初は痛いばかりだったけれど、痛みの中にも少しづつ疼くような快楽が戻ってきた。
 寧々の様子の変化を感じ取った詠臣が、寧々の気持ち良い所を探り、刺激するように腰を打ち付けた。

 詠臣は、やり過ぎるな、耐えろ、相手は体の弱い寧々なのだと頭では分かっていたが、普段は大人しく清らかな印象の寧々が、蕩けるような顔で喘いでる姿に止まらなかった。
 それに……今、この瞬間だけでも、寧々が自分だけのモノになっているという、独占欲が満たされる快感に溺れそうだった。
「…くっ……寧々……愛しています……寧々…」
 しっとりと汗を掻いた詠臣が、髪を乱し覆い被さると、寧々の手を掴んで指を絡めた。
「あっ、やぁ……詠臣さ……あっ……んっ、あぁー‼」
 詠臣に握りしめられた、寧々の手の力が抜けた。
 はぁはぁと呼吸の乱れた詠臣の体が、寧々の上に寄り添うと、最後まで食べ尽くされるようにキスをされた。

 しばらく、寄り添って横になった後、詠臣が額に手を当てて、深いため息をついた。
 寧々は、自分が何かしてしまったのかと、ギョッとして隣に寝ている詠臣の方を見た。
「……空将にご連絡するのを……忘れてました」
「っ!」
(そうだった……お爺様に、詠臣さんと食事してから帰りますってメールしたんだった……今、えっ……十二時……まさか私、今から帰されちゃう?)
 寧々は明日筋肉痛になっていそうな重い体を起こして、詠臣の胸の上に顔を乗せた。
「……帰らないと駄目ですか?」
 寧々の行動に詠臣が目を瞑って笑った。
「帰さない理由を考えてました……可愛いことをしないでください……これ以上、碌でもない男になりたくないです」
 詠臣の手が寧々の乱れた髪を撫でた。
 気持ち良くて幸せで、つい笑ってしまう。
「寧々……」
 体を少し起こした詠臣が肘をついて横になると、寧々の唇にキスをした。
 唇が離れると、二人で見つめ合って微笑んだ。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。 「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

処理中です...