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第4章 新しい関係
10、お姉様
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望月アグリと申します。私には2人の姉がいることを以前はなしましたね。
長女の姉は東京に行っています。次女の姉は同じ群馬の中にいました。
と言ってもあまり近所ではないので、お嫁入りしてからほとんど会うことなく、過ぎていたのでございます。
ある日、お姉様が望月の家にやってきました。
「加藤美代様という方がお見えですが。」
「あ、姉です。」
姉は加藤様という弁護士の家に嫁いでました。
この時、22歳にはなっていたと思います。
「アグリ、久しぶり。結婚式に来れんでごめんね。」
「お姉様、いえ、私も急でしたから。」
姉を自室に向かい入れました。
「お姉様、今日はこの辺りにご用事ですか?」
「ううん。アグリに会いにきたの。」
「嬉しいです。お姉様のお話も聞きたいです。」
そういえば、3歳になるお子様をお連れではありません。
「お姉様、今日はおぼっちゃまはご一緒じゃないんですか?」
「うん。。。ちょっとね。」
「何かあったんですか?」
「あのね、うちの人、浮気したの。」
「え?」
「しかも、その人と本気とか言っちゃって。」
「でも、お兄様、真面目な方で。」
「真面目だからタチが悪いのよ。結局、いま、こう着状態。」
はあ、とため息を美代は暗い雰囲気になった。
「ねえ、アグリ、あなたはどう思う?」
「え?」
「離婚した方がいいかしら?」
「そ、そんな」
「私、追い出される前に、軍資金もらって河村の家に戻った方がいいかしら?」
姉の悲しげな表情を見ると軽々しく言ってるわけではないことを知りました。
「お姉様、私なんてめちゃくちゃですよ。」
「めちゃくちゃって?」
「結婚した次の日に帰ってこない旦那様を迎えに行ったら、恋人といたんですよ。」
「え!どういうこと!」
「それで、怒って帰ってきたんですが、ちょっと間違って、子供ができてしまいました。」
「良く、許したわね。」
「うーん。私、許したとか許さないとかまだそんな関係じゃないのかも知れません。」
「アグリはそれでええの?」
「先日、手紙をくれて、子供のこと嬉しいって書いてありました。なんだかそれでいいかなって。」
「アグリは大人じゃなあ。」
いいえ、私は大人じゃないんです。子供なんです。だからお姉様みたいに怒れないのかもしれません。
「お姉様が、旦那様をまだお好きだったら別れない方がいいです。それだけは言えます。」
お姉様がちょっと笑いました。
「そうね。私、片思いでもあの人と一緒にいる方がまだいいかもしれないわね。」
そういうと、お姉様はすくっと立ち上がって、帰ると言って帰って行きました。
その後、お姉様が離婚することはなかったので、修復したかは分かりませんがお姉様の気持ちは旦那様にあったということでしょう。
夫婦には夫婦だけの数、形があるんですね。
ということで、今日はこの辺りで失礼します。お粗末様でした。
長女の姉は東京に行っています。次女の姉は同じ群馬の中にいました。
と言ってもあまり近所ではないので、お嫁入りしてからほとんど会うことなく、過ぎていたのでございます。
ある日、お姉様が望月の家にやってきました。
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「ううん。アグリに会いにきたの。」
「嬉しいです。お姉様のお話も聞きたいです。」
そういえば、3歳になるお子様をお連れではありません。
「お姉様、今日はおぼっちゃまはご一緒じゃないんですか?」
「うん。。。ちょっとね。」
「何かあったんですか?」
「あのね、うちの人、浮気したの。」
「え?」
「しかも、その人と本気とか言っちゃって。」
「でも、お兄様、真面目な方で。」
「真面目だからタチが悪いのよ。結局、いま、こう着状態。」
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「ねえ、アグリ、あなたはどう思う?」
「え?」
「離婚した方がいいかしら?」
「そ、そんな」
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「めちゃくちゃって?」
「結婚した次の日に帰ってこない旦那様を迎えに行ったら、恋人といたんですよ。」
「え!どういうこと!」
「それで、怒って帰ってきたんですが、ちょっと間違って、子供ができてしまいました。」
「良く、許したわね。」
「うーん。私、許したとか許さないとかまだそんな関係じゃないのかも知れません。」
「アグリはそれでええの?」
「先日、手紙をくれて、子供のこと嬉しいって書いてありました。なんだかそれでいいかなって。」
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そういうと、お姉様はすくっと立ち上がって、帰ると言って帰って行きました。
その後、お姉様が離婚することはなかったので、修復したかは分かりませんがお姉様の気持ちは旦那様にあったということでしょう。
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