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第二章:常に最愛の者へ。
砕けない意思、他国の傾向。
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最近、私の身体は、なぜか?
調子も良い気がする。
いつも通り勉学も頑張るけど…
宿題もない夜はルイを。
待ってる間、何を。
一応、苦手な魔法学?
でも…
あの嫌な感覚は好きになれない。
だからソファで寝転がった時。
ふと、私は空中庭園も思い出す。
他国の綺麗な景色ばかり。
同時にルイの言葉もだった。
『この城から出るな』と…
確かに?
私は出たいと思った事もない。
他国の事すら知らない私が?
皇妃って具体的に何を?
私にはルイが居れば充分なの。
でも…
『俺の子を』と?
『俺とルカだけの愛する子を』と?
いつもルイは私へ。
ルイの為、私が出来る事なら…
もっと、したいのに…
いつもルイは望んでる?
それは、いつになる?
そんな事も考えながら…
私はルイが戻ってくる時間も増え始めた。
**************************
一方、グリシャ。
どうにか今は他国に潜伏しながら策を。
考える中、説得も含め対話したくても出来ない。
そんな現状が続く理由すら簡単だった。
まさに皇帝ルイの全世界へ。
一斉に出した国際指名手配と報奨金である。
ついでに言うならば、もう一つ…
「あんの皇帝ルイ以上に…
ふざけやがってぇ!!
俺も僅かだが、充分過ぎた。
完全にイカれたユテライク族長がぁ!!
何が、どう、皇帝ルイを。
神の代弁者だとぉ!?
馬鹿言ってんじゃねぇ…
もう皇帝ルイ以上に最悪だろ!?
今すら仲間達も危険なまま…
普通に無関係な者達すら殺すだぁ?
しかも諦めねぇで、今度は王族かよ!!」
余りの怒りに思わず、怒鳴ったが。
俺は調べ上げた書類を、再度、皆へ。
もう投げ付ける様に渡した。
仲間達すら怒りも抑える様子でだった。
それぞれ書類も回し読みしながら…
「グリシャ…
どうにか今は帝国へ、対立心もある。
ザナザイア国の貴族邸に匿って貰ってるが。
既に指名手配と各国の王族まで…
こんな現状だと安易に動けない以上も判る。
だが、俺達の場合、下手したら…」
そこで同じく他国でも…
フェキージュ国の帝国対立貴族の一人が。
考えながら言ってきた。
俺にも意味は判った。
だから一度、深呼吸してから…
「判ってる、レアの言いたい事もなぁ?
このままだと今居るザナザイア国。
フェキージュ国も含めるが。
属国じゃねぇとしても危険に、だろ?
他にもあるが、俺からするとだぞ?
皇帝ルイより今は恐らく、ユテライク族…
正確に言えば、俺と接触した。
あの族長らしい男になる?
もう、ありゃ、ヤベェ…」
一応、レアの方も向いて言ったが。
思い出すだけで、俺は首すら横に振る。
レアも複雑な顔になって…
「俺も貿易商として関わった事はある。
まさか、アルデバード帝国へ。
正確に言えば、皇帝ルイへ?
そんな動きまで…
してるのは全く気付かなかった。
グリシャの調べた記録も疑わない。
確かに証拠は、ないが…
実際、今すら各国の王族も含め動いてる。」
頷きながら言ってきたが。
すぐ、ゼクメヤ国の帝国対立貴族の一人。
イーザが思い出す様にだった。
「なぁ、グリシャの話。
これだけの記録でも説得力はある。
俺すら疑ってないとしてもか?
それでもユテライクの族長って言ったら…
まだ若くて特に頭脳は有名だぞ?
貿易商として優秀過ぎる上に、まぁ…
声すら荒げる印象も全く浮かばない。
常に笑顔で対応してくる。」
言ってきた事に俺も頷きながら思う。
確かに若そうな上に…
最初も含め笑顔だったし?
だが、アイツは…
「イーザの疑問には予測だけかぁ?
俺も出来るが、恐らく…
ユテライク一族の神々へ。
その信仰心から今だと皇帝ルイへ。
同じ理由で、だろ。
だが、肝心な皇帝ルイは一切、見てねぇ!!
同じ理由で、次期ルカ皇妃もだ!!」
大きく断言する様に俺も言った。
室内には他にも仲間は居るが。
二人以外の皆も反応した中。
まだ今は他国でも三カ国の貴族のみ。
重要な要人とも関与する上に…
俺すら厳選して記録と事実を。
説得よりも納得させる為にと…
真っ先に動いた結果でもあったが。
またフィンも考えれば、俺には判る。
だからこそ、目すら閉じて思い出しながら…
「こうして俺が、だろ?
三ヶ国と接触して繋がれたのは…
やっぱ、フィンに言われた筈。
歳も若い中で他国の繋がりを。
全てを、俺へ。
託す時まで予測してなきゃ…
今、居る『ザナザイア国』のオセト。
『フェキージュ国』のレア。
『ゼクメヤ国』のイーザ。
接触も、説明も、簡単じゃなかった。
他国の中、三人は俺より歳上でもか?
若い他国の帝国対立貴族へ。
不可能だった筈。
そして三人共が、真っ先に俺も信じてくれた。
いくら帝国対立貴族でも、だろ?
フィンから三人共、俺の名前と合言葉を。
聞いてたからこそ…
すぐ匿ったり支援してない。」
そこまで言ってから俺は目を。
開けてレアとイーザを。
見れば、少し二人共が笑った。
そう…
まだ繋がった三人共がだった。
各国の貴族としての地位もある。
その上で、20歳前後と若い!!
にも関わらず…
各国の重要な地位へ。
既に居る程、頭脳も魔力もある者達。
レアは中性的な顔立ちで、更に若く見えるが。
23歳、細身で優雅な身なりも似合う姿を。
イーザは男らしい体格の良い姿で…
まだ20歳なのに軍部指導まで熟す腕前だった。
一度、頷いてからレアが。
「あぁ、フィンなぁ?
グリシャの事も聞いてた。
俺の場合、フェキージュ国でもだ。
外交関係もあるが。
父親も含めグリシャへ。
最後の最後までって言ってたから…
グリシャの時は、俺が支えて欲しいと。」
言って、すぐイーザも同じで少し笑う。
「フィンは馬鹿でもかよ!?
だが、見る目はあったからこそ、だろう?
最後まで足掻くしか出来ねぇと。
ゼクメヤ国なら俺が支えてくれってなぁ?
託す者は、グリシャと…
そして、フィンの最後で知った真実!!
だからこその今だ!!」
俺にも意味は判る。
少し合言葉も思い出して…
「まさか、フィンの合言葉までだぞ?
忘れられねぇよ!!
だから『赤い魔石が砕けても』と…」
「『俺の意思は砕けねぇ!!』」
すぐ二人が同時に言って笑い出す。
「フィンの魔石も知ってる。
そして、グリシャの名前と、この合言葉!!
つまり、フィンの意思も受け継いだ証!!
あはは…
だが、グリシャから聞いたフィンのか?
まさに冥土の土産は、フィンらしい…
また俺の居るフェキージュ国は帝国へ。
敵わなくても魔力は常に重視してる事。」
「ははは!!
皇帝ルイすら呆れた冥土の土産か!?
フィンなら判るから余計に…
そして、俺達へ。
同時に託したグリシャと意思を。
まだ多い他国でも、だぞ?
世界でもアルデバード帝国へ。
負ける技術力でも俺の居るゼクメヤ国!!
同盟国も多いからなぁ?」
レアとイーザが、俺へ。
意味も充分、判る。
「そうだな!!
そして俺もだが。
ザナザイア国のオセトの頭脳だろ?
他国でも有名だし?
属国になってる仲間からも…
ウヌカ国、オーセラ国から常に俺へ。
纏めてみせるのは当然。
フィンの意思は砕けねぇ!!」
少し笑って言った時。
「だったらグリシャ?
最も重要な策でも段階を。
それでもアルデバード帝国。
皇帝ルイには到底、伝わらないぜ?」
オセトが、すぐだった。
部屋に入ってくると同時に言ってきたが。
「充分、俺も判ってる、オセト!?
戻ったのか。
王族から呼び出しで心配してたぞ!?」
慌てながら言えば、オセトも少し笑った。
「問題ねぇよ、グリシャ。
だが、王族より厄介なのはユテライク族。
元々、怪しいのは判ってた事。
貿易商としての頭脳、常にか?
帝国支持派の先端だった。
また皇帝ルイは、更に上だろ?
ユテライク一族の信仰心は、まぁ…
ずっと変わらねぇし?
長い一族での頭脳より情報網。
恐らくフィンが、グリシャへ。
渡した魔石すら記録になくても、すぐだった筈。
動きも読まねぇと、ヤベェからな。」
何だと!?
王族も含め、やっぱ…
オセトは乱暴な言葉遣いだが。
22歳で気品のある容姿端麗な上に…
国内でも外交すら一任される程。
レアとイーザも察した様子だったが。
確認の為、俺もオセトへ。
「つまり、オセト?
今回の国際指名手配以外。
王族の件は…
全てが、ユテライク族か?」
すぐオセトも頷きながら…
「そうだろうな。
僅かな違和感で、俺には判った。
王族の件は皇帝ルイから直に、じゃねぇ…
ユテライク族が、だろ?
正確に言うなら皇帝ルイが…
直に動かなくても、ユテライク一族が、と。
判ってるから、アルデバード帝国は指名手配のみ。
他はユテライク一族が、勝手に動く形へ。
してるだけ…
こんだけ頭脳すら皇帝ルイは既にだ。
そして、やはりグリシャのか?
予測通り、重要になる次期ルカ皇妃…
もう皇帝ルイが、絶対に阻止する。
その模索も早くしねぇと。」
言ってきた意味にも判る。
改めて俺も考えながら…
「確かに皇帝ルイが、だろ?
重要な次期ルカ皇妃へ。
防がれる上に…
やっぱ、あのイカれたユテライク族長かよ!?
帝国が指名手配だけって…
だったら今まで、どんだけ裏で!?
だが、皇帝ルイも見抜いてる。
ユテライク一族に関しては放置してるだけ!!
騙してる訳でもねぇ…
あのイカれ方は尋常じゃねぇし?
もう俺はドン引きしたからなぁ?」
途中から思い出して首を。
横に振ったが。
レアも少し驚きながら…
「グリシャの僅かで、どれ程だ?
貿易では一切、崩さないユテライク一族が?」
言いながら他の皆も、それぞれ…
考えてる様子へ。
オセトも思い出す様子で…
「グリシャ?
あれか?
皇帝ルイの大賛辞になるが。
凄いのは判るとしても…
俺の時すら貿易商の顔は、まぁ…
そこまで壊れてなかったぞ?
一応、グリシャの話も聞いたな。
予測しても皇帝ルイよりも…
その話だと次期ルカ皇妃を、だろ?
皇帝ルイも讃えてる上に…
有名過ぎる美貌を、蔑ろにしたと?」
言ってきた事で、俺も再度…
考えて気付いた。
そう言えば…
「確かにオセトの言う通りか?
皇帝ルイから、だろ?
次期ルカ皇妃の事を。
聞いたと?
美しい大輪とかぁ…
直接、あの皇帝ルイが、イカれた族長へ。
言ったと?
んな馬鹿なって思うし?
外交記録も含め、あり得ねぇと…」
俺は目すら閉じて頷く、そのまま…
「アイツは凄く驚いてなぁ。
族長前から一見しただけで判ると?
もう、その前からヤベェ奴だった…
捕らえた後の俺を?
皇帝ルイなら、どちらが!!
って、いきなり叫びやがったし?
次期ルカ皇妃の美貌は…
除外してもって言いかけたら急に狂ったぞ?
髪すら解いて怒鳴り散らしたぐらい…
まぁ、すぐ急に節度ある言動ってかよ!?
自分で言って戻るヤバさ…」
そうだな?
あんなヤベェ奴、知らん!!
目も開けると、三人以外の全員…
その場で明らかに驚いた顔もしてたが。
今度はイーザが首を、いきなり横に振ると。
目すら閉じて…
「グ、グリシャ?
髪すら解いて怒鳴り散らした、だと?
絶対、貿易商の笑顔だけ…
徹底してる、あの族長が?
だが、その話だと…
皇帝ルイから直に聞いた?
皇帝ルイだけでもなく、次期ルカ皇妃も…
美貌に関して有名過ぎるぞ?」
なぜかレアも目を、閉じて…
「俺も幼い頃、一度か?
忘れられないが。
あの美貌で?
今、美しい大輪と?
つまり、更に増した美貌と…」
またオセトすら目を、閉じた。
「俺の知る限り…
次期ルカ皇妃に関してだが。
美貌だけでもない?
あの笑顔だろ。
俺すら忘れられない程。
しかも直に皇帝ルイが言った?
とんでもないだろ…」
正直、俺は驚いた。
三人共が、そのまま頷くのみ。
「な、えぇ?
美貌は所詮、外見だろ?
んなの気にして…」
「「「待ったぁ!!」」」
三人同時に言って、目すら開けた。
そして視線も合わせ頷くと…
イーザだった。
「グリシャ…
知らないな?
本当の美貌ってなぁ…
もう忘れられないぞ?
族長の場合、信者に近い筈。
そして、発狂する程か…
なかなか言えない発言を、スゲェな!!
流石、フィンに育てられただけある!!」
何だとぉ!?
いや…
フィンは関係ねぇ!?
「そんなに美貌が大切かよ!?
三人共、変だろ!?」
一応、すぐ俺も言うのだが。
しばらく三人共、何か考えてるまま…
それから、どうにか話も本題へ。
肝心な事は、また一つ。
次期ルカ皇妃の件だった。
皇帝ルイから少しでも離さないと…
当人は自覚も含め皇帝ルイすら変わらない。
他国でも重要視するのは…
次期ルカ皇妃へ。
危害でもなく認識の統一へ。
各国でも皇帝ルイの認識も含まれる。
簡単ではないが、常に一緒に居る状態ならば…
次期ルカ皇妃も気付かない。
策も含まれるが。
やはり常に、ユテライク一族の問題も大きかった。
安易に動けば…
無関係な者達まで被害を。
また他国すらアルデバード帝国から危険へ。
だからこそ、ひたすら被害のない様にと。
水面下で動くのだった。
調子も良い気がする。
いつも通り勉学も頑張るけど…
宿題もない夜はルイを。
待ってる間、何を。
一応、苦手な魔法学?
でも…
あの嫌な感覚は好きになれない。
だからソファで寝転がった時。
ふと、私は空中庭園も思い出す。
他国の綺麗な景色ばかり。
同時にルイの言葉もだった。
『この城から出るな』と…
確かに?
私は出たいと思った事もない。
他国の事すら知らない私が?
皇妃って具体的に何を?
私にはルイが居れば充分なの。
でも…
『俺の子を』と?
『俺とルカだけの愛する子を』と?
いつもルイは私へ。
ルイの為、私が出来る事なら…
もっと、したいのに…
いつもルイは望んでる?
それは、いつになる?
そんな事も考えながら…
私はルイが戻ってくる時間も増え始めた。
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一方、グリシャ。
どうにか今は他国に潜伏しながら策を。
考える中、説得も含め対話したくても出来ない。
そんな現状が続く理由すら簡単だった。
まさに皇帝ルイの全世界へ。
一斉に出した国際指名手配と報奨金である。
ついでに言うならば、もう一つ…
「あんの皇帝ルイ以上に…
ふざけやがってぇ!!
俺も僅かだが、充分過ぎた。
完全にイカれたユテライク族長がぁ!!
何が、どう、皇帝ルイを。
神の代弁者だとぉ!?
馬鹿言ってんじゃねぇ…
もう皇帝ルイ以上に最悪だろ!?
今すら仲間達も危険なまま…
普通に無関係な者達すら殺すだぁ?
しかも諦めねぇで、今度は王族かよ!!」
余りの怒りに思わず、怒鳴ったが。
俺は調べ上げた書類を、再度、皆へ。
もう投げ付ける様に渡した。
仲間達すら怒りも抑える様子でだった。
それぞれ書類も回し読みしながら…
「グリシャ…
どうにか今は帝国へ、対立心もある。
ザナザイア国の貴族邸に匿って貰ってるが。
既に指名手配と各国の王族まで…
こんな現状だと安易に動けない以上も判る。
だが、俺達の場合、下手したら…」
そこで同じく他国でも…
フェキージュ国の帝国対立貴族の一人が。
考えながら言ってきた。
俺にも意味は判った。
だから一度、深呼吸してから…
「判ってる、レアの言いたい事もなぁ?
このままだと今居るザナザイア国。
フェキージュ国も含めるが。
属国じゃねぇとしても危険に、だろ?
他にもあるが、俺からするとだぞ?
皇帝ルイより今は恐らく、ユテライク族…
正確に言えば、俺と接触した。
あの族長らしい男になる?
もう、ありゃ、ヤベェ…」
一応、レアの方も向いて言ったが。
思い出すだけで、俺は首すら横に振る。
レアも複雑な顔になって…
「俺も貿易商として関わった事はある。
まさか、アルデバード帝国へ。
正確に言えば、皇帝ルイへ?
そんな動きまで…
してるのは全く気付かなかった。
グリシャの調べた記録も疑わない。
確かに証拠は、ないが…
実際、今すら各国の王族も含め動いてる。」
頷きながら言ってきたが。
すぐ、ゼクメヤ国の帝国対立貴族の一人。
イーザが思い出す様にだった。
「なぁ、グリシャの話。
これだけの記録でも説得力はある。
俺すら疑ってないとしてもか?
それでもユテライクの族長って言ったら…
まだ若くて特に頭脳は有名だぞ?
貿易商として優秀過ぎる上に、まぁ…
声すら荒げる印象も全く浮かばない。
常に笑顔で対応してくる。」
言ってきた事に俺も頷きながら思う。
確かに若そうな上に…
最初も含め笑顔だったし?
だが、アイツは…
「イーザの疑問には予測だけかぁ?
俺も出来るが、恐らく…
ユテライク一族の神々へ。
その信仰心から今だと皇帝ルイへ。
同じ理由で、だろ。
だが、肝心な皇帝ルイは一切、見てねぇ!!
同じ理由で、次期ルカ皇妃もだ!!」
大きく断言する様に俺も言った。
室内には他にも仲間は居るが。
二人以外の皆も反応した中。
まだ今は他国でも三カ国の貴族のみ。
重要な要人とも関与する上に…
俺すら厳選して記録と事実を。
説得よりも納得させる為にと…
真っ先に動いた結果でもあったが。
またフィンも考えれば、俺には判る。
だからこそ、目すら閉じて思い出しながら…
「こうして俺が、だろ?
三ヶ国と接触して繋がれたのは…
やっぱ、フィンに言われた筈。
歳も若い中で他国の繋がりを。
全てを、俺へ。
託す時まで予測してなきゃ…
今、居る『ザナザイア国』のオセト。
『フェキージュ国』のレア。
『ゼクメヤ国』のイーザ。
接触も、説明も、簡単じゃなかった。
他国の中、三人は俺より歳上でもか?
若い他国の帝国対立貴族へ。
不可能だった筈。
そして三人共が、真っ先に俺も信じてくれた。
いくら帝国対立貴族でも、だろ?
フィンから三人共、俺の名前と合言葉を。
聞いてたからこそ…
すぐ匿ったり支援してない。」
そこまで言ってから俺は目を。
開けてレアとイーザを。
見れば、少し二人共が笑った。
そう…
まだ繋がった三人共がだった。
各国の貴族としての地位もある。
その上で、20歳前後と若い!!
にも関わらず…
各国の重要な地位へ。
既に居る程、頭脳も魔力もある者達。
レアは中性的な顔立ちで、更に若く見えるが。
23歳、細身で優雅な身なりも似合う姿を。
イーザは男らしい体格の良い姿で…
まだ20歳なのに軍部指導まで熟す腕前だった。
一度、頷いてからレアが。
「あぁ、フィンなぁ?
グリシャの事も聞いてた。
俺の場合、フェキージュ国でもだ。
外交関係もあるが。
父親も含めグリシャへ。
最後の最後までって言ってたから…
グリシャの時は、俺が支えて欲しいと。」
言って、すぐイーザも同じで少し笑う。
「フィンは馬鹿でもかよ!?
だが、見る目はあったからこそ、だろう?
最後まで足掻くしか出来ねぇと。
ゼクメヤ国なら俺が支えてくれってなぁ?
託す者は、グリシャと…
そして、フィンの最後で知った真実!!
だからこその今だ!!」
俺にも意味は判る。
少し合言葉も思い出して…
「まさか、フィンの合言葉までだぞ?
忘れられねぇよ!!
だから『赤い魔石が砕けても』と…」
「『俺の意思は砕けねぇ!!』」
すぐ二人が同時に言って笑い出す。
「フィンの魔石も知ってる。
そして、グリシャの名前と、この合言葉!!
つまり、フィンの意思も受け継いだ証!!
あはは…
だが、グリシャから聞いたフィンのか?
まさに冥土の土産は、フィンらしい…
また俺の居るフェキージュ国は帝国へ。
敵わなくても魔力は常に重視してる事。」
「ははは!!
皇帝ルイすら呆れた冥土の土産か!?
フィンなら判るから余計に…
そして、俺達へ。
同時に託したグリシャと意思を。
まだ多い他国でも、だぞ?
世界でもアルデバード帝国へ。
負ける技術力でも俺の居るゼクメヤ国!!
同盟国も多いからなぁ?」
レアとイーザが、俺へ。
意味も充分、判る。
「そうだな!!
そして俺もだが。
ザナザイア国のオセトの頭脳だろ?
他国でも有名だし?
属国になってる仲間からも…
ウヌカ国、オーセラ国から常に俺へ。
纏めてみせるのは当然。
フィンの意思は砕けねぇ!!」
少し笑って言った時。
「だったらグリシャ?
最も重要な策でも段階を。
それでもアルデバード帝国。
皇帝ルイには到底、伝わらないぜ?」
オセトが、すぐだった。
部屋に入ってくると同時に言ってきたが。
「充分、俺も判ってる、オセト!?
戻ったのか。
王族から呼び出しで心配してたぞ!?」
慌てながら言えば、オセトも少し笑った。
「問題ねぇよ、グリシャ。
だが、王族より厄介なのはユテライク族。
元々、怪しいのは判ってた事。
貿易商としての頭脳、常にか?
帝国支持派の先端だった。
また皇帝ルイは、更に上だろ?
ユテライク一族の信仰心は、まぁ…
ずっと変わらねぇし?
長い一族での頭脳より情報網。
恐らくフィンが、グリシャへ。
渡した魔石すら記録になくても、すぐだった筈。
動きも読まねぇと、ヤベェからな。」
何だと!?
王族も含め、やっぱ…
オセトは乱暴な言葉遣いだが。
22歳で気品のある容姿端麗な上に…
国内でも外交すら一任される程。
レアとイーザも察した様子だったが。
確認の為、俺もオセトへ。
「つまり、オセト?
今回の国際指名手配以外。
王族の件は…
全てが、ユテライク族か?」
すぐオセトも頷きながら…
「そうだろうな。
僅かな違和感で、俺には判った。
王族の件は皇帝ルイから直に、じゃねぇ…
ユテライク族が、だろ?
正確に言うなら皇帝ルイが…
直に動かなくても、ユテライク一族が、と。
判ってるから、アルデバード帝国は指名手配のみ。
他はユテライク一族が、勝手に動く形へ。
してるだけ…
こんだけ頭脳すら皇帝ルイは既にだ。
そして、やはりグリシャのか?
予測通り、重要になる次期ルカ皇妃…
もう皇帝ルイが、絶対に阻止する。
その模索も早くしねぇと。」
言ってきた意味にも判る。
改めて俺も考えながら…
「確かに皇帝ルイが、だろ?
重要な次期ルカ皇妃へ。
防がれる上に…
やっぱ、あのイカれたユテライク族長かよ!?
帝国が指名手配だけって…
だったら今まで、どんだけ裏で!?
だが、皇帝ルイも見抜いてる。
ユテライク一族に関しては放置してるだけ!!
騙してる訳でもねぇ…
あのイカれ方は尋常じゃねぇし?
もう俺はドン引きしたからなぁ?」
途中から思い出して首を。
横に振ったが。
レアも少し驚きながら…
「グリシャの僅かで、どれ程だ?
貿易では一切、崩さないユテライク一族が?」
言いながら他の皆も、それぞれ…
考えてる様子へ。
オセトも思い出す様子で…
「グリシャ?
あれか?
皇帝ルイの大賛辞になるが。
凄いのは判るとしても…
俺の時すら貿易商の顔は、まぁ…
そこまで壊れてなかったぞ?
一応、グリシャの話も聞いたな。
予測しても皇帝ルイよりも…
その話だと次期ルカ皇妃を、だろ?
皇帝ルイも讃えてる上に…
有名過ぎる美貌を、蔑ろにしたと?」
言ってきた事で、俺も再度…
考えて気付いた。
そう言えば…
「確かにオセトの言う通りか?
皇帝ルイから、だろ?
次期ルカ皇妃の事を。
聞いたと?
美しい大輪とかぁ…
直接、あの皇帝ルイが、イカれた族長へ。
言ったと?
んな馬鹿なって思うし?
外交記録も含め、あり得ねぇと…」
俺は目すら閉じて頷く、そのまま…
「アイツは凄く驚いてなぁ。
族長前から一見しただけで判ると?
もう、その前からヤベェ奴だった…
捕らえた後の俺を?
皇帝ルイなら、どちらが!!
って、いきなり叫びやがったし?
次期ルカ皇妃の美貌は…
除外してもって言いかけたら急に狂ったぞ?
髪すら解いて怒鳴り散らしたぐらい…
まぁ、すぐ急に節度ある言動ってかよ!?
自分で言って戻るヤバさ…」
そうだな?
あんなヤベェ奴、知らん!!
目も開けると、三人以外の全員…
その場で明らかに驚いた顔もしてたが。
今度はイーザが首を、いきなり横に振ると。
目すら閉じて…
「グ、グリシャ?
髪すら解いて怒鳴り散らした、だと?
絶対、貿易商の笑顔だけ…
徹底してる、あの族長が?
だが、その話だと…
皇帝ルイから直に聞いた?
皇帝ルイだけでもなく、次期ルカ皇妃も…
美貌に関して有名過ぎるぞ?」
なぜかレアも目を、閉じて…
「俺も幼い頃、一度か?
忘れられないが。
あの美貌で?
今、美しい大輪と?
つまり、更に増した美貌と…」
またオセトすら目を、閉じた。
「俺の知る限り…
次期ルカ皇妃に関してだが。
美貌だけでもない?
あの笑顔だろ。
俺すら忘れられない程。
しかも直に皇帝ルイが言った?
とんでもないだろ…」
正直、俺は驚いた。
三人共が、そのまま頷くのみ。
「な、えぇ?
美貌は所詮、外見だろ?
んなの気にして…」
「「「待ったぁ!!」」」
三人同時に言って、目すら開けた。
そして視線も合わせ頷くと…
イーザだった。
「グリシャ…
知らないな?
本当の美貌ってなぁ…
もう忘れられないぞ?
族長の場合、信者に近い筈。
そして、発狂する程か…
なかなか言えない発言を、スゲェな!!
流石、フィンに育てられただけある!!」
何だとぉ!?
いや…
フィンは関係ねぇ!?
「そんなに美貌が大切かよ!?
三人共、変だろ!?」
一応、すぐ俺も言うのだが。
しばらく三人共、何か考えてるまま…
それから、どうにか話も本題へ。
肝心な事は、また一つ。
次期ルカ皇妃の件だった。
皇帝ルイから少しでも離さないと…
当人は自覚も含め皇帝ルイすら変わらない。
他国でも重要視するのは…
次期ルカ皇妃へ。
危害でもなく認識の統一へ。
各国でも皇帝ルイの認識も含まれる。
簡単ではないが、常に一緒に居る状態ならば…
次期ルカ皇妃も気付かない。
策も含まれるが。
やはり常に、ユテライク一族の問題も大きかった。
安易に動けば…
無関係な者達まで被害を。
また他国すらアルデバード帝国から危険へ。
だからこそ、ひたすら被害のない様にと。
水面下で動くのだった。
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