親友彼氏―親友と付き合う俺らの話。

はちみつ電車

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高崎塔夜への詰問

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月曜日の朝はいつも少し気が重い。
教室へと向かう足ものろくなるってものである。

「深月! おはよ!」
「……おはよ」

明翔と一条が揃ってる。
……このお騒がせいとこ同士が……。

「昨日、気が付いたら家で寝ててびっくりしたー。俺どうやって帰ったんだろ?」
「俺と颯太で送ってったの。君たちチョコケーキのアルコールでベロベロだったから」
「そうなんだ? なーんも覚えてない」
「一条も?」
「ケーキを食べたとこまでは覚えてるけど、以降の記憶がまるでない」

……颯太にとっては、良かったのか悪かったのか。
とりあえず、俺からは何も言わんでおこう。

「おはよー。昨日あれからどうだった? 明翔、ケーキ食った?」
「塔夜、おはよ! うん! めっちゃ美味かった!」

それに関してだが、タカトゥー。

「ちょっと来い。聞きたいことがある」
「明翔ー、これ俺殴られる?」
「かもしれないー」

冗談だと思ってるのか明翔は笑っているが、回答によっては現実になる。

「お前、明翔が酒弱いって知ってただろ? 飲ませたことあんのか」
「ご安心ください。ねえよ。バレンタインに間違えてウイスキーボンボン食って死ぬほど頭痛くなったって話を聞いただけ」
「嘘ついてねえか? まじで明翔に酒飲ませたことはねえんだな?」
「お、そんだけ念を押すってことは酔っ払った明翔ヤバいんだ?」

嬉しそうにしてんじゃねえ。
思い出すだろーが。

「半端ない。犯罪者製造機」
「明翔美味かったって言ってたし、また差し入れてやろーっと」
「やめろ」
「って言いながらもっとやれって思ってるやつ」
「思ってねえ!」

イラッとして壁に手をつき、タカトゥーに顔を寄せ思わず威圧してしまう。

「お前、計画的犯行だろ。俺が萌え袖に弱いことも分かっててわざと明翔に半袖着せたな」
「そんな細かいフェチは知らん」
「いーや、絶対お前は分かってた。俺が理性と本能の板挟みになんのを楽しんでやがったんだろ」
「どっちが勝ったの」
「理性」
「うっそ。たらしの呂久村ともあろう男が」

だから、不適切なあだ名はいじめだとあれほど。

「気持ち良さそうに眠る明翔をずっと見守り続けましたけど何か?」
「それでイラついてんのね。欲求不満が積もり積もって」
「うっせえ」
「俺がお相手してやろうか?」
「お前マジぶっ殺されてえのか」
「うわ、こっわ。この人今極限状態に欲求不満だから近付かないでねー。危険よー」

すぐ隣にいた女子生徒に向かって、タカトゥーが俺を指差す。

「やめんか!」

女子生徒が俺を見上げた。

「あ……」

胸くらいまで伸びた黒髪。
小動物を思わせる特徴的な丸い目。

「はんな……」
「……深月……」
「知り合い?」
「教室入るぞ、タカトゥー。廊下はおしゃべりする場所じゃありません」
「自分が廊下でしゃべりだしたくせに」

よりにもよって、はんなに何言ってやがんだ、タカトゥーめ。

席につくと、前の明翔が振り返る。
癒しの笑顔に心底ホッとした。
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