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「三蔵っ!」
金角が彼女を押し倒しながら室内に飛び込む……その脇が火薬を仕込まれていたように、盛大に爆(は)ぜた。銃丸をその身に受けたのだ。戦国時代の薩摩武士は、鉄炮伝来の地の者であるだけはあり高度な火力を擁する先端技術部隊であった――よって、島津家は戦場においては山潜りにも銃を持たせるのが標準的用法だったのだ。
金角……――無残な傷口をさらす仲間を目の当たりにし、三蔵は血の気が引く音を聞く。
「ぶじ、で、よかっ、た……」
彼はこちらを見つめ、蒼白な顔でほほ笑んだ。
……そして、体から力が抜け動かなくなる。
「――金角ッ!」
三蔵は対手の下敷きになった姿勢で悲鳴をあげた。彼を揺すって眼を覚まさせようとする――
「兄貴の意思を無駄にするの、駄目」
それを、銀角が兄の死体を脇にどけながら止めた。
意思を無駄にする、その言葉に三蔵はくちびるを噛む。あまりに力を入れすぎて、前歯が皮膚を破ってぬるりとした血が流れ出た。
「三蔵、鉄炮方の始末を頼む!」
悟浄が室内に飛び込んできた山潜りの首を薙ぎながら叫ぶ。
「――応(おう)!」
三蔵は闇を見透かし、屋外、銃声の聞こえた方角に視線を向けた。
いたッ――距離は三〇間(五四メートル)、鏢の間合いからは遠い。
紫電一閃、即座に柳葉飛刀を選択し、彼女は鉄炮方へと投じた――矢のように飛んだ刃は見事に対手の右眼の眼窩に突き立った。
だが、危機はさらに加速する。
金角が彼女を押し倒しながら室内に飛び込む……その脇が火薬を仕込まれていたように、盛大に爆(は)ぜた。銃丸をその身に受けたのだ。戦国時代の薩摩武士は、鉄炮伝来の地の者であるだけはあり高度な火力を擁する先端技術部隊であった――よって、島津家は戦場においては山潜りにも銃を持たせるのが標準的用法だったのだ。
金角……――無残な傷口をさらす仲間を目の当たりにし、三蔵は血の気が引く音を聞く。
「ぶじ、で、よかっ、た……」
彼はこちらを見つめ、蒼白な顔でほほ笑んだ。
……そして、体から力が抜け動かなくなる。
「――金角ッ!」
三蔵は対手の下敷きになった姿勢で悲鳴をあげた。彼を揺すって眼を覚まさせようとする――
「兄貴の意思を無駄にするの、駄目」
それを、銀角が兄の死体を脇にどけながら止めた。
意思を無駄にする、その言葉に三蔵はくちびるを噛む。あまりに力を入れすぎて、前歯が皮膚を破ってぬるりとした血が流れ出た。
「三蔵、鉄炮方の始末を頼む!」
悟浄が室内に飛び込んできた山潜りの首を薙ぎながら叫ぶ。
「――応(おう)!」
三蔵は闇を見透かし、屋外、銃声の聞こえた方角に視線を向けた。
いたッ――距離は三〇間(五四メートル)、鏢の間合いからは遠い。
紫電一閃、即座に柳葉飛刀を選択し、彼女は鉄炮方へと投じた――矢のように飛んだ刃は見事に対手の右眼の眼窩に突き立った。
だが、危機はさらに加速する。
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