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メイド服-2徹

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文化祭、なんでか急に、俺達はメイドと執事の格好でサーブする事になった。
しかし…何故か、男子がメイド、女子はメイドか執事の格好でサーブするという。え?女子ずるくね?
なんか、どっかの金持ちが、衣装を寄附してくれたらしい。

んで、俺はメイドの格好で客引きの為、校庭に出てたら、スッゲーイケメンに一目惚れ?されて
超絶イケメンに『これ程可愛い女性は初めてみた。俺と付き合ってくれ!』と公開告白?公開処刑?されるという黒歴史を刻んだ。男とバレると流石に相手が気の毒なんで、か細い声でお断りをしたが、分かっているクラスメイトにはずっとからかわれた。
メイド服見たら軽く凹む位のトラウマになった。

何より……翔だ翔。
あいつのせいで、オタ味のあるメイド服は完全にダメになった。

文化祭の日、翔は実家の外せない用事があるとかで、見に来なかった。
それはいい。ぶっちゃけあんな姿は弟分には見られたくないから助かった。
ただ…ジジイが!
撮影禁止のはずなのに、何故か俺のメイド服姿をとっていたのだ。そしてそれを翔に見せやがった
「ととととおる!なんて 破廉恥な」
小さな子にハレンチと言われた俺の立場はいかに
「これは文化祭の出し物だったの。ある意味制服みたいなもんだから、気にするな」
制服
そうだ制服、制服
「制服なら僕にも見せてくれるんだよね?」
いやいやいやいや、あんな思いは二度としたくないから絶対しない
「あれは文化祭の時の制服なの。普段はしません」
「ひどいよ徹。僕以外の人にそんな制服を見せておきながら僕には見せてくれないの?」
キラキラした目で俺を見てくる。だがしかし、無視だ無視!
「徹がそんな格好を楽しんでいた時、僕はひどい目にあっていたんだからね。血をいっぱい抜かれて痛い思いいっぱいしていたのに、徹はそんなに楽しく遊んでいたの」
痛い思い?
確かに翔の腕には採血後に貼られるテープが着いている。
思わず婆ちゃんを見ると、
「翔はちょっと遺伝的な問題もあって、年に数回精密検査をうけないといけないの」
こんな小さな子が?
俺なんて予防接種位しかした事ない!
首にもテープが貼られている……。

「僕、もう二度と病院なんか行かない。痛いし徹の新しい制服は見れなかったし、もうヤダ~。僕が病院行ってる間に徹が……」
「翔、今はまだ何ともないけれど、この先もこのままでいけるとは限らないでしょ。経過観察は必要よ」
婆ちゃんが言う。
「翔はどこが…」
「α特有のものですよ、今は日常生活を送るのに問題ありません」
俺の問いかけに答えようとした婆ちゃんを遮ってジジイが答えた。
…………
本当かなぁ?
婆ちゃんをちらりと見ると頷いてくれたから、本当なんだろう。けれど、ジジイは、今は、と言った。逆に言うと、将来翔が普通の生活を送れるとは限らないって事だ。そのための通院。

「次は多分、体育祭にかさなるかと……」
「絶対行かない。」
……こんな小さいのに、運動会を欠席するのか、その理由が病院だなんてかわいそうすぎる
「予約日は変えられないんだよ。翔を診て下さっているのは世界的にも有名な先生でね。あちらの日程に合わせられない患者は診ないという方針の方だ。」

翔はそんなに悪いのか。
「翔、お医者さんには通わないと」
「そうだ、大人になった時に健康で文化的な生活をする為には必要なんだ」
「でも僕には薬剤なんかに頼らなくたってゆれない自信があります」
「そうだろうな。だが、万が一でも事故ったら、傷つくのはお前だけじゃない。徹や家族も傷つくんだ」
重たい空気感。ジジイも婆ちゃんも必要性を訴えている。将来、そんなに重篤な事態になるのだろう。なのに曲げない翔。通院がそんなにつらいのか。…………辛いよな。俺だって注射怖いし。
「でも、僕は徹の制服が見れなかった!」
え?
そこ?
俺のあんなみっともない服と通院が、将来の健康が同じ価値なの?

ジジイが困った顔で俺を見た。意図する所はわかる
「貴方!」
婆ちゃんが非難するようにジジイをよんだ。うん、婆ちゃんは俺のプライドを守ってくれようとしているのだろう。でも……翔は通院しないと駄目なんだろう?将来。健康で文化的な生活が送れなくなるんだろ?
だったら……
「いいよ、翔が通院するなら、俺の文化祭の制服を見せてやるよ」
「ホント!?ありがとう徹!ちゃんと行くよ!」
しかし……
文化的な生活ってなに??

メイド服は学校にあるから、また後日……と言ったのだが、翔の家のメイドさんに着せようと思っていた新しいデザインの制服があるらしく、それを渡された。
…………
マジ?
マジでこれ着るの?
…………翔にだけしか見せないって言っといて良かった。

ってか、ぜって~ジジイの趣味だろ!
文化祭の時よりもメイド服がアニメっぽくなってる
ミニスカートでタイツ、絶対領域があるメイド服なんて男の欲望じゃないか!
ジジイのくせしてまだエロジジイか。

それになんでか不明だが 、下着まで指定があるなんて、この家大丈夫か?
使用人さんにTバックパンツを渡された時は抵抗したが、『私どもに言われましても…』と言われてしまった。
確かに、この制服を決めたのは変態ジジイであってこのメイドさんではないし……。何より、このメイドさんもいずれこのメイド服を着なければならない運命……。

ここでやらなきゃ男が廃る。羞恥に震えながらもなんとか履いた



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