最上位αの初恋

認認家族

文字の大きさ
7 / 30

6

しおりを挟む
「猪瀬、それでコンちゃんとやらの件は?」
 陸の自称婚約者のΩ。おそらくは女。だが確定ではない。

「全く進んでおりません。千葉でもわからずじまいなので、AI婚約者説を信じたくなりますよ……」

 猪瀬が弱音を吐く。私自らリクルートした千葉は裏社会に詳しい。京極の表ルートも千葉の裏でもコンちゃんとやらの情報はないのか。情報が少なすぎて絞れないと言う点もある。

「何とか、携帯を奪うつもりです。何某か入ってるとは思いますので……」

 陸からスマホを奪えるのか。
 少し抜けた所がある陸だが、スマホの管理だけは厳重だ。コンちゃんへの手がかりがあるからか。
 …………私に給餌求愛してくれたのに。

「婚約者について本人もなかなか答えませんし、西野もよくわかってないようです。どうやら青島の恋人の方が公表されるのを嫌がっているようです。」
なんて、高飛車なΩだ、私なら声高に叫んでいる、陸が私の番だと

「……陸に思われておきながらいいご身分だな。陸は利用されているのか?キープされているとか、そんなところか?陸はαとしては低位だからな。」

身長175cm。αにしては背が低い。身長だけでは判断はできないがそれでもこの身長は高位のαではありえない身長だ。自ずと低位だという事になる。Ωの社会的地位は低い。ヒートのあるΩをわざわざ雇おうという会社は稀だ。だから大抵のΩは就職することなく番契約をし、家庭に入る。つまり、Ωの生活は番の経済力、つまりはαの位に左右される

「西野の話では両想いのようですが。ただ、西野自身も青島の恋人には会ってないようです。大学卒業後に番契約を結ぶとのことで、その後に西野に合わせると言っていたようです。」

両想い。
邪魔だ

「西野に奪われるのを警戒してというところか。陸と西野では西野の方がαとしては上位だからな。」

「青島はそのように話していたようですが、西野はごまかしているように感じたとのことです。恋人が青島を選ぶのは確定しているが、恋人の方が青島を信じていないようで、大学卒業までの間に青島が他の人を選ぶとと思っているようです。」

嗤ってしまう。その婚約者とやらは未来予知能力があるのか。陸がお前を選んでいるうちに番って置くべきだったな。
確かに陸は私を選ぶ。選ばせる。
逆に卒業をまっていたのは正解か。陸と番っていたなら、そのΩは今頃生きてはいまい

「気になる点は、なぜ、青島がそこまで秘密主義なのかですね。本人がいうように片時もスマホも手放しませんでしたし。一瞬でも手元から離せば、こちらもサーチアプリをインストールできたのですが。わかっているのは西野が言っていたコンちゃんという名前とΩという点だけですね。」

「捜索は続けてくれ。わかり次第対策をとるように」
猪瀬がうなずく。上位のαをあてがえという意味だ。大抵のΩは無理矢理でもなんでも番わせてしまえば、体に心がつられるものだ。
一般的に、Ωにとって番契約は一生ものだという言われている。それは一部で正しい。Ωからの契約解除は不可能であるし、契約後、他のαによる上書きは難しい。だが、運命といわれるほど遺伝子の相性がマッチする相手や、番のαよりランクが数段高いα、それらによる上書きならば可能なのだ。いつかは奪われるかもしれない、そんな恐怖から心を守るかのように、αは下位になるほど番への執着が薄くなる。そう、私の様な最高位ともなると番を奪われれば、狂うだろう。
陸は下位αだ。婚約者を失ったところで狂いはしないし、猪瀬レベルならば簡単に上書き可能だ
留意すべきは、コンちゃんとやらのΩとしてのランクだ
上位αはプライドが高い。いくらαが複数の番を持てようと、京極の依頼であろうと、価値のないΩを番にするのは屈辱だ。
「レベルは陸を選ぶ時点で分からんな……」
猪瀬が驚いたような顔で私をみた
「どうした?」
「いえ……青島を正しく評価する理性が残ってらしたとは…安心しました」
「………お前も番を得たら分かるさ」

番という存在はαを愚かにする
一挙手一投足に反応する。
特に陸は……αだからか、性的な意味では私に無防備だ。
さりげなく触っても気にとめない。無防備に私の前で口を大きく開けたりする。その度に私の下半身は熱を持つ。

陸は私を翻弄させる天才だ。
 目が、表情が、『貴方を尊敬します』と言ってくれているのに。『無理しすぎていませんか、心配です。休憩にしましょう』長年共にいた猪瀬よりも先に私の体調の変化に気がついてくれるのに。
 誰よりも私の変化に聡いのに、なのに君は……














































 
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻本作品(オリジナル)の結末をif(運命の番)ルートに入れ替えて、他サイトでの投稿を始めました。タイトルは「一度目の結婚で愛も希望も失くした僕が、移住先で運命と出逢い、二度目の結婚で愛されるまで」に変えてます。 オリジナルの本編結末は完全なハッピーエンドとはいえないかもしれませんが、「一度目の〜…」は琳が幸せな結婚をするハッピーエンド一択です。

人気俳優に拾われてペットにされた件

米山のら
BL
地味で平凡な社畜、オレ――三池豆太郎。 そんなオレを拾ったのは、超絶人気俳優・白瀬洸だった。 「ミケ」って呼ばれて、なぜか猫扱いされて、執着されて。 「ミケにはそろそろ“躾”が必要かな」――洸の優しい笑顔の裏には、底なしの狂気が潜んでいた。 これは、オレが洸の変態的な愛情と執着に、容赦なく絡め取られて、逃げ道を失っていく話。

平凡な僕が優しい彼氏と別れる方法

あと
BL
「よし!別れよう!」 元遊び人の現爽やか風受けには激重執着男×ちょっとネガティブな鈍感天然アホの子 昔チャラかった癖に手を出してくれない攻めに憤った受けが、もしかしたら他に好きな人がいる!?と思い込み、別れようとする……?みたいな話です。 攻めの女性関係匂わせや攻めフェラがあり、苦手な人はブラウザバックで。    ……これはメンヘラなのではないか?という説もあります。 pixivでも投稿しています。 攻め:九條隼人 受け:田辺光希 友人:石川優希 ひよったら消します。 誤字脱字はサイレント修正します。 また、内容もサイレント修正する時もあります。 定期的にタグ整理します。ご了承ください。 批判・中傷コメントはお控えください。 見つけ次第削除いたします。

のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした

こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。

普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。

山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。 お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。 サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。

帝に囲われていることなど知らない俺は今日も一人草を刈る。

志子
BL
ノリと勢いで書いたBL転生中華ファンタジー。 美形×平凡。 乱文失礼します。誤字脱字あったらすみません。 崖から落ちて顔に大傷を負い高熱で三日三晩魘された俺は前世を思い出した。どうやら農村の子どもに転生したようだ。 転生小説のようにチート能力で無双したり、前世の知識を使ってバンバン改革を起こしたり……なんてことはない。 そんな平々凡々の俺は今、帝の花園と呼ばれる後宮で下っ端として働いてる。 え? 男の俺が後宮に? って思ったろ? 実はこの後宮、ちょーーと変わっていて…‥。

美形な幼馴染のヤンデレ過ぎる執着愛

月夜の晩に
BL
愛が過ぎてヤンデレになった攻めくんの話。 ※ホラーです

婚活アプリのテスト版に登録させられたら何故か自社の社長としかマッチング出来ないのですが?

こたま
BL
オメガ男子の小島史(ふみ)は、ネットを中心に展開している中小広告代理店の経理部に勤めている。会社が国の補助金が入る婚活アプリ開発に関わる事になった。テスト版には、自社の未婚で番のいないアルファとオメガはもちろん未婚のベータも必ず登録して動作確認をするようにと業務命令が下された。史が仕方なく登録すると社長の辰巳皇成(こうせい)からマッチング希望が…

処理中です...