努力に勝るαなし

認認家族

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番外篇ー

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石さんがいう
「トモ君、俺らってさ、αにいいようにされるだけの人生じゃん?逃げ出したらどうなるか分かってんだろうって脅されてさ」

…………αってのは皆やる事は同じなのか。
クズしかいないのか
…………そんな事もないか、由希にぃはまとだ。事故で番ってしまったΩを捨てないで結婚までしてる。
「番とか本能がぁとか言われたって俺らわからんし、こっちの気持ちをそこまで無視するなら、あんたらモテるし財力もあるし、あんたの為なら整形だって辞さないヤツで俺を型どれば?って思うよね。」

…………
智則の顔、体を模したモノを九条が抱く?
それはそれでなんかモヤっとするな。
「あれ?九条君はまだ少しは望みがあるのかな?……まぁ、分からないでもないけどね。彼も必死で君に嫌われたくないって頑張ってるから絆されるよね~。彼の全部が空回っているのかと思ってたけど、違うんだね」
「…………俺を好いている事位わかってますよ」
「αのは好いているってレベルじゃないけど。」
「…………」
俺になんといえと?

「まぁまぁ、オーナー。トモ君、奴らって犬なんだよ。まだ躾がなされていない大型犬。だから、躾てやればいい。そうすれば、奴らはご褒美欲しくて良い子になるよ。かわいいもんだ。」

「イヤイヤ、ここにいる石さんに言われても説得力ゼロだよ」

「俺はネコ派なの。犬みたいに四六時中御主人様のご機嫌をとるヤツは無理」

「うわ~。更に説得力が無くなった~。」

「あはは。確かに。じゃオーナーが言う?逆光源氏計画を実行したオーナーなら説得力あるもんな。」

「石さん!逆光源氏ってなんだよ!俺は翔を育てた記憶なんてないよ!しかも何?アレが俺好みって誤解!」

バス企画の社長は7才も上のβを伴侶にしているという話は有名だったが、幼馴染というのは初耳だ。

「ん~でもさ、βのシェルターにしたいからってここを買い取らせて、しかも運営までさせてるわけじゃん?オーナーだけの力だったら、財政的にも政治的にもとうにココ潰れてるよね?」

「うぐっ……」

…………まあ、この人にそういう才覚はなさそうだ。人の良さが滲み出てて寧ろ詐欺師に騙されそうな感じだ。
その点、伴侶の社長は柔らかい雰囲気を持ちつつも人に舐められない威厳があって頼れる大人の男といった雰囲気がある。

「まぁ、オーナーの旦那がオーナーの理想像かはおいておいて、躾はすんでいるからある程度、御主人様の手の上で転されてくれている。」

…………それって躾済みとは言えないんじゃ?いつでも噛み殺せるけど、噛まないであげるよってことでは?

「んで、トモ君ね。君は大型犬の飼い主にもなれてないんだよ。ただの餌」

「石さん!」

「ただただ喰われるだけの、でも、極上の餌」

「石さん!」
「オーナー、言葉飾ったところで事実でしょうが。あんな状態で運びこまれて、何があったかなんてここにいるβにはバレるでしょ。皆体験済みだ。違うか、オーナーだけは未経験かな。逆光源氏計画が成功したからね」
「…………」









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