あかね色に染まる校舎に舞い落ちた君は

山井縫

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取り残された彼女が想う事は

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「ねえ。私、どうしたらよかったのかな」
「それをいうのは、流石にもう遅いでしょ。エリナを怒らせてからどれだけ時間が経ってると想っているの?」
「あの時だって別に本気で怒らすつもりはなかったんだよ。ちょっとした軽口。中学では、私の周りであのくらい言うの普通だったもん」
「そうかな。私が聞いた限りでは怒っても当然な感じだけどね。そもそも、麻衣が真田君の事どうのこうの言ったんでしょ」
 はっきり言って自分が好きでもない相手の事でどうこう言われる事ほど面倒な話はない。想像しただけで顔をしかめそうになる。
「あ、あれだってさ、麻衣は別に、そんな深い意味でやったんじゃないよ。ちょっとしたノリみたいな? 出来たら真田君の事を後押ししてくれたらなって下心はあったかもしれないけど。恋バナでお互いの気持ち確かめ合ってさ、協力しあったりして。そういうコミュニケーションじゃん」
「じゃあ、何でその後熊谷君の事持ち出してどうこういったのよ」
 エリナと熊谷君が付き合ってるんじゃないかと尋ねたという話だったが、それこそ完全にいらない内容じゃないか。
「だからさ、ちょっとしたノリだって。麻衣も本気で熊谷の事持ち出した訳じゃないし、私もそれが分かってたから、ちょっとネタにしてやっただけだもん。それマジになるなんて馬鹿らしくない?」
「なら、エリナに言ってやったらよかったんじゃない。マジにとるアンタの方が馬鹿だって」
「そ、そんなの言えるわけないじゃん」
「まあ、そりゃそうだよね。幼馴染の事勘繰られた上にその幼馴染を馬鹿にするようなことまで言われてさ」
 私に今繋がっている異性の幼馴染はいないが、もしいたとして同じような【ネタ扱い】をされたら同じように腹を立てたに違いない。
「だから、別に熊谷の事も馬鹿にするとかじゃなくてノリだって。本人がいた訳じゃないからいいじゃん」
 確かに女子同士の陰口悪口はデフォかもしれない。でも、それが通じるのは同じ空気を共有するもの同士だからだ。えりなはそこから外れていた。それを彼女等が完全に読み違えたのだろう。
「でも、エリナは許さなかったんでしょ」
「……うん」
 結果、エリナは顔をみたら嫌いになるという言葉を残して彼女等から離れていった。
「それでも関係を改善したいなら話をするなりアプローチする努力が必要でしょ」
「アプローチは……しようとしたよ」
 対して、日奈は言葉に詰まりながらもそう返答する。
「え? つまり揉め事の後、えりなと話し合いをしたって事?」
「うん。とりあえずは謝ろうと想って、私と麻衣の二人で見計らってエリナが一人の時に話しかけたの」
 そして、日奈はその場で【ごめんなさい、言いすぎちゃった】と謝った。それに続いて麻衣もこう言ったそうだ【本当にごめんなさい。気を悪くしちゃったよね。あなたが熊谷なんかと付き合う訳ないもんね。変な勘違いしちゃってごめんなさい】と言ったそうだ。
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