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第二巻

神話と宇宙移民 第1話 その2

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異邦のほし
第二巻 神話と宇宙移民

壱.
 
 神聖獣は神奈川県区域を荒らしていき、都市部の防衛ラインに進攻した。

[…人口密集地での一般市民の避難は完了してします]
[陸上自衛隊戦車部隊、配置に就きました]
[陸上自衛隊○○駐屯地ヘリ小隊迎撃準備開始…]
[○○航空自衛隊基地より緊急発進スクランブル…]
 逃げ惑う人々の姿は無く、横浜の都市部は戦場区域バトルフィールドと化した。
 
 内閣総理大臣の意思で自衛隊の攻撃許可が出て、防衛大臣の命令で、神聖獣進攻阻止の作戦が実行されようとしていた。

「…我々はどうすれば?」
「陸海空の戦闘準備は整った…戦力温存のため待機だ」
 東城は≪朱雀弐号機≫及び<バック・クラウド>に待機を指示した。

 神聖獣は放射能物質をほとんど有していないことが判明されて、閣僚と自衛隊組織の協議の結果、万が一、大量の放射能流出の恐れがある場合は≪朱雀弐号機≫が応戦するよう企てた。まもなく、決戦の幕が開く。

「…奴との二回戦、どう思う?」
 統合幕僚長がそっと東城に話し掛けた。
「想像がつきませんが…我が軍の勝機は薄いということです」
 東城は弱気な発言をして、統合幕僚長は無言で頷くしかなかった。自衛隊側が負け戦を覚悟することに対し、神聖獣の進攻速度は緩まなかった。
 そして、攻撃予定時間となり、自衛隊の部隊は神聖獣との接触を試みた。

[…目標がヘリ小隊の有効射程距離内に入りました、射撃許可を…]
「射撃を許可する」
 陸上自衛隊のヘリ小隊は、神聖獣を取り囲んで機関砲による攻撃を始めた。その効果は…

[…頭、胴体、手足、ピンポイントで命中していますが、全く効果なし…]
 神聖獣は十万発以上の機関砲の弾を受けても、傷一つ無く、牽制にもならなかった。
「使用武器を誘導弾に切り替えて一斉発射!」
 ヘリ小隊は自衛隊上層部の命令で、攻撃内容を変更した。発車された誘導弾は神聖獣に全弾命中して、とてつもない爆音が鳴り響き、ビル群は黒煙に包まれていくが…

[目標にダメージなし、ヘリ小隊は一旦退避せよ…]
 ヘリ小隊が退くと、陸上自衛隊の戦車隊の出番となる。神聖獣の下半身、脚部に集中して砲撃を行うが…

「駄目です、目標は気にせず歩行を続行…第一防衛ラインを突破されます」
「やはり駄目か、第二防衛ラインでの攻撃準備を…」
 自衛隊組織は怯まず、次なる攻撃プランに移行した。

 航空総隊 作戦指揮所
[領空圏内待機中の戦闘機に攻撃指示…目標捕捉せよ]
 作戦司令部のオペレーターが爆撃機に攻撃指示を出した。
 爆撃機は横浜上空から高性能爆弾を投下、神聖獣掃討のために空爆を行った。

[目標に命中…効果は…]

 …ゥギャゥゥゥアァァァ

 神聖獣の咆哮は何を訴えているのか、少しでも優勢な状況に持っていきたいところだが…

 その一方で…

{…今のは怒ったみたいね}
{やれやれ…覚醒したばかりで力が追いついてないな}
 自衛隊組織と神聖獣が戦闘を繰り広げる中、謎の二人組が何処かでその様子を見届けていた。彼らは一体何者なのか、神聖獣との関連性は高く、今後のことを知っているようであった。
 人類と神聖獣の攻防は、新たな局面に突入していた。
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