救世の血 セイバーブラッド

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シーズン1

第7話 シーズン1/リポート7/セクション2

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第7話 シーズン1/リポート7/セクション2
救世の血 セイバーブラッド シーズン1  導かれる希望

7.テストパイロット

「エリザベスも合流場所に連れて行くんだろう?」
「ああ…ただ、その選択が正しいか迷っている」
「娘を巻き込んだことに罪悪感があるわけだ」
「一応な…お前がヒルツのパイロットになったことで…
「元は医師を志していた、彼女は戦地で儚く散っていった者たちを多く見て来たんだ」
「醜い争いには尊い犠牲がつきものだ…」
「ハワード…」
 その時、リヴァーはスティングの切ない表情に引っ掛かった。敢えて、リヴァーは問わないが、スティングの運命みらいが垣間見えたような気がした。

言ってくれ、別のパイロット候補を探すから…」
「いいや、乗り掛かった船だ、借りを返さないとな…」
「泥船かもしれないぞ、わしたちに深く関わりすぎたな」
「今さら何を…自分が選んだことだ、作戦を変更する暇はないだろ……!」
 その時、リヴァーに異変が起きた。彼はスティングの前で機敏な動きを見せた。 

「どうしたんだ?…!?」
 スティングには驚愕することが多々あった。ヒルツ頭部の双眼ツインアイ(青白く発光)、顎部分の放熱板(紅く発光)が突如として光を発した。機体が起動した合図だ。そして…

だ」
 リヴァーは片腕を伸ばして、掌で何かを握りつぶしていた。
「この虫が…?」
「昆虫型の超小型無人機ドローンだ、ずっとられていたようだな」
「よく分かったな」
「微かな機械音を聴き分けたんだ、軍の連中の仕業か」
「あのはしつこいからな…それよりヒルツこいつが…」
「誤作動じゃないのか?」
「システム…人工知能シャロンは正常のはずだが…」
 スティングは心の中では納得していなかった。ヒルツは一刻作動して、何事もなかったかのように停止した。
「どうする?情報はダダ洩れだぞ」
「構わんさ、想定の範囲内だ、何としてもヒルツを完成させる」
 スティングは前向きな発言をして、リヴァーの活躍に期待していた。
 その一方で…

「…そうか、ばれたか」
 ミアは仮眠中に起こされて、凶報バッドニュースを耳にした。彼女はあまり不機嫌ではなかったが…

[…申し上げにくいのですが、悪い情報ニュースは他にもありまして…]
「何だ、言ってみろ」
[衛星でを発見しました…宇宙開拓軍の一部隊が我が軍の領域を目指しています]
「ちっ、こんな時に…」
 ミアは余計な邪魔が入り、独り苛立っていた。
 そして…

 宇宙開拓軍の一艦隊は地球の大気圏を突破して、大西洋、独立連邦インデペンデンス・フェデラルの領域を目指していた。まもなく夜が明ける。

「…提督、指示を願います」
「予定より遅れて、夜のゲリラ戦は叶わなかったか…プラン変更だ、敵地領海で艦隊は待機、日が昇ったらWM編成部隊を出撃させろ」
「敵地に潜伏中のから、何も報告がありませんが…」
「傭兵は当てにならん、尻尾を巻いて逃げたかもしれんぞ」
「体内に埋め込んだ発信機は生きています、まだ現地にいるかと…」
は放っておけ、我々だけで敵を片付けるんだ」
 提督はリヴァーの安否を一切気遣うことなく、ネオ・シリコンバレーの侵攻を決行しようとした。両軍の戦闘は避けられなかった。
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