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詩音編

3。秘匿の退散

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「ふーっ、ふーっ……」

痴漢の息が乳房をすべり、歯が乳首をかりっ♡かりっ♡と刺激する。それだけで体の脈うちが止まらない。

「はあ♡はあ♡乳首、勃っちゃうっ……♡」

目をとろんとさせながら呟く詩音に対し一度乳首をちゅううっ♡と吸うと痴漢は手を自らの肉棒に添わせた。
挿れられる、と思った。なのに。

「ふうっ!ふうっ!」

男は、そのまま肉棒を扱き出した。挿入する気配はなく、ひたすら手を上下させている。しこしこしこ、と擦れる音が聞こえてくる。
それでも乳首を吸い続ける口は止まらず、詩音はひたすら「ああああっ♡」と甘い声をあげ続けるしか出来ない。
何故、何故挿れてくれないのか。詩音はそう思ってしまうのを、止められなかった。
ぢゅるるるっ♡ぢゅっ♡と激しい吸い音が立つたび、痴漢の手の動きも早くなる。そして。

「ふううっ!」

どびゅ、どびゅ!と肉棒が精液を吹き出した。それは、詩音のまだ履いたままのスカートにべっしょりとかかっていく。まるで的当てのように、痴漢は射精の照準をスカートに合わせていた。

「はあ♡はあ♡」

文句を言う余裕すら無い詩音をよそに、痴漢は射精を続ける。最後に一滴けぴゅっ、と飛びださせると痴漢は深く息を吐いた。
しかし、それだけだった。そのままパンツとズボンを戻すと、一人……個室から出ていった。
涎まみれの乳房を丸出しにしながら、詩音は呆然とその背中を見送るしか出来なかった。

「な、なんだったの……」

その呟きが漏れる頃には、痴漢はもう姿を消していた。
残ったのは、残火のような快感と……焦らしプレイの時に似た、欲。そしてそれは、自然消滅させられそうになかった。

「はあ、はあ♡」

スカートの中に手を入れ、パンティを引き摺り下ろす。クロッチ部分は、べっしょりと濡れていた。
精液まみれのスカートを折り上げるようにめくり、割れ目を露出させる。濃い目の陰毛に包まれた割れ目は、はしたない程に涎を垂らしていた。
そっと、指を這わせる。くちゅっ♡と指が沈んだ。

「はあ♡あん♡」

ぢゅぽ♡ぢゅぽ♡と一本だけ指を出し入れする。それだけでも、脳みそが焼けそうな感触がした。
中の熱い肉が、指をみっちり包み込む。だから、もう一本増やした。

「んっ♡あんっ♡」
(痴漢におっぱい吸われてっ♡公衆トイレでオナニーしてるっ♡)

それでも、指は止まらない。興奮が止まらない。
挿入した中指が勢いよく子宮口を押した瞬間……詩音は、絶頂した。

「ああああっ♡♡」

我慢なんて知らないかのような声。感電のように脈打つ体。
こんなにも強い快感は、久々だった。普段のオナニーですら、こんな事にならないのに。そうだ、きっと環境が悪い。
……あの痴漢が、もし自分に挿入してきたら。どうなってしまうんだろう。

(……だめだめ、よく考えなくてもあれは痴漢なんだから!なんで助けちゃったんだろ……)

ただ、気になったのだ。普段から自分の胸を揉みしだいてくる、あの痴漢の事が。
何とか衣服を整えて、公衆トイレを出る。すると、どうやら朝の体操の会場だったらしく何人かの老人がこちらを見ていた。彼らの股間の反応を見て……急に羞恥心が湧いた詩音は、足早にそこをあとにしたのだった。
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