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32:3人のなんでもない一日
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今日はセガールもシェリーも休日である。
カールは、朝からセガールに着替えを手伝ってもらって、髭を剃ってもらった。髭剃りは毎朝セガールがしてくれる。セガールは本当に器用で、安心して髭を剃られている。
朝の家事をセガール達が終わらせると、3人でお出かけすることになった。今回は博物館に行く。異国の特別展が行われているそうで、シェリーが行きたいと言ったので、行ってみることにした。
セガールもカールも任務で一度は行ったことがある国だったので、多少は解説もしてやれるかもしれない。
久しぶりにワンピースを着たシェリーの髪を結ってやりたいが、今はできないので、代わりにセガールがシェリーの髪を三つ編みにしてやっていた。三つ編みも可愛い。
家を出ると、シェリーがカールの左手を握ってきたので、そのまま手を繋いで、3人でのんびりと歩いて丘を下った。
博物館に行くのは、子供の頃以来である。特別展が行われているからか、結構人が多かった。入場料を払い、中に入ると、シェリーが目を輝かせた。
異国の風土や生活様式等を中心に展示がされており、詳しい解説もあって、意外な程面白い。シェリーが華やかな異国の花嫁衣装を見ると、パァッと顔を輝かせた。
「すごい!前に本で見た絵とそっくりだわ!」
「おー。すごいな。ビーズ飾りがいっぱいで華やかだなぁ」
「うちの国は基本的に白いドレスだからな。こんなに色とりどりじゃないから、珍しく感じるな」
「これ、花嫁さんが自分で作るんですって。すごいわね」
「へぇー。これ作るの、めちゃくちゃ大変そうだなぁ」
「手作りの花嫁衣装か。今時は貸衣装で済ませる事も多いから、うちの国じゃ中々ないだろうな」
「どうせ着るなら、白のドレスより、こっちの方がいいわ」
「んっ!?……シェリー。その、なんだ。あれだ」
「なに?パパ」
「そのー、あのー。……相手がもういたりとかしないよな?」
「あるわけ無いじゃない。私を何歳だと思ってんのよ」
「だよな。よし」
セガールが心底安心したような顔をした。シェリーはそんなセガールを見て、呆れた顔をしている。カールは可笑しくて、しかし思いっきり笑う訳にもいかず、笑いを噛み殺した。
半日かけて博物館を楽しむと、セガールが部下から聞いたという評判のいい定食屋へ向かった。
知る人ぞ知るという感じの隠れ家的な店で、店に入ると、元気のいい老夫婦に出迎えられた。
メニューは日替わり定食しかなかったが、抜群に美味しく、値段もお手頃だった。カールはシェリーとセガールに交互にあーんして食べさせてもらった。
腹が膨れたら、いつもの図書館へと向かう。シェリーがマルクに勉強を教えてもらっている間は、カールはいつも本を読んでいるので、本を借りてもすぐに読み終わってしまう。
シェリーが真っ直ぐに歴史書コーナーへ向かったので、カールはセガールと一緒に航海や戦術等の専門書があるコーナーへと向かった。
「あ、これ多分最新のやつですよね」
「そうみたいだな。面白そうだ。借りてみるか」
「はい。すいません。本を持ってもらっちゃって」
「構わん。気にするな。左手だけじゃ何冊も持てないだろ」
「いやぁ、お世話かけてます」
「あ、これは読んだことあるか?結構面白かったぞ」
「ないです。それも借ります」
「あぁ。お。これは多分新刊だな。この筆者の本、面白いんだよ。海戦術の研究の第一人者だ」
「あー。俺も何冊か読んだことあります。これはまだですけど」
「これも借りよう。俺も読む」
「はい」
2人で合計6冊の本を選び、児童書コーナーへと向かった。
児童書コーナーでは、近くのソファーで、シェリーがリールと楽しそうに小さな声で本を片手に話していた。
チラッとセガールの方を見ると、セガールがこちらを見て、口パクで『探ってこい』と言ってきた。ここは大人しく見守る方がいい気がしたので、カールも口パクで『様子を見ましょう』と返した。
本棚に2人で隠れるようにして、若い2人の様子を窺う。リールは眼鏡をかけていて地味な雰囲気だが、よくよく見れば整った顔立ちをしている。頭も良さそうだし、将来有望そうな感じだと思う。
シェリーは、リールと一緒に、本当に楽しそうに笑っている。本人に自覚はないのだろうが、多分リールのことが好きなのだろう。青春っていいなぁ、とカールがほのぼのしていると、セガールがカールの耳元で囁いた。
「あれ、ちょっと距離が近いというか、仲よ過ぎな感じじゃないか?」
「んー。ギリギリまだ大丈夫な気がします」
「ぐぅっ……まだ嫁にはやらんぞ……」
「まだまだ先の話じゃないですか。2人とも成人まであと何年もありますよ」
「それはそうだが……」
「シェリーに自覚はないっぽいですし、リール君は多分そっちの意味で好意を持ってる感じはしないですし、大丈夫なんじゃないんですか?まだ」
「『まだ』なのか」
「数年経ったら分からないですね。シェリーは間違いなく美人になりますし」
「だよなぁ。俺もリール君と話しとかしてみた方がいいのだろうか」
「なんなら、いっそのことリール君を誘ってピクニックにでも行きます?本を持って」
「ふむ。駄目元で誘ってみるか。ピクニックには普通に行きたいし、リール君の人となりを見ておきたい」
「じゃあ、誘ってきますか」
「あぁ」
カールはこそこそと話していた本棚の陰からセガールと出て、若い2人の元へと向かった。
セガールが僅かに緊張した様子でリールに話しかけ、一緒にピクニックに行かないかと誘った。
シェリーはパァッと顔を輝かせ、リールもはにかんだ笑みを浮かべて快諾してくれた。次の休みは4人でピクニックに行くことが決まった。
リールと別れて、本を借り、買い物をしてから、丘の上の家へと帰る。
シェリーがカールと手を繋いで、ご機嫌にスキップするような足取りで歩いている。
「次の休みが楽しみだわ!植物図鑑を持っていったら楽しそう!」
「いいねー。そろそろ春先の花も咲き始める頃だろうし、図鑑片手に、花を探してみるのもいいかもね」
「えぇ!パパ!気合入れてお弁当作って!」
「任せておけ」
セガールも楽しそうに笑った。2人が楽しそうだと、カールもなんだか楽しくなってくる。次の休みが楽しみだ。
夕食後。
後片付けを終えた後、カールがセガールに手伝ってもらってパンツ一枚の姿になると、腕捲りをしてやる気満々なシェリーに頭を洗ってもらった。シェリーの洗い方は中々に豪快で、ばしゃぁっと頭にお湯をかけられたかと思えば、わっしゃわっしゃと頭を強めに洗われた。
「……シェリーさーん。できたら、もうちょい優しくしてもらえると助かりますー」
「え?痛い?」
「痛いって程じゃないけど、泡が垂れてきて目が開けられないかな」
「あら。じゃあ、流すわ。えいっ」
「わぷっ!?」
また、ばしゃぁっと勢いよく手桶で掬ったお湯をかけられた。セガールの優しい洗い方に慣れてしまっているので、シェリーの豪快な感じの洗い方がなんとも言えない。
隣で見ていたセガールが、楽しそうにクックッと笑った。
「シェリー。お湯をかける時はもう少しゆっくりかけてやってくれ」
「そう?えー。こんな感じ?」
「そうそう。さて。じゃあ、代わろうか」
「うん。ふふっ。満足!」
「そりゃなにより」
「明日も洗うわ!」
「はぁーい。よろしくー」
シェリーが楽しそうに笑って、風呂場から出ていった。
カールは濡れたパンツを脱いで、同じくパンツを脱いだセガールに身体を洗ってもらった。
湯船に一緒に浸かりながら、セガールがクックッと楽しそうに笑った。
「豪快な洗い方だったな」
「いやぁ。セガールさんの洗い方に慣れてたので、ちょっとドキドキでした」
「ははっ!まぁ、シェリーもそのうち洗い方を覚えるだろう」
「そうだと嬉しいですねー」
カールはのほほんと笑って、セガールとお喋りをしながら、のんびりとお湯に浸かって身体を温めた。
シェリーも風呂に入ると、3人で居間で読書の時間である。ぺらり、ぺらりと、静かな居間に本の頁を捲る音だけが響いている。気まずさなんてない、穏やかな時間だ。なんだか、すごく気分が落ち着く。
カールは似たような姿勢で本を読んでいる父娘をチラッと見て、小さく口角を上げた。
カールは、朝からセガールに着替えを手伝ってもらって、髭を剃ってもらった。髭剃りは毎朝セガールがしてくれる。セガールは本当に器用で、安心して髭を剃られている。
朝の家事をセガール達が終わらせると、3人でお出かけすることになった。今回は博物館に行く。異国の特別展が行われているそうで、シェリーが行きたいと言ったので、行ってみることにした。
セガールもカールも任務で一度は行ったことがある国だったので、多少は解説もしてやれるかもしれない。
久しぶりにワンピースを着たシェリーの髪を結ってやりたいが、今はできないので、代わりにセガールがシェリーの髪を三つ編みにしてやっていた。三つ編みも可愛い。
家を出ると、シェリーがカールの左手を握ってきたので、そのまま手を繋いで、3人でのんびりと歩いて丘を下った。
博物館に行くのは、子供の頃以来である。特別展が行われているからか、結構人が多かった。入場料を払い、中に入ると、シェリーが目を輝かせた。
異国の風土や生活様式等を中心に展示がされており、詳しい解説もあって、意外な程面白い。シェリーが華やかな異国の花嫁衣装を見ると、パァッと顔を輝かせた。
「すごい!前に本で見た絵とそっくりだわ!」
「おー。すごいな。ビーズ飾りがいっぱいで華やかだなぁ」
「うちの国は基本的に白いドレスだからな。こんなに色とりどりじゃないから、珍しく感じるな」
「これ、花嫁さんが自分で作るんですって。すごいわね」
「へぇー。これ作るの、めちゃくちゃ大変そうだなぁ」
「手作りの花嫁衣装か。今時は貸衣装で済ませる事も多いから、うちの国じゃ中々ないだろうな」
「どうせ着るなら、白のドレスより、こっちの方がいいわ」
「んっ!?……シェリー。その、なんだ。あれだ」
「なに?パパ」
「そのー、あのー。……相手がもういたりとかしないよな?」
「あるわけ無いじゃない。私を何歳だと思ってんのよ」
「だよな。よし」
セガールが心底安心したような顔をした。シェリーはそんなセガールを見て、呆れた顔をしている。カールは可笑しくて、しかし思いっきり笑う訳にもいかず、笑いを噛み殺した。
半日かけて博物館を楽しむと、セガールが部下から聞いたという評判のいい定食屋へ向かった。
知る人ぞ知るという感じの隠れ家的な店で、店に入ると、元気のいい老夫婦に出迎えられた。
メニューは日替わり定食しかなかったが、抜群に美味しく、値段もお手頃だった。カールはシェリーとセガールに交互にあーんして食べさせてもらった。
腹が膨れたら、いつもの図書館へと向かう。シェリーがマルクに勉強を教えてもらっている間は、カールはいつも本を読んでいるので、本を借りてもすぐに読み終わってしまう。
シェリーが真っ直ぐに歴史書コーナーへ向かったので、カールはセガールと一緒に航海や戦術等の専門書があるコーナーへと向かった。
「あ、これ多分最新のやつですよね」
「そうみたいだな。面白そうだ。借りてみるか」
「はい。すいません。本を持ってもらっちゃって」
「構わん。気にするな。左手だけじゃ何冊も持てないだろ」
「いやぁ、お世話かけてます」
「あ、これは読んだことあるか?結構面白かったぞ」
「ないです。それも借ります」
「あぁ。お。これは多分新刊だな。この筆者の本、面白いんだよ。海戦術の研究の第一人者だ」
「あー。俺も何冊か読んだことあります。これはまだですけど」
「これも借りよう。俺も読む」
「はい」
2人で合計6冊の本を選び、児童書コーナーへと向かった。
児童書コーナーでは、近くのソファーで、シェリーがリールと楽しそうに小さな声で本を片手に話していた。
チラッとセガールの方を見ると、セガールがこちらを見て、口パクで『探ってこい』と言ってきた。ここは大人しく見守る方がいい気がしたので、カールも口パクで『様子を見ましょう』と返した。
本棚に2人で隠れるようにして、若い2人の様子を窺う。リールは眼鏡をかけていて地味な雰囲気だが、よくよく見れば整った顔立ちをしている。頭も良さそうだし、将来有望そうな感じだと思う。
シェリーは、リールと一緒に、本当に楽しそうに笑っている。本人に自覚はないのだろうが、多分リールのことが好きなのだろう。青春っていいなぁ、とカールがほのぼのしていると、セガールがカールの耳元で囁いた。
「あれ、ちょっと距離が近いというか、仲よ過ぎな感じじゃないか?」
「んー。ギリギリまだ大丈夫な気がします」
「ぐぅっ……まだ嫁にはやらんぞ……」
「まだまだ先の話じゃないですか。2人とも成人まであと何年もありますよ」
「それはそうだが……」
「シェリーに自覚はないっぽいですし、リール君は多分そっちの意味で好意を持ってる感じはしないですし、大丈夫なんじゃないんですか?まだ」
「『まだ』なのか」
「数年経ったら分からないですね。シェリーは間違いなく美人になりますし」
「だよなぁ。俺もリール君と話しとかしてみた方がいいのだろうか」
「なんなら、いっそのことリール君を誘ってピクニックにでも行きます?本を持って」
「ふむ。駄目元で誘ってみるか。ピクニックには普通に行きたいし、リール君の人となりを見ておきたい」
「じゃあ、誘ってきますか」
「あぁ」
カールはこそこそと話していた本棚の陰からセガールと出て、若い2人の元へと向かった。
セガールが僅かに緊張した様子でリールに話しかけ、一緒にピクニックに行かないかと誘った。
シェリーはパァッと顔を輝かせ、リールもはにかんだ笑みを浮かべて快諾してくれた。次の休みは4人でピクニックに行くことが決まった。
リールと別れて、本を借り、買い物をしてから、丘の上の家へと帰る。
シェリーがカールと手を繋いで、ご機嫌にスキップするような足取りで歩いている。
「次の休みが楽しみだわ!植物図鑑を持っていったら楽しそう!」
「いいねー。そろそろ春先の花も咲き始める頃だろうし、図鑑片手に、花を探してみるのもいいかもね」
「えぇ!パパ!気合入れてお弁当作って!」
「任せておけ」
セガールも楽しそうに笑った。2人が楽しそうだと、カールもなんだか楽しくなってくる。次の休みが楽しみだ。
夕食後。
後片付けを終えた後、カールがセガールに手伝ってもらってパンツ一枚の姿になると、腕捲りをしてやる気満々なシェリーに頭を洗ってもらった。シェリーの洗い方は中々に豪快で、ばしゃぁっと頭にお湯をかけられたかと思えば、わっしゃわっしゃと頭を強めに洗われた。
「……シェリーさーん。できたら、もうちょい優しくしてもらえると助かりますー」
「え?痛い?」
「痛いって程じゃないけど、泡が垂れてきて目が開けられないかな」
「あら。じゃあ、流すわ。えいっ」
「わぷっ!?」
また、ばしゃぁっと勢いよく手桶で掬ったお湯をかけられた。セガールの優しい洗い方に慣れてしまっているので、シェリーの豪快な感じの洗い方がなんとも言えない。
隣で見ていたセガールが、楽しそうにクックッと笑った。
「シェリー。お湯をかける時はもう少しゆっくりかけてやってくれ」
「そう?えー。こんな感じ?」
「そうそう。さて。じゃあ、代わろうか」
「うん。ふふっ。満足!」
「そりゃなにより」
「明日も洗うわ!」
「はぁーい。よろしくー」
シェリーが楽しそうに笑って、風呂場から出ていった。
カールは濡れたパンツを脱いで、同じくパンツを脱いだセガールに身体を洗ってもらった。
湯船に一緒に浸かりながら、セガールがクックッと楽しそうに笑った。
「豪快な洗い方だったな」
「いやぁ。セガールさんの洗い方に慣れてたので、ちょっとドキドキでした」
「ははっ!まぁ、シェリーもそのうち洗い方を覚えるだろう」
「そうだと嬉しいですねー」
カールはのほほんと笑って、セガールとお喋りをしながら、のんびりとお湯に浸かって身体を温めた。
シェリーも風呂に入ると、3人で居間で読書の時間である。ぺらり、ぺらりと、静かな居間に本の頁を捲る音だけが響いている。気まずさなんてない、穏やかな時間だ。なんだか、すごく気分が落ち着く。
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