上 下
6 / 29

6. 名前を呼んで

しおりを挟む
「私利私欲ですよ」

「え?復讐の為だけなんですか?」

「そうですね。あの会社を買収しても正直大した利益や得はありません。つまり特にしなくてもいい事をしようとしています。唯一使えそうな特許も、うちの強みと被ってまして。よくよく調査してみたらこちらの技術の方が上だということがわかり、まぁ、福利厚生がきちんと整っているとの実績で求人応募数が上がって、よりよい人材を集められる…かも?と言った感じでしょうか。それもまぁ、別にあってもなくても…って感じなんですけど」

 東堂さんは苦笑いをしながら、要はこの買収の件は復讐の為だけにあるという話をしてた。

 あまり深く考えても私には理解しきることは絶対出来ないだろうし、ふーん、富豪の遊びでチェスの駒みたいに組織を動かせるなんて凄いなぁって頭の中を感心だけに絞った。

 復讐の為だけに買収された結果、路頭に迷ってしまいそうな真島さんの心配とか同情とかは微塵もなかった。
 なんか、ただただ本当に興味がなくて、真島さんがクビを切られてどういう思いをするのかとか、心底どうでもよかった。

「来週、買収契約が正式に結ばれます。買収で人は切れないので、人事の件はおいおいですが。先日頂いた録音、あなただと分かりそうなところは加工して、契約の日にぶつけます」

 ぶつけますとは?
 送るってこと?
 いやぁ、まさか

「流出させるってことですか?」

「はい。その録音がご自分のものだと思うともちろん抵抗はあると思います。ただ、あなたと彼以外、あなたの声だとは分かりません。どうか、自分には関係のないことだと思ってください」

 東堂さんの言ってる事は無茶苦茶だなと思ったし、流出とかやばくない?って感じだったけど面白そうかもなぁとも思った。
 まぁ私もよく分からないまま東堂さんが復讐の絵を描いてるわけだけど、この事になると結構強引な人なんだなってまた一つ新たな一面を知れた気がした。
 それもまた、人間らしい。

 話が終わった後ホテルに入って、いつも通りオナニーを見せあった。
 触れ合ったりはしないけど、これはこれでハマってんなぁと自覚はしてる。

 東堂さんが私の目を見ながら

「イクとき…名前呼んでくれませんか……はるきって。お願いします」

 って懇願してきた。
 何考えてるのか分からない時も多いけど、この人Mっ気強いのかな。
 そういや、初めて名前知ったかも。
 今日はなんだかお互い昂ってたみたいで、二人して連続で三回イった。
 ちゃんと名前も呼んであげたら、嬉しそうにしてて可愛いなぁと思った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)

幻田恋人
恋愛
 夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。  でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。  親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。  童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。  許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…  僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

処理中です...