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#8 第3の死①
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「ぐはっ」
あたしは跳び起きるなり、烈しく咳き込んだ。
咽喉が痛い。
痛くて呼吸ができない。
ぜいぜい言っていると、やがてどっと空気が気管に流れ込んできた。
うう、助かった…。
って、ここは?
涙のにじむ眼を開ける。
光が差し込んできた。
見慣れたレースのカーテンが、かすかなエアコンの冷気にそよいでいる。
あたしは汗びっしょりで、ベッドに横たわっていた。
パジャマは上下とも脱ぎ捨て、ショーツ一枚のセミヌードだ。
「な、なに、今の?」
絶対に死んだ、と思った。
いきなり黒い影に首を絞められて、絞首刑のように吊るされて…。
最初の刺殺も入れて、死ぬのは二度目だった。
かすむ眼を枕元の目覚まし時計に向ける。
無意識のうちにあたしがアラームをOFFにしたのだろう。
目覚まし時計の頭頂のボッチは、本体にめり込むようにへこんでいる。
9月1日午前8時32分。
どういうこと?
そう疑念が湧いてくると同時に、
予想通りじゃん。
そんな思いも、頭のどこかにあった。
間違いない。
時間が、巻き戻ってる。
9月1日の朝を、あたしは繰り返しているのだ。
しかもなぜか、あの通り魔に殺されるために…。
あたしは跳び起きるなり、烈しく咳き込んだ。
咽喉が痛い。
痛くて呼吸ができない。
ぜいぜい言っていると、やがてどっと空気が気管に流れ込んできた。
うう、助かった…。
って、ここは?
涙のにじむ眼を開ける。
光が差し込んできた。
見慣れたレースのカーテンが、かすかなエアコンの冷気にそよいでいる。
あたしは汗びっしょりで、ベッドに横たわっていた。
パジャマは上下とも脱ぎ捨て、ショーツ一枚のセミヌードだ。
「な、なに、今の?」
絶対に死んだ、と思った。
いきなり黒い影に首を絞められて、絞首刑のように吊るされて…。
最初の刺殺も入れて、死ぬのは二度目だった。
かすむ眼を枕元の目覚まし時計に向ける。
無意識のうちにあたしがアラームをOFFにしたのだろう。
目覚まし時計の頭頂のボッチは、本体にめり込むようにへこんでいる。
9月1日午前8時32分。
どういうこと?
そう疑念が湧いてくると同時に、
予想通りじゃん。
そんな思いも、頭のどこかにあった。
間違いない。
時間が、巻き戻ってる。
9月1日の朝を、あたしは繰り返しているのだ。
しかもなぜか、あの通り魔に殺されるために…。
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