上 下
16 / 230
ACT2 拷問

#6 リコ③

しおりを挟む
「跪け」
 短く、ハルが命じた。
 後ろ手に縛られたまま、リコは片膝を立て、ハルの足元にうずくまった。
 乳房が揺れ、乳首が疼く。
 と、頬に何かが当たった。
 熱く、そして硬い何かだ。
 ハルの愛撫に忘我の境地に陥りかけていたリコは、その感触に薄目を開けた。
 え?
 その目が驚きでいっぱいまで開かれる。
 目と鼻の先で揺れているそれ…。
 それは、巨大な男性器だった。
 青筋を立て、亀頭を赤紫色に充血させたしなる肉の棒。
 そのフォルムは、ペニスとしてはほぼ理想的といってよかった。
 びっくりするほど長く、そして太い。
 強度もかなりのもののようで、ぐいと反り返ったそれは、まるで鎌首をもたげたコブラである。
 更に驚きなのは、それがハルの股間から生えていることだった。
 ハルの黒光りするエナメル製のパンツに縦に亀裂が走り、そこからこの勃起ペニスがそびえ立っているのだ。
「ど、どうして…?」
 リコの声音はすでにいたいけな少女のそれである。
 普段のドスの効いたヤンキーヴォイスからは想像もつかない、幼く甘い声だ。
「私は両性具有なのさ」
 ハルがにこりともせず、言った。
「おまえ、これがほしいんだろう? ほら、お望み通り、舐めさせてやる」
 仮面から覗く瞳に、狂気に似た光がともっている。
 無抵抗と判断したからか。
 ハルがリコの手首の戒めを解いた。
 その鋭い視線に促されるようにして、リコは鼻先の肉の竿を手に取った。
「これを…?」
 なんて熱いんだろう。
 かつてリコの相手をしたヤンキーどものもやしペニスとは、大違いだ。
 ろくに快感を与えてくれることもなく、リコの入口に触れただけで弾けてしまった貧弱なペニスたちとは。
 いとおしむように頬ずりをして、舌先で亀頭をつついてみる。
 びくんと竿全体が震え、尿道口から透明な汁が滲み出してきた。
 我慢汁。
 ハルが感じている証拠だった。
 その汁を指先につけ、まんべんなく亀頭全体に伸ばしてやる。
「くっ」
 ハルが苦しそうにうめいた。
 リコの手の中で、ペニスは更に強度を増したようだ。
「くわえろ」
 いきなり後頭部をつかまれた。
 ハルがすごい力で、リコの顔を股間に押しつけてきた。
 唇を割って、口腔内に肉棒がめり込んでくる。
 リコの舌が海綿体に絡んだ。
 じゅるっと音を立てて吸い上げる。
 ハルが手に力を籠め、同時に腰を突き出した。
 喉の奥までペニスが埋まり、リコは危うくせき込みそうになる。
「もっと」
 歯ぎしりするような口調でハルが命令した。
「もっと強く」
 口の中を占拠した灼熱の異物を無我夢中で舐めまわしながら、リコはまたしても股間が濡れるのを感じていた。
 すごい…。
 早く…早く、入れてほしい…。
 でも、こんなのが入ってきたら、あたし、壊れちゃう…。


 
 
 
しおりを挟む

処理中です...