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初めてのおつかい1
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昨日はいつもよりも激しく、出かけるギリギリまで求められ
慌ただしく出かけて行ったホークをベッドから起き上がれずに見送ったマリアはそのまま寝てしまい
起きた時にはすでにお昼を過ぎていた
重い身体を起こしたマリアは、ハンナが入室すると共に着替えさせられ
ハンナがお茶を入れている間に、ソファーへと移り座った
するとソファーの前のテーブルに書類が置いてあるのに気が付きハンナに
「この書類は何かしら?もしかしてホーク様のかしら」
「…そうですね…アークさんをお呼びしますので少々お待ちください」
そう言って部屋を出たハンナは、しばらくするとアークを連れて部屋に入る
失礼します、と言ってテーブルにある書類にざっと目を通すと
「…ホーク様のですね」
戸惑った声のアークに私が
「じゃあ!私が届けに行きますわ!急を要する書類かもしれませんし!」
突然私が行く事を言い出した事に驚くアークとハンナ
「しっしかしっ…それでは…怒られてしまいますっ」
「そうです、奥様外出を知られたらっっ」
「…何故怒られるのかしら?喜んで出迎えてくれるはずだわ」
ホークのマリアへの執着は異常だが、マリアの鈍いところも異常だと使用人一同の見解はそう間違っていない
それに、ホークに外出させた事を知らせたら、怒り狂うと身をもって知っているアークとハンナは青くなり震える
「…それに行く場所はホーク様のいる騎士団ですわ!主人の職場を一度見たかったの!」
頬を染め楽しくてしょうがなくキャッキャする奥様に
確かに行く先はホークの場所だしいいかもしれないと思い始めた2人は早速準備を始めたのだった
******************
馬車に揺られる事半刻
騎士団本部にダリウス家の馬車が到着した
門番をしていた2人の若い団員は、騎士団長の家紋の馬車が止まった事に気がついて背筋をのばし
御者が降り馬車の扉を開くと銀色の髪を上げ赤いドレス姿の女神が御者の手を取りゆっくりと地上に舞い降りた
「お疲れ様ですわ、主人の大事な書類を届けに来ましたの、ホーク・ダリウス騎士団長の妻のマリア・ダリウスですわ」
にっこり微笑み自己紹介する女神のあまりの美しさに見惚れてボケーっとした1人の門番は、ハッとして
「すっすぐに照会しますっっ」
そう告げると逃げるように中へ入って行った
もう1人の門番は未だに女神に見惚れていたのだった
しばらくすると、副団長のエリックが出迎えてくれた
「…ダリウス夫人、ようこそいらっしゃいました」
急いできたのか髪が乱れていてエリックらしくない気がした
「こんにちはエリック副団長様、実は主人が忘れ物をしたみたいで書類を持ってきましたわ」
と胸に抱えた書類が入った封筒を渡すと、エリックは書類に目を通して、確かに、と呟いた
「ご足労ありがとうございます、本日使う書類を先程まで探していたのですが…持ち帰っていたのですね」
「良かったですわ、………ところで主人は…?」
ホークが出迎えてくれると思っていたマリアは、エリックが来てびっくりしてしまったのだ
「…団長は今、団員に…指導しておりまして…」
と気まずい顔をしたエリックに、
「そう…ですか」
と悲しくて目を伏せてしまう
そんな私の様子に
「…よろしかったら見学なさいますか?」
と気を遣ってくれる
「…ご迷惑じゃなければ、是非見学したいです」
素直に伝えた
「では、こちらへ」
と進むエリックは、ココに夫人が来た事を知ったらホークは喜ぶかそれとも怒るか、検討もつかなかった
そんな考えなど知らないマリアは、
ホーク様の勤務中を知れるわ
とにこにこしていたが、
後ろにいたハンナは、周りの団員のみならず
男女問わずマリアに見惚れていた事にため息をついた
慌ただしく出かけて行ったホークをベッドから起き上がれずに見送ったマリアはそのまま寝てしまい
起きた時にはすでにお昼を過ぎていた
重い身体を起こしたマリアは、ハンナが入室すると共に着替えさせられ
ハンナがお茶を入れている間に、ソファーへと移り座った
するとソファーの前のテーブルに書類が置いてあるのに気が付きハンナに
「この書類は何かしら?もしかしてホーク様のかしら」
「…そうですね…アークさんをお呼びしますので少々お待ちください」
そう言って部屋を出たハンナは、しばらくするとアークを連れて部屋に入る
失礼します、と言ってテーブルにある書類にざっと目を通すと
「…ホーク様のですね」
戸惑った声のアークに私が
「じゃあ!私が届けに行きますわ!急を要する書類かもしれませんし!」
突然私が行く事を言い出した事に驚くアークとハンナ
「しっしかしっ…それでは…怒られてしまいますっ」
「そうです、奥様外出を知られたらっっ」
「…何故怒られるのかしら?喜んで出迎えてくれるはずだわ」
ホークのマリアへの執着は異常だが、マリアの鈍いところも異常だと使用人一同の見解はそう間違っていない
それに、ホークに外出させた事を知らせたら、怒り狂うと身をもって知っているアークとハンナは青くなり震える
「…それに行く場所はホーク様のいる騎士団ですわ!主人の職場を一度見たかったの!」
頬を染め楽しくてしょうがなくキャッキャする奥様に
確かに行く先はホークの場所だしいいかもしれないと思い始めた2人は早速準備を始めたのだった
******************
馬車に揺られる事半刻
騎士団本部にダリウス家の馬車が到着した
門番をしていた2人の若い団員は、騎士団長の家紋の馬車が止まった事に気がついて背筋をのばし
御者が降り馬車の扉を開くと銀色の髪を上げ赤いドレス姿の女神が御者の手を取りゆっくりと地上に舞い降りた
「お疲れ様ですわ、主人の大事な書類を届けに来ましたの、ホーク・ダリウス騎士団長の妻のマリア・ダリウスですわ」
にっこり微笑み自己紹介する女神のあまりの美しさに見惚れてボケーっとした1人の門番は、ハッとして
「すっすぐに照会しますっっ」
そう告げると逃げるように中へ入って行った
もう1人の門番は未だに女神に見惚れていたのだった
しばらくすると、副団長のエリックが出迎えてくれた
「…ダリウス夫人、ようこそいらっしゃいました」
急いできたのか髪が乱れていてエリックらしくない気がした
「こんにちはエリック副団長様、実は主人が忘れ物をしたみたいで書類を持ってきましたわ」
と胸に抱えた書類が入った封筒を渡すと、エリックは書類に目を通して、確かに、と呟いた
「ご足労ありがとうございます、本日使う書類を先程まで探していたのですが…持ち帰っていたのですね」
「良かったですわ、………ところで主人は…?」
ホークが出迎えてくれると思っていたマリアは、エリックが来てびっくりしてしまったのだ
「…団長は今、団員に…指導しておりまして…」
と気まずい顔をしたエリックに、
「そう…ですか」
と悲しくて目を伏せてしまう
そんな私の様子に
「…よろしかったら見学なさいますか?」
と気を遣ってくれる
「…ご迷惑じゃなければ、是非見学したいです」
素直に伝えた
「では、こちらへ」
と進むエリックは、ココに夫人が来た事を知ったらホークは喜ぶかそれとも怒るか、検討もつかなかった
そんな考えなど知らないマリアは、
ホーク様の勤務中を知れるわ
とにこにこしていたが、
後ろにいたハンナは、周りの団員のみならず
男女問わずマリアに見惚れていた事にため息をついた
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