Night Sky

九十九光

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you're never coming backー8

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「俺は闇に堕ちたんじゃない。闇から抜け出てで光の道を進んでいるんだ」

 言葉の意味が分からない穂花に、リッチャルデットは話を続ける。

「子供の頃から知恵が回るのが原因だった。中露半島について疑問に感じていた。オーストラリアや南極、ガラパゴス諸島といった他の場所から離れた場所で固有の生態系が生まれるのは納得できた。だが大陸と地続きになっている中露半島にそんなものはできることに疑問を感じたんだ。歴史を学べば、中露半島に人が入ったという記録もない。人類は海を越えて世界中に行ったというのに、なぜか大陸と地続きになっているあの半島には人が入ったという記録がない。それどころか、1592年に豊臣秀吉が中露半島を侵略しに行った際、その自然の美しさに感涙し、永久に立ち入りを禁止したなんて話が正史として教科書に乗っている。民衆から武器を奪って反逆の力を削ぐような暴君がそんな心を持つと思うか? 俺はそんな中露半島の謎に少しでも近づきたいがために兵士になった。特級兵士くらいの地位になれば答えに近づけると思ったからだ。だが当時の特級兵士に話を聞いてもすっとんきょうな答えしか返ってこない。隠し事をしている様子もない。そしてネットの情報を調べた。深層ウェブにも足を踏み入れた。そこで知ったんだ」

 リッチャルデットが箱からラッキーストライクを1本取り出す。

「中露半島にはかつて国があり、その生き残りが日本にいると」

「……! その生き残りに会うために無断欠勤して、10年の空白期間を作ったのか……!」

 穂花の質問にリッチャルデットは、「そうだ。そのままユニゾン革命隊に入った」と答えた。

「だが疑問は残る……。中露半島にあったというその国はいつ、何が理由で滅んだんだ……。そしてなぜ全人類がその国と国民の存在を忘れたんだ……。」

 穂花は息苦しくなりながらも質問をする。リッチャルデットも咳き込みながらその質問に答えた。
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