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桜高からの帰り道、
「香澄ちゃん、送るよ」
そう言っていつもの土手沿いを歩いた。
練習に付き合ったり、
気分転換で出かけたり、
そんな時はいつも送ってくれた。
この土手をいつも歩いた。
「あ、自販機!香澄ちゃん、何飲む?」
そう言って自販機を目ざして走る。
子どもみたい。
「私はイチゴオーレ」
すごく嬉しそうに笑って
「やっぱり、香澄ちゃんと好み合うなぁ。
俺は・・・バナナにしようかなぁ」
いつも甘いジュースで満たされながら、
歩いた。
「あー疲れた。ちょっと座っていい?」
土手に2人で座った。
イチゴオーレは甘くて切ない。
「久しぶりになぁなに会ったのに、
いいとこ、見せられなかったなぁ。」
悔しがる。
工藤くんの事、どう思っているんだろう。
聞くなら今だ!
「ねぇ、ツバサくん。ナナちゃんが、
工藤くんと2人でいたの、嫌だった?」
うーん、と考え込む。
なんで、考えるの?
「嫌、うん、嫌かなぁ。
なぁなを取られた感じがして」
そうだよね。
やっぱり、そうだよね。
やっぱり、うん、そうだよね。
「じゃあなんで、映画、
私も誘ってくれたの?
2人っきりの方がいいよね?
私、やっぱり、行くのやめる」
ツバサくんは、
バナナジュースを一気飲みして
土手に寝転んだ。
「いーじゃん、みんなで行こうよ。
みんなで行った方が楽しいよ。
俺も新しい友だちできたし。」
新しい友だちって工藤くんのこと?
ツバサくんって、嫉妬とかしないのかな?
あー、なんだろ。
全く伝わっていない気もする!
もう、ハッキリと聞くしかない!
「ねぇ、ツバサくん。」
「ナナちゃんはツバサくんの彼女でしょ。
彼女と仲のいい男の子がいたら、
嫌だよね?映画だって、デートでしょ。
デートは2人で行きたいよね?」
起き上がり、キョトンとした表情を見せる。
「なぁなは彼女じゃないよ。
友だちだよ。
前にも言わなかったっけ?」
うん、聞いた。
でも、あんなに何かあれば「なぁな」って、
大好きだって、特別だって、そう聞けば
彼女じゃなくとも、彼女にしたいって
事かなって、分かるよ。
そういう私に全力で否定した。
「だから、違うって。友だちだよ。
よく言われるけど、
俺はなぁなと付き合うとか
彼女にしたいとか、
そういうの考えた事ない。
だけど、大切な友だちなんだ。」
それはどういう...。
「でもさっき、工藤くんの事、嫌だって。
ナナちゃんを取られるみたいって。」
少し考えて答えるツバサくん。
「うん、だって、俺が1番仲良かったのに、
工藤とも仲良くしてて嫌だなぁって思った。
でも、嬉しくもあるんだ。
なぁなに友だちができたし、
俺も工藤と友だちになったし、
なぁなは香澄ちゃんと友だちになれたし。
こうやって、友だちが増えて楽しいよね。」
屈託なく笑う。
う、ん。
本当にもしかしたら、
2人は友だちなのかもしれない。
少なくとも、ツバサくんはナナちゃんを
友だちとして、見てる。
そんな気がしてきた。
だから、工藤くんと、
イチャイチャするナナちゃんを見ても、
違和感はあっても、
嫉妬に狂ったりはしなかったんだ。
でも、きっと。
ナナちゃんはツバサくんが好きだ。
絶対に好き!
だけど、このツバサくんの天然さも
よく理解してるし、友だちとしか思われて
いない事も知ってる。
告白して関係が崩れるのも、
怖いのかもしれない。
今日のナナちゃんの様子と、
ツバサくんの反応が合致した。
ツバサくん、天然過ぎて、これは...。
逆にヒドイ!
何もできなくなる!
好きな人の特別な友だちになれたら。
ツバサくんみたいに純粋に男女の友情を
信じる人なら。
それを壊すのは怖い!
でも、壊さないと始まらない!
私は壊す!
このまま友だちなら、いらないから。
ごめんね、ナナちゃん。
このまま、見守るなら、私。
みんなで行くあの映画の日にかける!
その日、気持ちを伝える。
ここは正々堂々、真正面から
ツバサくんにぶつかるから!
「香澄ちゃん、送るよ」
そう言っていつもの土手沿いを歩いた。
練習に付き合ったり、
気分転換で出かけたり、
そんな時はいつも送ってくれた。
この土手をいつも歩いた。
「あ、自販機!香澄ちゃん、何飲む?」
そう言って自販機を目ざして走る。
子どもみたい。
「私はイチゴオーレ」
すごく嬉しそうに笑って
「やっぱり、香澄ちゃんと好み合うなぁ。
俺は・・・バナナにしようかなぁ」
いつも甘いジュースで満たされながら、
歩いた。
「あー疲れた。ちょっと座っていい?」
土手に2人で座った。
イチゴオーレは甘くて切ない。
「久しぶりになぁなに会ったのに、
いいとこ、見せられなかったなぁ。」
悔しがる。
工藤くんの事、どう思っているんだろう。
聞くなら今だ!
「ねぇ、ツバサくん。ナナちゃんが、
工藤くんと2人でいたの、嫌だった?」
うーん、と考え込む。
なんで、考えるの?
「嫌、うん、嫌かなぁ。
なぁなを取られた感じがして」
そうだよね。
やっぱり、そうだよね。
やっぱり、うん、そうだよね。
「じゃあなんで、映画、
私も誘ってくれたの?
2人っきりの方がいいよね?
私、やっぱり、行くのやめる」
ツバサくんは、
バナナジュースを一気飲みして
土手に寝転んだ。
「いーじゃん、みんなで行こうよ。
みんなで行った方が楽しいよ。
俺も新しい友だちできたし。」
新しい友だちって工藤くんのこと?
ツバサくんって、嫉妬とかしないのかな?
あー、なんだろ。
全く伝わっていない気もする!
もう、ハッキリと聞くしかない!
「ねぇ、ツバサくん。」
「ナナちゃんはツバサくんの彼女でしょ。
彼女と仲のいい男の子がいたら、
嫌だよね?映画だって、デートでしょ。
デートは2人で行きたいよね?」
起き上がり、キョトンとした表情を見せる。
「なぁなは彼女じゃないよ。
友だちだよ。
前にも言わなかったっけ?」
うん、聞いた。
でも、あんなに何かあれば「なぁな」って、
大好きだって、特別だって、そう聞けば
彼女じゃなくとも、彼女にしたいって
事かなって、分かるよ。
そういう私に全力で否定した。
「だから、違うって。友だちだよ。
よく言われるけど、
俺はなぁなと付き合うとか
彼女にしたいとか、
そういうの考えた事ない。
だけど、大切な友だちなんだ。」
それはどういう...。
「でもさっき、工藤くんの事、嫌だって。
ナナちゃんを取られるみたいって。」
少し考えて答えるツバサくん。
「うん、だって、俺が1番仲良かったのに、
工藤とも仲良くしてて嫌だなぁって思った。
でも、嬉しくもあるんだ。
なぁなに友だちができたし、
俺も工藤と友だちになったし、
なぁなは香澄ちゃんと友だちになれたし。
こうやって、友だちが増えて楽しいよね。」
屈託なく笑う。
う、ん。
本当にもしかしたら、
2人は友だちなのかもしれない。
少なくとも、ツバサくんはナナちゃんを
友だちとして、見てる。
そんな気がしてきた。
だから、工藤くんと、
イチャイチャするナナちゃんを見ても、
違和感はあっても、
嫉妬に狂ったりはしなかったんだ。
でも、きっと。
ナナちゃんはツバサくんが好きだ。
絶対に好き!
だけど、このツバサくんの天然さも
よく理解してるし、友だちとしか思われて
いない事も知ってる。
告白して関係が崩れるのも、
怖いのかもしれない。
今日のナナちゃんの様子と、
ツバサくんの反応が合致した。
ツバサくん、天然過ぎて、これは...。
逆にヒドイ!
何もできなくなる!
好きな人の特別な友だちになれたら。
ツバサくんみたいに純粋に男女の友情を
信じる人なら。
それを壊すのは怖い!
でも、壊さないと始まらない!
私は壊す!
このまま友だちなら、いらないから。
ごめんね、ナナちゃん。
このまま、見守るなら、私。
みんなで行くあの映画の日にかける!
その日、気持ちを伝える。
ここは正々堂々、真正面から
ツバサくんにぶつかるから!
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