Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~

百々 五十六

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クラン顔合わせ 結局みんな集合

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 調薬組4人で楽しく雑談をしている。
 ギルドの話で盛り上がっていると、ひょいとけんけんぱさんが顔を出した。

「何の話をしてるの? 入れて」

 楽しそうなものを見つけたと言いたげなキラキラした目をしながら、けんけんぱさんが言った。
 けんけんぱさんに対して歓迎ムードの調薬組の面々。
 俺以外のみんなは、β版から一緒だから、面識があるのだろう。
 調薬の話の途中だけれど、すんなりとけんけんぱさんを受け入れた。
 けんけんぱさんが入ったけど、何の話をすれば良いのかな。
 この5人の共通の話題って何だろう。
 そう考えていると、ミヤネさんが近づいてきた。
 ミヤネさんは、俺達のところに顔を出して言った。

「面白そうな話をしているわね。私も入れて」

 ミヤネさんも参加するのか。
 先まで4人で話していたのが、6人に増えたな。
 この顔合わせにいる過半数が、この会話に参加しているのか。
 まさかここが多数派になるとはな。
 そして何の話をしよう。
 6人でするような話し合ったかな。
 どうしよう。
 うーん。生産系の話をすれば良いのかな。
 話題選びが難しいなぁ。
 そう思って考えていると、次は、天野さんが会話に入ってきた。

「みんなで集まって何を話してるのかい? 私もお邪魔するよ」

 これで、7人目か。
 それぞれ談笑する時間だったはずが、9人中7人が固まる大きなグループになったな。
 どうしようこれ。
 コルドとローズ以外みんないるんだけど。
 みんなで話せる話題は何かな。
 もう一度話題を考え出そうとしたところで、今度は、ローズが会話に合流した。

「みんなで集まってるなら言ってよ。仲間はずれにしないでよ」

 まぁ、確かに9人中7人集まっていたら、残りのメンバーは仲間はずれに見えてしまうよな。
 9人中8人が集まったな。
 こうなったら、コルドも加えてみんなで話をしたいな。
 話すことは何も決まってないけど。
 そう思い、高度に声をかけに行こうとしたところ、タイミングよくコルドから声をかけられた。

「みんなで集まってるんだな! 俺も入れて!」

 これで全員集合だな。
 全員集合したけど、どうしよう。
 ここから何をするのか決まっていないな。
 というか、9人で話すってどうすればいいのかな。
 9人で楽しく会話とかやったことないかも。
 どうしよう。
 誰かうまく仕切ってくれないかな。
 俺は、ぼそっと言った。

「全員集合したな」

 ササキさんは、説明するように言った。

「今は、ギルドの依頼の話をしていたぞ」

 あぁ、確かに、今までの流れを説明した方が良いな。
 今までどんな話をしていたのかを言えば、ある程度はどんな話をした方が良いのかが、分かるだろうし。
 そして、次の話題を振ってもらいやすくもなるだろうし。
 ミヤネさんが、うんうんと頷きながら言った。

「へぇ、そうなのね」

 9人の間を沈黙が通り抜けていく。
 どうしよう。どうにかして会話を進めなければ。
 でも良い話題が思いつかないなぁ。
 そう思っていたら、ローズが話題をくれた。

「素材って、買い取りカウンターとか売店を利用した方が良いのか、依頼を利用した方が良いのか分からないわよね。今はどっちが安いのかしら」

 おぉ、良い感じの話題だな。
 多分、生産職の人たちは知っているだろう知識。だけど、俺達戦闘職のような生産に関わりが薄いプレイヤーには分からないことを聞いてくれた。
 これを会話のきっかけにして、良い感じに話が広がっていくと良いな。
 というか、本当に俺には分からないな。
 確かに、今までかたくなに依頼の処理で素材を片付けてきたけど、どっちの方が良いのかな。依頼の方が良いとは聞いたことがあるけど、どっちの方がどれぐらい良いのかは、全く分からないな。
 すごくいい質問だな。俺も答えが気になるし。
 ローズの質問は、けんけんぱさんが優しくこたえてくれた。

「基本的に、依頼の方が安いよ。それと、品質も依頼の方が高いことが多いよ。カウンターは、ちまちました作業が面倒なときとかには便利だけど、買い取りのとき、手数料をギルドに多めに取られるよ。売店は、最低品質のものが少し高く大量に手に入るよ。こっちもちまちまと依頼を出すのが面倒なときはおすすめだよ。それ以外のときにはおすすめは出来ないけど」

 品質とかも違うのか。
 買うときも依頼の方が良いんだな。
 覚えておこう。
 まぁ、買い取りカウンターの方が手元に残るお金は少ないよな。
 でもなぁ、それでもいいから楽がしたいと思うぐらいには、ちまちました依頼消化って大変なんだよなぁ。
 1回カウンター使ってみようかな。
 それで、どれぐらい手に入るお金が違うのかを比較してみようかな。
 多分、比較したら、依頼の処理を頑張ろうとなりそうだな。
 俺は、そう思いながらつぶやいた。

「手に入れた素材を納入依頼にかけるの大変なんだよなぁ。多めに取られたとしても、カウンターを使いたくなるくらいには」

 俺のつぶやきを聞き取ったのか、隣に座っているササキさんが、俺に向かっていった。

「依頼の方が、ギルドレベルも上がりやすいらしいし、頑張ってそっちをやった方が良いぞ」

 確かに、依頼なら同じ量の素材でも、何回も依頼を挟むから、ギルドの取引回数が増えて、ギルドレベルが上がりやすいのかな。カウンターなら、素材をまとめて渡して、取引は1回だからな。
 まぁその分手間が増えるし、ギルドレベルが上がると取られる税金が増えるんだよなぁ。
 コルドが、純粋に首をかしげながら聞いた。

「ギルドレベルを上げる必要ってあるのか?! ギルドに取られる%が上がるだけで、メリットを感じないんだが」

 確かにそうだな。
 レベル6になれば他の町でも使えるんだし、それ以上あげる意味はあるのかな。
 使える施設が増えるのって、戦闘職の俺達にとって何か意味のあることなのかな。
 そこら辺の説明をちゃんと受けてない気がするな。
 最初にギルドに登録するときに聞いて以降は聞いてないな。
 後で聞きに行こうかな。
 そう思っていたら、クジョウ君がやさしく説明してくれた。

「前にそれをカウンターで聞いたら、ギルドレベルを上げると、他の町でも活動できるようになったり、もっとあげると、他の国でも活動できたりするようになるって言ってました。後は、ギルドの利用できる施設が増えるとも言っていました。だから、一応あげておいた方が良いと思います。生産職プレイヤー的には、個人間取引の許容量が増えるのが重要なので、頑張ってあげています」

 他の国でも活動できるようになるのか。
 いろんなところに行きたいし、そのレベルまでは頑張ってあげたいな。
 取引量とかは、商売をしていない俺達にとっては、直接関係ないな。
 ギルドの施設ね。
 今俺達が使える施設は何なのか、後で受付に聞いてみようかな。
 使えるものは有効活用していきたいし。
 コルドは、クジョウ君の説明をうんうんと頷きながら聞いた後に言った。

「確かにオクツが、ギルドレベルが6になれば、次の町での再登録が必要なくなるって言ってたな。いろんな場所で活動していきたいし、ちゃんとあげるかぁ!」

 そういえば、みんなは今ギルドレベルはいくつなのかな。
 生産職だしめちゃくちゃ高いのかな。
 どうなんだろ。
 とりあえず聞いてみるか。

「皆さんは今、ギルドレベルいくつなんですか?」

 ちなみに俺ってどれぐらいだっけ。
 自分のギルドレベルを確認したところ、Lv.7だった。
 Lv.6になったことは覚えていたけど、いつの間にか、Lv.7になっていたのか。
 気づかなかったな。
 まず、ササキさんがメニューウィンドウを見ながら言った。

「今は、Lv.8だな」

 それぐらいなんだ。
 もっとこう、もう2桁とかになっているのかと思ってた。
 次に、ミヤネさんもメニューウィンドウを見ながら言った。

「私も、Lv.8ね」

 ミヤネさんの同じってことは、生産職のトップの方はそれぐらいってことなのかな。
 けんけんぱさんは、メニューウィンドウを閉じて言った。

「俺はまだ、Lv.7だよ」

 けんけんぱさんが低いのは、鍛冶士だから、数を売ると言うよりは、単価の高いものを売るスタイルだからなのかな。
 続いて、天野さん。

「私はまだ、Lv.6だよ」

 βテスターでもないし、それぐらいなのかな。
 もしくは、まだみんなが料理のすごさに気づいていないとかなのかな。
 天野さんに続き、ダイアさん。

「私は、Lv.8だよ」

 ダイアさんは、ササキさんとかミヤネさんと同じLv.8なんだな。
 生産職最後は、クジョウ君。

「僕は、Lv.9です」

 ギルドレベル高ッ!
 クジョウ君は、Lv.7ぐらいかと思ってた。
 クラフターってもしかしてすごい職業なのかな。
 それとも、クジョウ君ってすごい子なのかな。
 Lv.9ってかなり税金で持って行かれそうだな。
 大変そうだな。
 ローズが言った。

「私は、Lv.7よ」

 まぁ、同じだよな。
 俺より高くても低くても変だよな。
 APO始めてからだいたいずっと一緒に行動しているんだから。
 続いて、コルド。

「俺はLv.7だ!」

 まぁ、そうだよな。
 分かっていた。
 最後に自分のギルドレベルを言う。

「俺も、Lv.7です」

 生産職の人は、もうギルドレベルが2桁にいっているのかと思っていたけど、そうではなかったな。
 みんな、Lv.6は超えているし、『クランの町フラッグ』にはいけるんだな。
 これなら本題に入ってもかまわなさそうだな。

「みんな、Lv.6はあるんですね。それなら大丈夫か」

 俺は、全員の目を順に見て行った後、言った。

「皆さんにお話があります!」







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