Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~

百々 五十六

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4日目の朝 それぞれやることがある

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 3人で仲良くベンチに座りながら他愛もないことを話した。
 あの魔物がどうという話や、あの素材はこういう風に使う、あの店って行きました? など様々な話を3人で楽しくしていた。
 雰囲気もよく和やかに楽しくおしゃべりしていた。
 このまま1日が終わりそうなぐらい良い感じにおしゃべりしていた。
 俺達が楽しく話している間に、だんだんと日が顔を出してきた。
 俺がログインしてすぐの時は、日はまだ見えず、日の光がうっすらと出てきたぐらいだったのが、今では、がっつり日が出るようになっていた。
 こんなに日が出るなんて、もしかして、かなりの時間話し込んでたのかな。
 体感としては、そんなに何時間も話し込んでいる感じはしなかったけどな。
 もしかしたら、もう9時とかかもしれないし、一応時間を確認するか。
 軽くメニューから時刻を確認した。
 今は6時半らしい。
 まだ6時半なんだ。
 気分的には確実に8時を越えているんだと思ってた。
 俺がログインしたのが6時少し前。
 この公園に着いたのが、6時の5分から10分の間ぐらい。
 天野さんに話しかけられたのが、6時10分ぐらい。
 けんけんぱさんが合流したのが、6時の10分から15分の間ぐらい。
 ということは、3人で話し始めてから、まだ20分弱ぐらいしか経ってないのか。
 20分って感じがしないな。
 日が動いた感が強いからかな。
 それとも、話が楽しすぎたからかな。
 ずっと話している感じがするのは何でなんだろうな。
 20分か。
 それぐらいしか話してないのか。
 今日の朝はこのおしゃべりで終わったのかと思ってた。
 まぁ、まだまだ雑談するだろうから、朝がおしゃべりで終わる可能性も十分あるだろうけど。
 それから楽しく雑談をしていたら、けんけんぱさんが時間を確認する仕草をした。
 けんけんぱさんの時間の感覚がバグってきたのかな?
 めっちゃ話し込んでた気になっているのかな。
 気分的には2時間だよな。
 20分がどれぐらいの感覚なのかは人それぞれだと思うけど、雑談なら、俺的にはそこまで長時間話したという感じの時間ではないな。
 メニューを閉じたけんけんぱさんは言った。

「こうやって話しているのも楽しいけど、そろそろ、今日の作業に入ろうかな」

 けんけんぱさんにとっては、20分はそろそろ作業に戻る時間のようだ。
 まぁ、20分あったら、何個も生産できるだろうしな。
 この20分、何か生産性があったかというとすごく怪しいよな。
 時間の捉え方は人それぞれだよな。
 時間の使い方も同じく。
 20分の考え方は人それぞれだよな。
 俺は、その時間が楽しければ何でも良い派だな。
 効率とか、生産性とかよりも、楽しいかどうかで判断していきたいな。
 けんけんぱさんは、作業に入るらしいけど、天野さんはどうするんだろう。
 そう思って天野さんの方を向いたら、天野さんが言った。

「私も、せっかく早くログインしてきたんだし、そろそろ作業に入ろうかしらね」

 天野さんも作業の方に入るのか。
 せっかく早くログインしたんだし、早く作業に入ろうという気持ちはかなり分かるな。
 早起きしたらいつもよりいっぱい何かをしたくなるよな。
 体感2時間分も話したら、十分だよな。
 体感2時間分も会話したらお腹いっぱいいっぱいだよな。
 2人は会話欲が満たされたのもあるのかもしれないな。
 まぁ、そもそも、体感2時間と行っているのは俺の体感の話だから、2人的には、全然違う退館時間かもしれないな。
 まぁ、とりあえず、ここでこの雑談は終了なんだな。
 そう思いながら2人に言った。

「それなら頑張ってください」

 俺の応援を聞いて、2人はにっこりと笑った。
 2人はそのまま椅子から立ち上がった。
 けんけんぱさんは、俺の方を振り向きながら言った。

「顔合わせの予定が決まったら教えてね」

 そう言った後、けんけんぱさんは背伸びをして、体をほぐしだした。
 20分も広場の堅いベンチに座っていたし、体がこったのかな。
 APOにこりって実装されているのかな。
 実装されていないとしたら、けんけんぱさんの癖なのかな。椅子から立ち上がるときに背伸びをするのが。
 適当なことを考えていると、今度は、天野さんも、俺の方を振り向きながら言った。

「暇になったときとか、何か大事な戦いの前は、うちにご飯を食べに来なさい」

 そういえば、『ビックボスゴブリン』戦の前に、天野さんの料理を食べに行かなかったな。
 料理って、結構ちゃんとしたバフが入るのに、行くのを忘れていたな。
 バフなしでよく勝てたな。
 次からはちゃんとボス戦前に料理を食べるとしよう。
 このことをちゃんと覚えていたら良いな。
 頑張って思い出せよ、未来の俺!
 俺は2人の言葉に力強くこたえた。

「分かりました!」

 2人は、俺に手を振りながら、ギルドの方に向かって歩き出した。

「じゃあ、また後でね」

「また後でね」

 俺は、ベンチに座りながら2人を見送った。

「はい、また後で」

 2人はギルドの方へと消えていった。
 これからどうしような。
 多分、ローズとコルドがログインしてくるまで、あと1時間ぐらいありそうだよな。
 1時間何をして待とうかな。
 うーん、店とかはやってないしな。
 カフェで待つのは難しいだろう。
 狩りという気分でもないんだよな。
 だからといって、生産の気分でもないんだよな。
 何をしようかな。
 3人そろってたら、誰かしらやりたいことがあるかそれに付き合えば良いんだけどな。
 うーん、じゃあ、素材の納入でお茶を濁そうかな。
 ためすぎると地獄を見るからな。
 こまめにやっていかないとな。
 1日分をためた日には確実に地獄を見るからな。
 早朝で、気分も良いし、溜まりすぎていないうちに手持ちの素材を換金しちゃおう。
 そうしよう。
 他にやりたいこともないし。
 今なら嫌な思いをする前に作業を終えられる気がする。
 じゃあ、早速、ギルドに行こうかな。
 結局ギルドに行くなら、天野さんとけんけんぱさんと一緒にギルドに行けばよかったな。
 ちゃんと次の予定を考えながら話しておけばよかったな。
 まぁ、過ぎちゃったものはしょうがない。切り替えていこう。
 俺はベンチから立ち上がり、ギルドへと向かった。
 パパッとギルドまで来た。
 ギルドの中には、町中よりは人がいるけれど、それでもAPOとは思えないぐらいの人口密度だな。
 人がいない早朝は良いかもな。
 こんだけ人がいなければ、納入のストレスが大分下がるかもな。
 よし早速作業に取りかかろうかな。
 そう思ったところで思い出した。
 そうだ、今の居場所を2人に連絡しておこう。
 そうしないと合流できないし。
 俺は、納入作業に移行としていた足を止め、コルドとローズにメッセージを送った。


”今、ギルドの依頼のところにいるから、ログインしたらこっちに来て”


 これで、ログインしたら合流してくれるだろう。
 よし、じゃあ作業に入るか。
 俺はそれから黙々と納入依頼を処理し続けた。
 あまり人のいないギルドは圧迫感が少なく、作業のストレスがいつもよりも大分少ない。
 いつもより作業が2割増しぐらいで早くなっている気もする。
 俺は良い感じの環境で、昨日の西の森の素材を換金し続けた。
 そろそろ換金が終わるな。
 次は何をしようかな。
 顔合わせの予定を立てる作業かな。
 みんな今日の予定が空いていると良いな。
 そもそもAPO内でがっつり予定が入っているってどういう状況なんだろう。
 オーダーメイドの装備の発注とかかな。
 もしくは、発見だけしたクエストをやりに行くとかかな。
 後は、フレンドと遊ぶ予定が入っているとかかな。
 あんまり予定が入っている状況はないんじゃないかと思って想像を始めたけれど、思ったよりも予定が入る状況を想像できてしまったな。
 集まれない可能性は十分にあるな。
 欠員が出たらどうしよう。
 後日にしようかな。それとも、欠員がいる中で顔合わせをしようかな。
 まぁ、それは今決めるんじゃなくて、状況を見て判断をすれば良いか。
 そんなことを考えながら、納入依頼処理のラストスパートをしていると、後ろから声をかけられた。

「あ、オクツ。おはよう」

 俺は反射的に振り返るとそこには、ローズがいた。









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