Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~

百々 五十六

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西の森探検隊 帰路とイベント?!

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 目標にしていた熊を倒し終えた俺たちは、帰りの時間を考慮した結果、帰路につくことにした。
 いやぁ、思ったよりもあっさり熊が倒されたな。
 俺が戦闘に関与する間もなく倒されちゃったな。
 まぁ、2人とも気合いが入っていたし、スキルモリモリの攻撃をしたんだろうな。
 アホみたいなダメージが出ていたし、そういうことだよな。
 楽しみにしていたのに戦闘は一瞬だったな。
 あの熊の名前、プレーンベアだったな。
 普通の魔物はプレーン〇〇になるっていうのはなんとなく分かってきた。
 角がついたらホーン〇〇、強くなったり少し大きくなったりしたら、ハイ〇〇。
 ボスになったら、ビッグ〇〇。
 規則性のある名前で良いな。
 名前を聞いたらなんとなくその魔物の立ち位置が分かるっていうのはいいな。
 情報アドバンテージってやつだな。
 そういう細かなアドバンテージが大切なんだよな。
 そういえば、プレイヤーの種族って、この命名規則に従えば、プレーンヒューマンなのかな?
 俺たちがプレーンヒューマンだとすると、レベルを上げていけば、ホーンヒューマンになったり、ハイヒューマンになったり、ビッグヒューマンになるなんてこともあるんだろうか?
 あったら面白いな。
 是非あってほしいな、そのシステム。
 頭の中では別のことを考えるなんてこともしつつ、俺たちは帰路につきながら楽しく雑談をした。
 俺は、往路で「それは復路の話題だ」と断られた話題を改めて投げた。

「帰路についたことだし、さっきしなかった振り返りをしよう」

 ローズは、今度はノリノリで返してくれた。

「町に帰ったらログアウトだし、やっておきましょう」

 コルドも今度は乗り気みたいだ。
 少し下がっていたテンションを上げながら言った。

「少し眠くなっているのも、振り返りの雰囲気と合ってるな!」

 確かに、さっき俺がこの話題を振ったときよりも、今の方がこの話題の雰囲気に合っていることは認めよう。
 そしてこの話題が、岐路の話題だと言うことも認めよう。
 俺はそれらを全て認めた上で、話の続きをした。

「それで、今日どうだった? まず、楽しかった?」

 ローズは夜だとは思えないほどのにっこりとした元気な笑顔で言った。

「それはもう楽しかったわ」

 コルドもサムズアップしながら歯が出るぐらいのにっこり顔で言った。

「当たり前だろ! 楽しかったに決まってるじゃん! オクツは楽しかった?!」

 2人ともAPOを楽しんでくれたみたいだ。
 楽しいのが俺だけじゃなくてよかった。
 3人で楽しめているなら、APOはかなり良いゲームだっていうことだな。
 APO様々だな。

「もちろん楽しかったぞ」

 こんなゆったりとしたテンポで会話をしている俺たちは、かなりの駆け足で町へと向かっている。
 森に入りたてで慎重に進んでいた頃に比べたら、倍以上のスピードが出ているんじゃないかな?
 帰路は基本的に見つけた魔物は、戦闘をせずに無視しているので、戦闘がない分さらに早くなっていることだろう。
 ゆっくりなテンポで会話をしていたらそのテンポに合わせて足がゆっくりになりそうなものなんだけどな。会話と足のテンポをバラバラにできるってすごいな。自分のことなのに他人事みたいにそう思った。
 このままなら、22時半には余裕で間に合うだろう。

「まぁ、楽しくなかったらその時点で止めているわね」

 それはそうだな。
 楽しくないゲームってやる意味がないよな。
 楽しむため、ストレスを発散するためにゲームをやっているんだよな。
 俺たちの意思でやっているんだから、楽しくなかったらとっくに止めているよな。
 コルドが大きく頷きながら言った。

「それはそうだな! ゲームなんだから、楽しくないゲームは止めるよな! 愛着が湧いているとか、スランプとか出ない限りはな!」

「その通りだと思うぞ。楽しくやっていくことが一番だよな」

 この話が一段落したので次の話題に移った。

「何が一番楽しかった?!」

「私はやっぱり、『クランの町フラッグ』の観光かしらね」

「観光楽しかったな!」

 観光はよかったな。
 本当に観光している気分になったな。
 ゲームであろうが、知らない町に行くのってわくわくするよな。

「祭りみたいなやつ楽しかったな」

「監視塔も、大変だったけど、景色がそれ以上によかったわね。すぐにもう1回行こうとは思わないけどね」

 監視塔は、階段を上るつらさを忘れた頃に行きたいな。
 今は……いいかな。

「それはそうだな!」

「1月ぐらいは空けたいな」

 ローズが俺たち2人に向かって言った。

「2人は何が一番楽しかったの?」

 コルドが元気いっぱいに答えた。

「俺は、『ビックボスゴブリン』との戦闘が楽しかったな! ボスと戦っているって感じでよかったな!」

「戦闘中に懸賞とかを挟んで、自分たちで攻略法を見つけたのもよかったわね」

 楽しかったな。
 多分、今『ビックボスゴブリン』と戦ってもあんなには楽しくないだろうな。
 別の楽しさを見いだせるかもしれないけど、あの楽しさはあのときだけの特別なものだったな。

「工夫を凝らすのも、力押しをするのも楽しかったな」

「もらったダメージ以上にギリギリの戦いって感じがしたな!」

「HPポーションよりも圧倒的にMPポーションが減ったわね」

「何か1つ思いついていなかったら負けていたかもな」

 どこかで一撃をもらっていたら一気にやられていたかもしれないな。
 それぐらいギリギリだったと思う。

「ギリギリの戦いだったわね」

「オクツは、何が一番楽しかったんだ?!」

 俺はすっと出てきたことをそのまま言った。

「俺は、クラン関係のことが楽しかったな。設立とか、拠点を見るとか、勧誘とか、そこら辺が楽しかったな」

 2人は、楽しかったことを思い出しているのか、思い出しニコニコしながら言った。

「勧誘を受けてくれたときは、めちゃくちゃうれしかったわね」

「拠点を見るのもわくわくしたな!」

 俺も、クラン関係のことを思い出す。
 俺も2人と同じように口角が勝手に上がっていくことが分かる。

「どんなクランをつくる? って考えていたときも楽しかったな」

「クランのことはこれからもっと楽しいことがありそうだよな!」

「まぁ、私たちのクランは始まったばかりだからね」

「これからどんなクランになるんだろうな」

 走りながら、思い出話にふけっていると、突然目の前にウィンドウが現れた。
 いきなりウィンドウに視界を塞がれたので、俺たちは急に立ち止まった。
 俺は目の前にあるウィンドウを見る。


 特殊イベント 夜中の森のお友達


「「「特殊イベント?!」」」

 特殊イベントって何だろう?
 多分、俺たちに関係する何かなんだろう。この森に関することなんだろう。
 でも後のことは全く分からないな。
 お友達って何のことだろう。
 そう思っていると、ウィンドウに書かれている内容が変わった。


 特殊イベント、夜中の森のお友達が発生しました。

 対象プレイヤーをワールドから隔離します。
 オクツ、ローズ、コルド、の3名を特別ワールドに転送します。


 特別ワールドって何だ?
 告知を見たあの真っ白な空間みたいな場所ってことか?
 そう考えていると、突然視界が真っ白になった。
 一瞬で視界は元に戻った。
 元の森に戻ってきたのかな。
 何も変わっているようには見えない。
 ここが特別フィールドなのだろうか?
 それとも一瞬回線でも落ちたんだろうか?
 そう思っていると次のウィンドウが出た。


 イベントを終了するか、プレイヤーが死亡した場合のみ、元のワールドに戻ることができます。


 特殊イベント 夜中の森のお友達 開始!


 どうやらイベントが始まったみたいだ。
 イベントの概要すら伝えられていないんだけど。
 これから俺たちは何をすれば良いんだろう?
 特殊イベントってそもそもなんなんだろう?
 様々な疑問で頭が埋め尽くされる。
 そして自然と声が漏れた。

「「「どうしよう……」」」




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