世界大戦は終わらない

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大正の終わり、昭和のはじまり

大正の終わり昭和の始まり05 人種差別撤廃宣言、通過せず

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 世界中の外交官が、真っ当に話し合うことができなかった国、約束事をすべて反故にされた国、それがソビエト連邦であった。そして、東側の記録があてにならないことから、東側が劣っていたというのは間違いであり、優秀な部分ですら真っ当に記録されなかった国が、ソビエト連邦だったのである。

 現在の世界でも同じであるが、すべての人を人として認め、自分以外の存在を許容することが、すべての争いを調整する始まりと考えている。






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 そのために必要なことは、「正義の殺人を許容しないこと」なのである。
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 人種的差別撤廃提案は、最初の一歩であったが、人類はその最初の一歩に躓いたのである。日本からすれば、日系移民排斥運動への対処であったが、根幹に白人の有色人種に対する偏見があったことを理解して、人種差別への認識を組み入れるということを目標としたのである。

 人種的差別撤廃宣言の提案は、イギリスのアーサー・バルフォア外相「ある特定の国において、人々の平等というのはありえるが、中央アフリカの人間がヨーロッパの人間と平等だとは思わない」という意見に集約される形で、否決されたのが現実の世界である。






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 if昭和史でも、「人種的差別撤廃宣言」については、提案したモノの成立には至らなかった。
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 今の日本人も同じであるが、国際連盟や国際連合に夢を見て、世界の広がりを見て、世界に居る人達が、自分たちと同じ人間であるという認識をしている。しかしながら、世界の人達の中には、自分達以外を同じ人間として、考えることができない人達が居るというのが、現実として横たわっている。

 今の日本人は、憲法9条を金科玉条のような話とするのは、「話せば、判る」とか「人殺しはダメだよね」といった言葉が、相手に理解できるという前提で話をしているからである。これが、死亡フラグと言われるのは、相手が自分を対等だと考えていない状況で、対等に話をしようとすることにある。

 「正義の殺人」を許容する人は、「人間を対等に見ない」という、判断をすることもできる人である。「正義の殺人」で課題となるのは、「人間を対等にみない」ことを許容することである。

 日本の憲法9条を世界に広げたい人達へは、世界中の人が、すべての隣人を愛し、許すことを認めあうという前提で話をしている。現在の世界では、建前としては、話し合いとなっているが、「正義の殺人」を認める前提として、話し合いをおこなうというモノである。

 人殺しは罪であるというのは、日本人からすると、当たり前の感覚であるが、世界ではマイノリティなのである。現在の国際犯罪では、大量殺人は、世界中で犯罪と扱われるが、殺人は犯罪として扱われない国が存在している。何人以上が、大量と扱われるかは、各国の判断となっている。つまりは、「正義の殺人」を肯定する国がいるため、殺人を罪と定義できないのである。

 アメリカという建前と本音が異なる国では、大統領自身が賛同しても、国家として賛同できないという結果となり、欧州諸国の外交関係者も同様の状況であった。つまりは、人種差別撤廃を認めれば、選挙に勝てないのである。



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