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しおりを挟む「全て?」
悪魔の美声が響きます。
彼の声は耳を通り、心の奥まで届くようでした。一言だけで心がとろけさせられそうです。
彼の声に頬を染めた妹が瞳をキラキラさせなから答えます。
「そうよ! お姉さまの全部! 欲しいの!」
「全部?」
「そう! 全部全部全部!! お姉さまの全てをわたくしに頂戴!!」
「代わりに何をくれるのかな?」
「お母さまとお父さまの命よ!!
2つも上げるんだから早くわたくしの願いを叶えて!! すぐに!!!」
キラキラとお菓子を強請るように妹が言います。それを両親が嬉しそうに見守ります。
さすがにそれにはわたくしもゾッとしました。
これが自分の血の繋がった存在なのかと怖くなります。
妹も両親も、とても命のやり取りをしている人たちには見えません。
お菓子が欲しいと強請る子供とそれを与える両親。言葉だけなら幸せそうな家族です。
ですが対価は命です。
妹は、わたくしの命を軽視するだけではなく、自分を愛する両親の命さえも自分の為に笑って差し出すのです。
これが、『両親が育てた娘』なのです。
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