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しおりを挟む「いいのかい? 悪魔に差し出された魂は二度と神の元には戻れないよ?」
悪魔は意外と優しくて、そんな言葉を両親に投げかけました。
両親は嬉しそうに微笑みながら答えます。
「娘の為ならばこの命惜しくはない!」
「見たこともない神様は娘の願いを叶えては下さいませんもの。そんなものに祈るくらいならば、今目の前にいる悪魔に魂を捧げますわ」
そして両親は口を揃えて言いました。
「「愛する可愛い娘の為ならば」」
なんと献身的な親の愛でしょう。
きっと娘が一人であったのならば、こんな両親を神様も認めてくれたかもしれませんね。
ですがこの方たちはわたくしの命を使って娘の願いを叶えようとしているのですから、わたくしからすれば人殺しと変わりません。
わたくしは目の前で繰り広げられる馬鹿馬鹿しい茶番劇に淑女のマナーも忘れて溜め息を吐きました。
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