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16>> サマンサの終わり (ざまぁ)

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 アシュフォードが訪れたのは親族の邸だった。
 ガルシア・デミンス公爵。
 王家の分家でもある彼は、アシュフォードを気怠げに出迎えた。

「暇か? 王太子」

 二人は同い年と云うこともあり気安い仲だった。ガルシアの父は病で早くに亡くなり、ガルシアが既に爵位を継いでいた。

「暇じゃないからここに来たんだ」

 アシュフォードは外では見せないような表情でデミンス公爵邸の応接室に入ってくると倒れるようにソファーに座り、足を上げた。直ぐ様そこに足置きが置かれてアシュフォードの足を支えた。

「あ~……、紅茶に酒を足してくれ」

 勝手に注文するアシュフォードにガルシアは呆れた視線を送り、デミンス公爵邸の侍女たちは慌てることなく速やかに指示に従いアシュフォードの側に紅茶と焼きナッツのお菓子を出した。

「え? 何そのお菓子?」

 ガルシアが不思議がると家令が「王太子殿下がお好きだと聞き、用意しておりました」とサラリと答えた。

「さすがウチの使用人」

 ガルシアが感心すると家令と侍女たちが自分たちの主人に向ってフフッと笑った。
 そんなやり取りを紅茶を飲みながら見ていたアシュフォードが大きな息を吐きながら座り直りてガルシアを見た。

「で? お前のはどうだ?」

 アシュフォードのその問いにガルシアはニヤリと笑う。

「有り難いよ。もう俺は結婚は諦めていたからな。
 を貰えて、今心底嬉しいよ」

「それは良かった。 
 で? そのは今は?」

「彼女の為に特別に用意した部屋でよ」

「それは良かった」

 目を細めて笑い合う男たちはサマンサの話をしていた。


 エーへの暴行罪などを問われたサマンサは表向きは身分剥奪の上で下働きとしてこき使われていると思われている。
 親がだったのだ、子供のサマンサたちにはどうにもできなかっただろうとも思えなくもなかったが、元乳母たちの証言から『姉二人は自ら別邸までやって来て自らの意思で妹を虐げた』と判明した。ただ虐げただけではない。何も分からないエーをなんら疑問に思うこともなく暴行を加えていたのだ。そしてそのことにすら二人はおかしいとも思ってはいない。『害虫を踏み付けて何が駄目なの?』と本気で思っている。これは親の影響だけなのか、本人たちの生まれ持っての性質なのか。だが彼女たちには自分たちよりも小さな子供を楽しんで痛めつける恐ろしい加虐性があることは確かだった。
 現在、長女シャルルが18歳。次女サマンサが17歳。『彼女たち自身が幼い頃から三女が親から虐待されていてそれが当然だと思って育った』と言っても『だがもう彼女たち自身でその状況がおかしいと気付けた年齢だ』と思われた。現に彼女たちは妹の存在を完全に隠していた。周りにバレれば自分たちの方が非難されることを理解していたからだ。
 だから同情すべきでは無いと皆が思った。
 そんな、シャルルやサマンサ彼女たちをどうするかの話し合いの場に、ガルシアは提案した。

『一人は僕が預かろう』

 と。そして年齢からサマンサの方が選ばれた。シャルルはもう既に成人だからと。それだけの理由だった。

 サマンサ本人に知らされることなく、サマンサの身分は『遠くにある国の伯爵家の娘』ということになった。そして書類だけのやり取りでガルシア・デミンス公爵の妻になった。
 紙面上にだけ存在するのサマンサ・デミンス公爵夫人。
 だがサマンサ自身にそれが知らされることはない。必要がないからだ。


 ガルシア・デミンスはずっと欲しかった。
 “何をしても許される母体女性”が。
 だから『罪人』として『聖女を害したクズ人間』として、社会から嫌われた女、というサマンサみたいな立場の女性は最高の存在だった。

 どうせサマンサは罰を受ける。
 修道院へ行って懺悔し続ける、なんて甘い罰は許されない。何より修道院がサマンサみたいな者には来てほしく無い。
 どうせどこかで罪を償うのなら、僕がその場を提供して上げる。
 ガルシアは今まで皆に見せたこともないような笑顔でそう提案したのだ。

 基本気怠げでやる気のない顔をしているガルシアが珍しく頬を上気させてキリッとした顔をして熱弁したので、アシュフォードは悩むことなくその提案に乗った。周りの者たちが少しだけサマンサに同情してしまったのはもう本能からくる恐怖を心の底で感じてしまったからかもしれない……


 今、サマンサはデミンス公爵家の領地で、デミンス公爵家が有する広大な敷地を誇る邸の中のその地下で、

 デミンスが愛してやまない存在の、
 大切な大切な『卵』たちをその子宮内で温めている。

 デミンスは無類の爬虫類・両生類──地球生物で云うと──マニアだった。

 
 現在サマンサが大切に温めている卵はエザリドーエンという、体長は指の長さ程度の、全身を鱗に覆われた、表面にヌラヌラとする保護液をまとった、トカゲに似た四足歩行で尻尾がピョコピョコと可愛い見た目の生物のものだった。
 エザリドーエンのメスたちはサマンサの子宮内に卵を産み付ける。柔らかい壁とぬめり気と適温がエザリドーエンの卵がかえる為に必要なのだ。野生のエザリドーエンはアゴヤン──巨大なナマコ型の生物──の肛門内に産卵するのだが、近年そのアゴヤンの数が減少している為にエザリドーエンの数も減っていて、デミンスはとても心を痛めていた。そして遂にエザリドーエンの保護に乗り出し、その為に必要な『産卵場所』をずっとずっと欲していたのだ。
 デミンスの予想通り、エザリドーエンたちは“女性器内”を最良な産卵場所として喜んでくれた。産卵する場所だと決めたエザリドーエンは専用の体液を体から分泌して産卵場所を整える。卵を守り蓄える為に作用するその体液の影響でサマンサの子宮は自分が子供を妊娠する時と同じようにに合わせて広がり、お腹の皮も伸びた。
 たくさんのエザリドーエンの夫婦が卵を産み付け、サマンサのお腹はぽっこりと膨れた。本当にサマンサ自身が懐妊しているようだった。
 当然サマンサには男性経験は無い。純潔のまま、彼女の子宮は別の生命の産卵場となったのだ。卵がかえればサマンサはエザリドーエンの子供たちをことになる。
 
 そんなサマンサの周りをエザリドーエンたちがチョロチョロウロウロカサカサ動き回る。エザリドーエンだけではない。サマンサの排泄物の処理の為にメヌメナという蛇のような見た目の細長い生物たちもたくさんニョロニョロしていた。メヌメナは他の生物の排泄物を食べて土に返す、この世界ではとても貴重な生物だった。メヌメナが舐めると肌が綺麗になるのでメヌメナの唾液で化粧品も出ている──材料がメヌメナの唾液だと知ると殆どの女性は使うのを止めてしまうが──。

 サマンサは適度に湿度と室温を管理された特別室に用意された自分専用のベッドの上でずっと寝ている──特別性のベッドなので床擦れをすることはない──。
 意識はある。
 だが意思疎通はできない。
 『生きた女性の体』が必要なのであって『喋る知能はいらない』として、サマンサは自分の意志で体を動かせないように毎日の食事──胃に直接送られる──に専用の薬が混ぜられている。
 だからサマンサは、『全てを分かっているのに何もできない』のだ。

 うめくことさえできないサマンサは動かせない視線の中に映る『自分の体の上を這い回る気持ちの悪い生き物』たちをずっと見ている。
 どれだけ気持ちが悪いと思っても何もできない。
 救いは『暴れてはいけないからと体の感覚を麻痺させられている』ことだった。
 だからサマンサは視界と音だけの世界で気持ちの悪い生物を見るだけの時間を生きている。
 何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故、とただそればかりを考えて…………









「しかしお前、これからどうするんだ? 妻をめとったとなると今度は跡継ぎはまだかとせっつかれるぞ?」

 アルコール入りの紅茶に口を付けながらアシュフォードがガルシアに聞いた。
 ガルシアも自分用に用意された普通の紅茶を飲みながらアシュフォードを面倒臭そうに見る。

「……それは考えている」

「まさかに産ませるのか?」

「まさか!」

 アシュフォードの言葉を即否定したガルシアは少しだけ躊躇ちゅうちょした後、話し出した。

「……お前には紹介したことはないが、ガキの頃から邸にいる幼馴染みたいな使用人の女がいる」

「幼馴染のか」

「そんなんじゃない! ……ないが……

 彼女は平民なんだが、ちょっと特殊で……
 血筋は貴族なんだ。爺様時代にノア侯爵家であった御家騒動知ってるか? その時にノア侯爵家を除籍された兄夫婦の孫らしい…… 俺の爺様が友人だったらしく、同情してこっそりウチでかくまい、それからウチの使用人として働いているんだ」

「ノア家か……」

「彼女の父親がノア家の血を引いていて、母親は俺の母の分家筋だ。立場は平民だが平民上がりの男爵家よりも血は確かだな。

 ………………その彼女が昔から俺の精子を欲しがっていてな」

「っ、ゲッホっ!!」

 ガルシアの言葉にアシュフォードはせた。危うく次期国王がナッツを喉に詰まらせて死ぬところだった。

「おまっ……、何を……っ」

 ゲホゲホと咳き込むアシュフォードに周りの執事や侍女たちは大慌てだが、ガルシアは全く気にすることなく淡々と続けた。

「ノア家の御家騒動は単純に兄弟喧嘩だった。追い出された兄の孫は未だに自分の祖父の方が優秀だったと考えていてな。姑息な手段で兄やその家族を侯爵家から追い出した今のノア侯爵家の面々を恨んでいる。
 だからその復讐の為にも我がデミンス公爵家と繋がりを作って現ノア家を見返したいらしい」

「あぁ……貴族社会に復帰するには……まぁ手っ取り早いな……」

「“公爵家の血筋を産んだ”という立場が欲しいらしい。あいつは自分が女だと自覚した時から俺に愛人にしろ妾にしろと迫ってきて怖かった……
 そんな形で生まれた子供が可哀想だろうと何度も言ったんだが『子供は大切に育てる』『立派に育てる』『それとこれとはまた別の話!』と言って聞かなくてな」

「なんとまぁ…………」

サマンサあの女を妻として迎え入れたのもその為だ。
 今は超特急で伯爵令嬢のマナーを覚えているよ」

「あぁ…… 社交等どうするのかと思っていたが、そもそもが居たのか」

「あぁ。平民相手に身分を偽るのは簡単だが貴族たちにはそうはいかない。だがの身分は王家が保証しているし、貴族社会が知っていることだ。そこにが現れたとしても、表立って何かを言う馬鹿は居ないだろう」

「ノア家との繋がりは隠さないと?」

「それがの復讐にもなるしな」

 ニヤリと人の悪い笑みを浮かべたガルシアにアシュフォードも笑う。
 なんだ愛してるのか、と言えばガルシアが不貞腐れるだろうなと思ったアシュフォードはその言葉は言わずに笑った。

 サマンサが生きている意味さえ疑問に思っている間に、サマンサの名前を名乗る“デミンス公爵夫人”が社交界に颯爽と現れる。
 母国の事や母国語など絶対に口にはしないその『異国から嫁いできた公爵夫人』に、貴族たちは触らぬ神に祟りなしと適度な距離を保った。

 一度だけ、・デミンス公爵夫人はの元を訪れた。
 長年ガルシアを見てきた彼女にはエザリドーエンやメヌメナは見慣れたたちだった。
 何も反応サマンサに彼女は近付き頭を下げる。

「ありがとう。貴女のお陰でわたくしは社交界に
 本来ならわたくしも、わたくしの両親もあの場所にいるはずだったのよ。だから必ず取り返すわ。
 貴女が着るはずだったドレスも、貴女が浮かべるはずの笑顔も、貴女が手にするはずだった称賛も、全部わたくしが代わりに手に入れて上げるから。
 わたくしが完璧に・デミンス公爵夫人をやり遂げてみせるから。
 貴女は、……貴女の罪と向き合って」

 そう言ってデミンス公爵夫人は去り、二度とその場所には足を踏み入れなかった。

 サマンサは突然目の前に現れた自分を名乗る女と、その女が身に着けている服や装飾品、そしてその女が言った言葉に混乱した。
 混乱して、混乱して、混乱し続けて、理解したくなくても導き出される答えに、思考が砕けた。
 悲鳴も上げられず、涙も流せずに、ただ虚空こくうを見つめながらサマンサは発狂した。


 サマンサは錯乱したことにも気付かれないまま、ガルシアの愛する生物たちの為の『大切な産卵場所』として、これからも大切に扱われる。
         
         
         
        
           
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