16 / 34
16>> サマンサの終わり (ざまぁ)
しおりを挟むアシュフォードが訪れたのは親族の邸だった。
ガルシア・デミンス公爵。
王家の分家でもある彼は、アシュフォードを気怠げに出迎えた。
「暇か? 王太子」
二人は同い年と云うこともあり気安い仲だった。ガルシアの父は病で早くに亡くなり、ガルシアが既に爵位を継いでいた。
「暇じゃないからここに来たんだ」
アシュフォードは外では見せないような表情でデミンス公爵邸の応接室に入ってくると倒れるようにソファーに座り、足を上げた。直ぐ様そこに足置きが置かれてアシュフォードの足を支えた。
「あ~……、紅茶に酒を足してくれ」
勝手に注文するアシュフォードにガルシアは呆れた視線を送り、デミンス公爵邸の侍女たちは慌てることなく速やかに指示に従いアシュフォードの側に紅茶と焼きナッツのお菓子を出した。
「え? 何そのお菓子?」
ガルシアが不思議がると家令が「王太子殿下がお好きだと聞き、用意しておりました」とサラリと答えた。
「さすがウチの使用人」
ガルシアが感心すると家令と侍女たちが自分たちの主人に向ってフフッと笑った。
そんなやり取りを紅茶を飲みながら見ていたアシュフォードが大きな息を吐きながら座り直りてガルシアを見た。
「で? お前の新しい妻はどうだ?」
アシュフォードのその問いにガルシアはニヤリと笑う。
「有り難いよ。もう俺は結婚は諦めていたからな。
あんな素晴らしい妻を貰えて、今心底嬉しいよ」
「それは良かった。
で? その妻は今は?」
「彼女の為に特別に用意した部屋で子供たちを温めてるよ」
「それは良かった」
目を細めて笑い合う男たちはサマンサの話をしていた。
エーへの暴行罪などを問われたサマンサは表向きは身分剥奪の上で下働きとしてこき使われていると思われている。
親があぁだったのだ、子供のサマンサたちにはどうにもできなかっただろうとも思えなくもなかったが、元乳母たちの証言から『姉二人は自ら別邸までやって来て自らの意思で妹を虐げた』と判明した。ただ虐げただけではない。何も分からないエーをなんら疑問に思うこともなく暴行を加えていたのだ。そしてそのことにすら二人はおかしいとも思ってはいない。『害虫を踏み付けて何が駄目なの?』と本気で思っている。これは親の影響だけなのか、本人たちの生まれ持っての性質なのか。だが彼女たちには自分たちよりも小さな子供を楽しんで痛めつける恐ろしい加虐性があることは確かだった。
現在、長女シャルルが18歳。次女サマンサが17歳。『彼女たち自身が幼い頃から三女が親から虐待されていてそれが当然だと思って育った』と言っても『だがもう彼女たち自身でその状況がおかしいと気付けた年齢だ』と思われた。現に彼女たちは妹の存在を完全に隠していた。周りにバレれば自分たちの方が非難されることを理解していたからだ。
だから同情すべきでは無いと皆が思った。
そんな、シャルルやサマンサをどうするかの話し合いの場に、ガルシアは提案した。
『一人は僕が預かろう』
と。そして年齢からサマンサの方が選ばれた。シャルルはもう既に成人だからと。それだけの理由だった。
サマンサ本人に知らされることなく、サマンサの身分は『遠くにある国の伯爵家の娘』ということになった。そして書類だけのやり取りでガルシア・デミンス公爵の妻になった。
紙面上にだけ存在するのサマンサ・デミンス公爵夫人。
だがサマンサ自身にそれが知らされることはない。必要がないからだ。
ガルシア・デミンスはずっと欲しかった。
“何をしても許される母体”が。
だから『罪人』として『聖女を害したクズ人間』として、社会から嫌われた女、というサマンサみたいな立場の女性は最高の存在だった。
どうせサマンサは罰を受ける。
修道院へ行って懺悔し続ける、なんて甘い罰は許されない。何より修道院がサマンサみたいな者には来てほしく無い。
どうせどこかで罪を償うのなら、僕がその場を提供して上げる。
ガルシアは今まで皆に見せたこともないような笑顔でそう提案したのだ。
基本気怠げでやる気のない顔をしているガルシアが珍しく頬を上気させてキリッとした顔をして熱弁したので、アシュフォードは悩むことなくその提案に乗った。周りの者たちが少しだけサマンサに同情してしまったのはもう本能からくる恐怖を心の底で感じてしまったからかもしれない……
今、サマンサはデミンス公爵家の領地で、デミンス公爵家が有する広大な敷地を誇る邸の中のその地下で、
デミンスが愛してやまない存在の、
大切な大切な『卵』たちをその子宮内で温めている。
デミンスは無類の爬虫類・両生類──地球生物で云うと──マニアだった。
現在サマンサが大切に温めている卵はエザリドーエンという、体長は指の長さ程度の、全身を鱗に覆われた、表面にヌラヌラとする保護液を纏った、トカゲに似た四足歩行で尻尾がピョコピョコと可愛い見た目の生物のものだった。
エザリドーエンのメスたちはサマンサの子宮内に卵を産み付ける。柔らかい壁と滑り気と適温がエザリドーエンの卵が孵る為に必要なのだ。野生のエザリドーエンはアゴヤン──巨大なナマコ型の生物──の肛門内に産卵するのだが、近年そのアゴヤンの数が減少している為にエザリドーエンの数も減っていて、デミンスはとても心を痛めていた。そして遂にエザリドーエンの保護に乗り出し、その為に必要な『産卵場所』をずっとずっと欲していたのだ。
デミンスの予想通り、エザリドーエンたちは“女性器内”を最良な産卵場所として喜んでくれた。産卵する場所だと決めたエザリドーエンは専用の体液を体から分泌して産卵場所を整える。卵を守り蓄える為に作用するその体液の影響でサマンサの子宮は自分が子供を妊娠する時と同じように中のサイズに合わせて広がり、お腹の皮も伸びた。
たくさんのエザリドーエンの夫婦が卵を産み付け、サマンサのお腹はぽっこりと膨れた。本当にサマンサ自身が懐妊しているようだった。
当然サマンサには男性経験は無い。純潔のまま、彼女の子宮は別の生命の産卵場となったのだ。卵が孵ればサマンサはエザリドーエンの子供たちを産むことになる。
そんなサマンサの周りをエザリドーエンたちがチョロチョロウロウロカサカサ動き回る。エザリドーエンだけではない。サマンサの排泄物の処理の為にメヌメナという蛇のような見た目の細長い生物たちもたくさんニョロニョロしていた。メヌメナは他の生物の排泄物を食べて土に返す、この世界ではとても貴重な生物だった。メヌメナが舐めると肌が綺麗になるのでメヌメナの唾液で化粧品も出ている──材料がメヌメナの唾液だと知ると殆どの女性は使うのを止めてしまうが──。
サマンサは適度に湿度と室温を管理された特別室に用意された自分専用のベッドの上でずっと寝ている──特別性のベッドなので床擦れをすることはない──。
意識はある。
だが意思疎通はできない。
『生きた女性の体』が必要なのであって『喋る知能はいらない』として、サマンサは自分の意志で体を動かせないように毎日の食事──胃に直接送られる──に専用の薬が混ぜられている。
だからサマンサは、『全てを分かっているのに何もできない』のだ。
呻くことさえできないサマンサは動かせない視線の中に映る『自分の体の上を這い回る気持ちの悪い生き物』たちをずっと見ている。
どれだけ気持ちが悪いと思っても何もできない。
救いは『暴れてはいけないからと体の感覚を麻痺させられている』ことだった。
だからサマンサは視界と音だけの世界で気持ちの悪い生物を見るだけの時間を生きている。
何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故、とただそればかりを考えて…………
◇
「しかしお前、これからどうするんだ? 妻を娶ったとなると今度は跡継ぎはまだかとせっつかれるぞ?」
アルコール入りの紅茶に口を付けながらアシュフォードがガルシアに聞いた。
ガルシアも自分用に用意された普通の紅茶を飲みながらアシュフォードを面倒臭そうに見る。
「……それは考えている」
「まさか彼女に産ませるのか?」
「まさか!」
アシュフォードの言葉を即否定したガルシアは少しだけ躊躇した後、話し出した。
「……お前には紹介したことはないが、ガキの頃から邸にいる幼馴染みたいな使用人の女がいる」
「幼馴染の彼女か」
「そんなんじゃない! ……ないが……
彼女は平民なんだが、ちょっと特殊で……
血筋は貴族なんだ。爺様時代にノア侯爵家であった御家騒動知ってるか? その時にノア侯爵家を除籍された兄夫婦の孫らしい…… 俺の爺様が友人だったらしく、同情してこっそりウチで匿い、それからウチの使用人として働いているんだ」
「ノア家か……」
「彼女の父親がノア家の血を引いていて、母親は俺の母の分家筋だ。立場は平民だが平民上がりの男爵家よりも血は確かだな。
………………その彼女が昔から俺の精子を欲しがっていてな」
「っ、ゲッホっ!!」
ガルシアの言葉にアシュフォードは噎せた。危うく次期国王がナッツを喉に詰まらせて死ぬところだった。
「おまっ……、何を……っ」
ゲホゲホと咳き込むアシュフォードに周りの執事や侍女たちは大慌てだが、ガルシアは全く気にすることなく淡々と続けた。
「ノア家の御家騒動は単純に兄弟喧嘩だった。追い出された兄の孫は未だに自分の祖父の方が優秀だったと考えていてな。姑息な手段で兄やその家族を侯爵家から追い出した今のノア侯爵家の面々を恨んでいる。
だからその復讐の為にも我がデミンス公爵家と繋がりを作って現ノア家を見返したいらしい」
「あぁ……貴族社会に復帰するには……まぁ手っ取り早いな……」
「“公爵家の血筋を産んだ”という立場が欲しいらしい。あいつは自分が女だと自覚した時から俺に愛人にしろ妾にしろと迫ってきて怖かった……
そんな形で生まれた子供が可哀想だろうと何度も言ったんだが『子供は大切に育てる』『立派に育てる』『それとこれとはまた別の話!』と言って聞かなくてな」
「なんとまぁ…………」
「サマンサを妻として迎え入れたのもその為だ。
今彼女は超特急で伯爵令嬢のマナーを覚えているよ」
「あぁ…… 社交等どうするのかと思っていたが、そもそも女性が居たのか」
「あぁ。平民相手に身分を偽るのは簡単だが貴族たちにはそうはいかない。だがサマンサの身分は王家が保証しているし、貴族社会が知っていることだ。そこに別のサマンサが現れたとしても、表立って何かを言う馬鹿は居ないだろう」
「ノア家との繋がりは隠さないと?」
「それが彼女の復讐にもなるしな」
ニヤリと人の悪い笑みを浮かべたガルシアにアシュフォードも笑う。
なんだ愛してるのか、と言えばガルシアが不貞腐れるだろうなと思ったアシュフォードはその言葉は言わずに笑った。
サマンサが生きている意味さえ疑問に思っている間に、サマンサの名前を名乗る“デミンス公爵夫人”が社交界に颯爽と現れる。
母国の事や母国語など絶対に口にはしないその『異国から嫁いできた公爵夫人』に、貴族たちは触らぬ神に祟りなしと適度な距離を保った。
一度だけ、サマンサ・デミンス公爵夫人はサマンサの元を訪れた。
長年ガルシアを見てきた彼女にはエザリドーエンやメヌメナは見慣れたペットたちだった。
何も反応できないサマンサに彼女は近付き頭を下げる。
「ありがとう。貴女のお陰でわたくしは社交界に帰れるわ。
本来ならわたくしも、わたくしの両親もあの場所にいるはずだったのよ。だから必ず取り返すわ。
貴女が着るはずだったドレスも、貴女が浮かべるはずの笑顔も、貴女が手にするはずだった称賛も、全部わたくしが代わりに手に入れて上げるから。
わたくしが貴女の代わりに完璧にサマンサ・デミンス公爵夫人をやり遂げてみせるから。
貴女は、……貴女の罪と向き合って」
そう言ってデミンス公爵夫人は去り、二度とその場所には足を踏み入れなかった。
サマンサは突然目の前に現れた自分を名乗る女と、その女が身に着けている服や装飾品、そしてその女が言った言葉に混乱した。
混乱して、混乱して、混乱し続けて、理解したくなくても導き出される答えに、思考が砕けた。
悲鳴も上げられず、涙も流せずに、ただ虚空を見つめながらサマンサは発狂した。
サマンサは錯乱したことにも気付かれないまま、ガルシアの愛する生物たちの為の『大切な産卵場所』として、これからも大切に扱われる。
355
お気に入りに追加
4,258
あなたにおすすめの小説
奪われる人生とはお別れします ~婚約破棄の後は幸せな日々が待っていました~
水空 葵
恋愛
婚約者だった王太子殿下は、最近聖女様にかかりっきりで私には見向きもしない。
それなのに妃教育と称して仕事を押し付けてくる。
しまいには建国パーティーの時に婚約解消を突き付けられてしまった。
王太子殿下、それから私の両親。今まで尽くしてきたのに、裏切るなんて許せません。
でも、これ以上奪われるのは嫌なので、さっさとお別れしましょう。
◯完結まで毎週金曜日更新します
※他サイト様でも連載中です。
◇2024/2/5 HOTランキング1位に掲載されました。
◇第17回 恋愛小説大賞で6位&奨励賞を頂きました。
本当にありがとうございます!
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。
つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。
彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。
なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか?
それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。
恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。
その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。
更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。
婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。
生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。
婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。
後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。
「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。
【完結】 私を忌み嫌って義妹を贔屓したいのなら、家を出て行くのでお好きにしてください
ゆうき@初書籍化作品発売中
恋愛
苦しむ民を救う使命を持つ、国のお抱えの聖女でありながら、悪魔の子と呼ばれて忌み嫌われている者が持つ、赤い目を持っているせいで、民に恐れられ、陰口を叩かれ、家族には忌み嫌われて劣悪な環境に置かれている少女、サーシャはある日、義妹が屋敷にやってきたことをきっかけに、聖女の座と婚約者を義妹に奪われてしまった。
義父は義妹を贔屓し、なにを言っても聞き入れてもらえない。これでは聖女としての使命も、幼い頃にとある男の子と交わした誓いも果たせない……そう思ったサーシャは、誰にも言わずに外の世界に飛び出した。
外の世界に出てから間もなく、サーシャも知っている、とある家からの捜索願が出されていたことを知ったサーシャは、急いでその家に向かうと、その家のご子息様に迎えられた。
彼とは何度か社交界で顔を合わせていたが、なぜかサーシャにだけは冷たかった。なのに、出会うなりサーシャのことを抱きしめて、衝撃の一言を口にする。
「おお、サーシャ! 我が愛しの人よ!」
――これは一人の少女が、溺愛されながらも、聖女の使命と大切な人との誓いを果たすために奮闘しながら、愛を育む物語。
⭐︎小説家になろう様にも投稿されています⭐︎
神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜
星井柚乃(旧名:星里有乃)
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」
「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」
(レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)
美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。
やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。
* 2023年01月15日、連載完結しました。
* ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。お読みくださった読者様、ありがとうございました!
* 初期投稿ではショートショート作品の予定で始まった本作ですが、途中から長編版に路線を変更して完結させました。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
* ブクマ、感想、ありがとうございます。
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
辺境伯聖女は城から追い出される~もう王子もこの国もどうでもいいわ~
サイコちゃん
恋愛
聖女エイリスは結界しか張れないため、辺境伯として国境沿いの城に住んでいた。しかし突如王子がやってきて、ある少女と勝負をしろという。その少女はエイリスとは違い、聖女の資質全てを備えていた。もし負けたら聖女の立場と爵位を剥奪すると言うが……あることが切欠で全力を発揮できるようになっていたエイリスはわざと負けることする。そして国は真の聖女を失う――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる