11 / 12
11>>後始末
しおりを挟むフリーネが罪を認めなくても証拠や証言が続々と集まってくる。
魅了が切れた人々は自分が感じた違和感から過去を振り返り、何故あんな事をしたのか、何故あの時はそんな選択をしてしまったのか自問自答し、そしてそれが魅了されていたのであれば理解できると結論付けたのだった。
学園でリネットと友人だったのに後から出会ったフリーネを選びリネットから離れた人たちも『フリーネが魅了を使っていた』という噂を耳にすると全員が怒りに顔を歪めた。
ロッド公爵家のメイドが全員口を揃えたかのようにフリーネが毒を飲んだ時のお茶の席を準備させたのはセリーの指示でありフリーネ自身も知っていたと話した事から、殺人未遂が冤罪であったと確定した。
リネットが無実の罪で国外追放に処されたと全ての人が知る事になったが、依然としてリネットの行方は分からなかった。
フリーネとその母セリーは重犯罪者として公爵家から絶縁されたのち、平民として絞首刑に処された。
リネットを想う人たちからは刑が軽いのではないかという声が上がったが、王族を汚した者を生かしておくことは出来ないと、斬首刑よりは苦痛の伴う絞首刑が選ばれた。
フリーネとセリーが、命だけは助けてくれと懇願していた事も理由の一つだった。罪人の希望を聞き、その者たちを生かす為に金をかける事など誰もしたくない。生を望む者に死を。
リネットを想う者の中には『死にたくなる程に痛めつければいいのに』と思う者もいたが、さすがにそれを口に出す事はなかった。
自分の幸せの為に生きたフリーネはその母と共に最後は誰からも愛されずに恨まれ惨めに汚れきった姿で死んだ。
その話を聞いた第一王子であるギルベルトは自ら望んで毒杯を飲んだ。父と母の説得は届かなかった。
表舞台に出ずに後宮で密やかに生きればよい。次期国王となる弟を手助けしてやってくれと願う声も、国に混乱を起こさない為にも第二王子が何の障害も無く次期国王になる為にも自分の存在は邪魔になると、ギルベルトは自分を助ける声を退けた。
魅了され、無実の婚約者を国外追放にした愚鈍な王子は要らないのだ。誰よりもギルベルト自身が自分のような王子の存在が許せなかった。
第一王子ギルベルト・カロ・セイダムは病死としてその幕を閉じた。
ロッド公爵は早々に爵位を親族に譲り隠居した。
前妻であるリネットの母の墓の前で首を剣で掻き切って死んでいるのが見つかっている。
ギルベルトの側近であったマムリム、クリオン、ゼゼオは廃嫡され、それぞれの領地にて生涯軟禁される事になった。無論生涯独身である。都合よく使われ死ぬ運命となったが、誰一人として逃げ出す事など無かった。
496
あなたにおすすめの小説
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。
しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹
そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる
もう限界がきた私はあることを決心するのだった
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
ありふれた聖女のざまぁ
雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。
異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが…
「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」
「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」
※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
妹を見捨てた私 ~魅了の力を持っていた可愛い妹は愛されていたのでしょうか?~
紗綺
ファンタジー
何故妹ばかり愛されるの?
その答えは私の10歳の誕生日に判明した。
誕生日パーティで私の婚約者候補の一人が妹に魅了されてしまったことでわかった妹の能力。
『魅了の力』
無自覚のその力で周囲の人間を魅了していた。
お父様お母様が妹を溺愛していたのも魅了の力に一因があったと。
魅了の力を制御できない妹は魔法省の管理下に置かれることが決まり、私は祖母の実家に引き取られることになった。
新しい家族はとても優しく、私は妹と比べられることのない穏やかな日々を得ていた。
―――妹のことを忘れて。
私が嫁いだ頃、妹の噂が流れてきた。
魅了の力を制御できるようになり、制限つきだが自由を得た。
しかし実家は没落し、頼る者もなく娼婦になったと。
なぜこれまであの子へ連絡ひとつしなかったのかと、後悔と罪悪感が私を襲う。
それでもこの安寧を捨てられない私はただ祈るしかできない。
どうかあの子が救われますようにと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる