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俺の城
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此処からが、萌子の試金石だな。
口では何とでも言える、だが果たして目のあたりにしても同じ事が言えるかどうかだ。
「萌子、サボると決めたら、ちょっと付き合ってくれ」
「付き合うって何処へ」
「俺たちの家だ」
「家…もしかしてアパートでも借りたの?」
「そんなもんじゃねーよ『家』は『家』だよ」
「家?」
訳が分からないという感じできょとんとしている。
俺は昨日のうちに注文しておいた物の組み立てもあるから、この機会に萌子にも見せる事にした。
「まぁ、良いから行こうぜ」
◆◆◆
「ここは、哲也の家…なんで」
萌子の奴驚いている、驚いている。
おう、アルジオンの宅配が届いている。
あそこはすぐに出荷の置き配だから便利だな。
「ああっ実質俺のもんだ、ただ家畜の世話をしないとならないんだがな」
「家畜? 良いから入って、入って…あと荷物持つの手伝ってくれ」
「解ったけど…どういう事?」
まぁ驚くよな。
いきなり、哲也の家が『俺』の物になっているんだからな。
此処からだ、此処から、萌子が本当の意味でパートナーになれるかどうかだ。
「まずは少し寛ごうか? 萌子はコーラで良いか?」
俺はそう言いながら、萌子の返事を待たずに冷蔵庫からビールとコーラを取り出した。
「うん、ありがとう…ってビール」
「ああっ俺はビールが好きなんだ…ぷっは~美味い」
本当に久しぶりだ…すんごくうめえっ。
「随分、美味しそうに飲むんだね」
「まぁな」
さてこれからだ。
「さて、これからだ、俺はこの家を自由にできる代償に家畜の世話をしなくてはならない…これを見たらもう、萌子に後戻りはさせねー…前に言った通り『裏切ったら殺す』最後だ、引き返すなら今が最後だ…どうする?」
「引き戻すわけ、ないじゃん」
「なら良い、行くぞ」
「…うん」
流石に緊張しているようだ。
やっぱりな、糞尿垂れ流しだ。
まぁ事前に下半身丸出しで拘束していて良かった。
これなら、おしっこを拭いて、うんこを袋に入れるだけで済む。
「なに、これ…哲也のお母さんとお姉さん…じゃない」
「ああっ、色々あってな此奴ら家畜の世話をする事でこの家を自由にできる…まぁ家畜とはいえ、もうじき、俺の母親と姉になるがな」
「訳が解らないよ」
「後で詳しく話す、とりあえず、うんこをトイレットペーパーで取ってトイレに捨てて、おしっこを雑巾で拭いてくれ、あと2匹の尻も拭いてやってくれ」
「トイレットぺーパーの場所は何となくわかるけど、雑巾は解らないよ」
「適当なタオルで良いぜ」
「ハァ~いきなりこんな事させられるなんて、思わなかったよ」
「十分先に報酬は払っただろう」
「そうだね…嫌だ、凄く臭い」
「ううんうぐうううっ」
「うむー――うん」
「あっ騒いでも無駄だ…萌子はこっち側の人間だから」
この様子を見て騒がない…どうやら大丈夫そうだな。
「あのさぁ…ペットとか家畜の世話は、本当は飼い主がするんだよ?」
「だったら、お前も共通の」
「私は犬や猫好きじゃないんだからね」
「それじゃ、今回だけ頼むわ…俺はこれを組み立てるから」
「何、それ?」
「大型犬用の檻だよ…説明書通りなら土佐犬でも大丈夫らしい」
「そうなんだ」
「これから2個組み立てて設置しなくちゃならないから、悪いな」
「解ったよ」
流石は大型犬用だけあって1つ約3畳ある。
なかなか豪華だ、屋根に下板付きで鍵も掛かるから、これで絶対に逃亡は出来ない。
というか、竜二の時にヤクザが監禁で使っていた。
「結構時間がかかるんだね、良治が夢中で面白くないから、あっちでテレビ見てて良いかな」
「良いよ」
「うううー――っうう」
「うぐううううー-っ」
「煩いな、静かにしていろよ…お前らの家を組み立てているんだからな」
これで良し。
大型犬用のトイレをそれぞれに布性のペットシートを入れて設置。
本当なら布でなく普通のペットシートにしたいが、犬も飼ってないのにシートを捨てたら可笑しがる人間が出るかも知れない…だから、洗って使える布にした。
後は、犬が使う給水機。
これで水が飲める。
「良いか?噛むなよ? 大声だすな? 出したらぶん殴るからな」
そう伝え猿轡を外す。
そして膝の拘束を外した。
これで後ろ手の手錠と足錠だけ、うさぎ跳びみたいな感じなら動けるし、うんこ座りもできる。
この状態でそれぞれの檻に突っ込んだ。
「ハァハァひどい…助けて」
「ハァハァ、今なら言わないし警察にも」
「うるせー――よ! 黙れ、黙らないと殺すぞ」
静かになったので、犬用の皿に、フルーツグラノールを入れ牛乳を掛けて『完全栄養食』を振りかけた。
まぁこれで生きていける最低限の栄養は取れるはずだ。
まぁ、体調しだいでビタミン剤とかやれば良いだろう。
「ほら、飯だ…あとこれもやる」
俺は餌と一緒に毛布も入れてやった。
まぁこれでOKだな。
エアコンも25度のオート設定にしてあるし。
「なんだ食わねーのか」
2匹は恨めしそうな顔をすると犬食いで餌を食べ始めた。
この家は完全防音だから、これで大丈夫だろう。
◆◆◆
「それで、どうしてこうなったの?」
まぁ萌子からしたら聞きたいよな。
俺は、簡単に今までの経緯を説明した。
まぁ、流石に金については説明抜きだ。
「こんな感じだ」
「凄いね、良治、哲也を実質勘当させて、自分が養子になるなんて」
「まぁな」
「だけど、元のお母さんは良いの?」
「ああっ、あいつは凄く良い母親だ、だから俺みたいなバカ息子、いない方が良いんだよ」
「お母さん泣くよ」
「多分な…親不孝な息子…それで良いんだ…最後まで悪人を貫くぜ」
「優しいね」
「どこがだ、金欲しさに親を捨てる悪人だ」
「まぁ良いや」
糞、やりにくい、こんな所迄、似てるのか?
石川はそろそろ終わるだろう…
後は久保田をどうにかすれば一段落だな。
口では何とでも言える、だが果たして目のあたりにしても同じ事が言えるかどうかだ。
「萌子、サボると決めたら、ちょっと付き合ってくれ」
「付き合うって何処へ」
「俺たちの家だ」
「家…もしかしてアパートでも借りたの?」
「そんなもんじゃねーよ『家』は『家』だよ」
「家?」
訳が分からないという感じできょとんとしている。
俺は昨日のうちに注文しておいた物の組み立てもあるから、この機会に萌子にも見せる事にした。
「まぁ、良いから行こうぜ」
◆◆◆
「ここは、哲也の家…なんで」
萌子の奴驚いている、驚いている。
おう、アルジオンの宅配が届いている。
あそこはすぐに出荷の置き配だから便利だな。
「ああっ実質俺のもんだ、ただ家畜の世話をしないとならないんだがな」
「家畜? 良いから入って、入って…あと荷物持つの手伝ってくれ」
「解ったけど…どういう事?」
まぁ驚くよな。
いきなり、哲也の家が『俺』の物になっているんだからな。
此処からだ、此処から、萌子が本当の意味でパートナーになれるかどうかだ。
「まずは少し寛ごうか? 萌子はコーラで良いか?」
俺はそう言いながら、萌子の返事を待たずに冷蔵庫からビールとコーラを取り出した。
「うん、ありがとう…ってビール」
「ああっ俺はビールが好きなんだ…ぷっは~美味い」
本当に久しぶりだ…すんごくうめえっ。
「随分、美味しそうに飲むんだね」
「まぁな」
さてこれからだ。
「さて、これからだ、俺はこの家を自由にできる代償に家畜の世話をしなくてはならない…これを見たらもう、萌子に後戻りはさせねー…前に言った通り『裏切ったら殺す』最後だ、引き返すなら今が最後だ…どうする?」
「引き戻すわけ、ないじゃん」
「なら良い、行くぞ」
「…うん」
流石に緊張しているようだ。
やっぱりな、糞尿垂れ流しだ。
まぁ事前に下半身丸出しで拘束していて良かった。
これなら、おしっこを拭いて、うんこを袋に入れるだけで済む。
「なに、これ…哲也のお母さんとお姉さん…じゃない」
「ああっ、色々あってな此奴ら家畜の世話をする事でこの家を自由にできる…まぁ家畜とはいえ、もうじき、俺の母親と姉になるがな」
「訳が解らないよ」
「後で詳しく話す、とりあえず、うんこをトイレットペーパーで取ってトイレに捨てて、おしっこを雑巾で拭いてくれ、あと2匹の尻も拭いてやってくれ」
「トイレットぺーパーの場所は何となくわかるけど、雑巾は解らないよ」
「適当なタオルで良いぜ」
「ハァ~いきなりこんな事させられるなんて、思わなかったよ」
「十分先に報酬は払っただろう」
「そうだね…嫌だ、凄く臭い」
「ううんうぐうううっ」
「うむー――うん」
「あっ騒いでも無駄だ…萌子はこっち側の人間だから」
この様子を見て騒がない…どうやら大丈夫そうだな。
「あのさぁ…ペットとか家畜の世話は、本当は飼い主がするんだよ?」
「だったら、お前も共通の」
「私は犬や猫好きじゃないんだからね」
「それじゃ、今回だけ頼むわ…俺はこれを組み立てるから」
「何、それ?」
「大型犬用の檻だよ…説明書通りなら土佐犬でも大丈夫らしい」
「そうなんだ」
「これから2個組み立てて設置しなくちゃならないから、悪いな」
「解ったよ」
流石は大型犬用だけあって1つ約3畳ある。
なかなか豪華だ、屋根に下板付きで鍵も掛かるから、これで絶対に逃亡は出来ない。
というか、竜二の時にヤクザが監禁で使っていた。
「結構時間がかかるんだね、良治が夢中で面白くないから、あっちでテレビ見てて良いかな」
「良いよ」
「うううー――っうう」
「うぐううううー-っ」
「煩いな、静かにしていろよ…お前らの家を組み立てているんだからな」
これで良し。
大型犬用のトイレをそれぞれに布性のペットシートを入れて設置。
本当なら布でなく普通のペットシートにしたいが、犬も飼ってないのにシートを捨てたら可笑しがる人間が出るかも知れない…だから、洗って使える布にした。
後は、犬が使う給水機。
これで水が飲める。
「良いか?噛むなよ? 大声だすな? 出したらぶん殴るからな」
そう伝え猿轡を外す。
そして膝の拘束を外した。
これで後ろ手の手錠と足錠だけ、うさぎ跳びみたいな感じなら動けるし、うんこ座りもできる。
この状態でそれぞれの檻に突っ込んだ。
「ハァハァひどい…助けて」
「ハァハァ、今なら言わないし警察にも」
「うるせー――よ! 黙れ、黙らないと殺すぞ」
静かになったので、犬用の皿に、フルーツグラノールを入れ牛乳を掛けて『完全栄養食』を振りかけた。
まぁこれで生きていける最低限の栄養は取れるはずだ。
まぁ、体調しだいでビタミン剤とかやれば良いだろう。
「ほら、飯だ…あとこれもやる」
俺は餌と一緒に毛布も入れてやった。
まぁこれでOKだな。
エアコンも25度のオート設定にしてあるし。
「なんだ食わねーのか」
2匹は恨めしそうな顔をすると犬食いで餌を食べ始めた。
この家は完全防音だから、これで大丈夫だろう。
◆◆◆
「それで、どうしてこうなったの?」
まぁ萌子からしたら聞きたいよな。
俺は、簡単に今までの経緯を説明した。
まぁ、流石に金については説明抜きだ。
「こんな感じだ」
「凄いね、良治、哲也を実質勘当させて、自分が養子になるなんて」
「まぁな」
「だけど、元のお母さんは良いの?」
「ああっ、あいつは凄く良い母親だ、だから俺みたいなバカ息子、いない方が良いんだよ」
「お母さん泣くよ」
「多分な…親不孝な息子…それで良いんだ…最後まで悪人を貫くぜ」
「優しいね」
「どこがだ、金欲しさに親を捨てる悪人だ」
「まぁ良いや」
糞、やりにくい、こんな所迄、似てるのか?
石川はそろそろ終わるだろう…
後は久保田をどうにかすれば一段落だな。
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