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哲夫

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スマホの録画を切った。

画像はほとんど撮れてないが、音声だけで十分だな。

今、俺は4人をズボンと下着を脱がし、転がし手錠で拘束している。

女二人は少し離れたところでぶるぶる震えている。

まぁこの二人は何もできないだろう。

「あんたらさぁ…本当はヤクザじゃねーだろう?」

「俺たちは…」

満足にしゃべれーのか?

俺はジッポのオイルを1人の男の足に垂らして火をつけた。

「熱いっぎゃぁぁぁぁー―――っ、消して、消してくれー――っ」

後ろ手に手錠を掛けているから、消せない…

「ヤクザじゃねーかって聞いてんだけど? 答えられないなら次は顔だ」

「お前、こんな事してただで済む…」

「なぁ、哲夫(哲也の親父)さんよー、もうあんた終わりだ…だって『かたり』をしちまったからなー-っ、これから大変だなぁぁぁー――っ」

「かか『かたり』ってなんだよ」

まだオイルで焼いてない奴が聞いてきた。

良い大人なのに…知らねーのか?

「『かたり』って言うのは、一般人がヤクザを語ることだ…ヤクザはよぉこういうのを嫌うんだ…だから、お前らのした事を警察じゃなくて、この辺りを取り仕切る『組関係』に伝えるわけよ、さすがに被害を受けたのがヤクザだから警察も介入できない…めでたくヤクザと人生二人三脚、楽しい人生の始まりだ(※ 田向が勝手に言っています)」

「社長…まずくないですか?」

「あははっ、それじゃなくても終わりじゃねーか? だってお前たちさぁ『虐めの被害者』がちょっとやり返したら、仲間集めてヤクザ語って『殺そう』としたんだぜ、あまぁ俺はヤクザが怖いから(笑)戦ったら勝てちゃっただけだ」

「お前みたいなガキが」

馬鹿だな。

「良いところに気が付いたな、そう俺は中学生、未成年中の未成年、何があつても国が守ってくれる…それであんたらは『大人』誰も守ってくれねーな…もし裁判にでもなったら、きっと〇〇会社社長ってなるんだ…ニュースにでもなったら終わりじゃねーか?」

「社長…やばいんじゃ」

「尾上社長…こんなのが表になったら会社が終わる」

「ハァハァ…謝った方がよい…俺は…」

俺は中学生で恐らく進学しない…失う物は全くねーな。

鑑別所や少年院に入っても…母親が嘆くだけ…それだけだ。

可能なら…あの母親に纏まった金を残したい、それだけだな。

「本当に馬鹿な奴…ただ、妻と娘を連れて警察に行けば、世間体さえ気にしなければお前の勝ちだったのに…馬鹿だな」

多分、哲夫はそれができない…俺の虐めの時に態々圧力を掛け無かった事にした事から想像がつく。

クラスの全員が『虐めは無かった』そんな事、哲也1人じゃ流石に出来ない。

恐らくは哲夫が裏で関与しているはずだ。

「…」

だんまりか、まぁ良い。

噂どおりであれば、哲夫は女遊びが派手な筈だ。

「黙っているのは良いけどさぁ…もう終わりじゃないか? それにもし俺がさぁ、腹が立つたら、今なら4人、いや6人皆殺しも可能なんだぜ? そうしたら俺は『ヤクザが怖かった』そんな理由で話して、自首すれば、案外大したことにならねーかもしれねーしな」

「お前は何がしたいんだ…」

俺は千鶴と千春の髪を持って引き擦ってきた。

「それでさぁ…哲夫この二人もう要らないんじゃねぇーか? こんな入れ墨が全身に入った妻に娘、なんて持っていたら、お前の人生終わりだぜ…有名な金融機関は社長が入れ墨を入れていたから大手なのに上場できなかったんだぜ…もうこんな婆捨てて、何人かいる愛人の誰かを嫁さんにした方が幸せってもんよ、本気で惚れた愛人がいるんじゃねーのか?」

「ちょっと勝手な事言わないで…」

「お父さん、まさか私を捨てないよね…」

さぁどうする?

「俺からの提案だ! この女二人を捨てて哲也に今後支援を一切しないなら、俺はもうお前に手を出さない…ついでにこの屋敷と維持する金を払ってくれるなら、このおもちゃ二人も貰ってやるよ…ああ、屋敷は手切れ金代わりに千鶴名義にしてくれてやればいいんじゃねーかな。そのあとは俺に任せてくれるなら『二人はこの屋敷から一歩も外に出さない』これで、お前1人であれば幸せに戻れんじゃねーか?」


「お前...何を言っているんだ…そんな馬鹿な事は」

「よく考えろ、これはお前にとって『要らない者を捨てられる』またと無いチャンスだぜ。入れ墨の入った腐れ婆ぁを捨てて『若い女とやり直す二度とないチャンスだぜ』 なぁ? 普通に離婚したら財産分与を山程とられるが、この家と此奴ら2人の生活費だけで今回は終わるんだぜ…まぁ俺も手数料をもらうがな、一生この屋敷に監禁状態にしてやんよ…それに哲也を切り捨てればお前は晴れて自由だ、どうだ?」

「そうだな…お前本当に『虐められていたのか』まぁ良い。 確かにそんなくたびれた婆ぁで入れ墨の入った女を妻にしていたら、俺の人生は終わってしまうな、千春も傷物で政略結婚にも使えない、もう用済みだ、そんな薄汚い女、娘として手元に置いていたら、確かに人生マイナスしかないね」

「だろう?」

はははっ女二人が絶望した顔をしているぜ。

当たり前だ。

「ああっ、だがお前、何処で私が妻と別れたい…そんな情報を掴んでいるんだ」

「まぁ、哲也は口が軽いからな」

嘘だ…ただの憶測があたっただけだ。

「それは、そうと、良い提案だが、田向、お前が、その二人を手放さない…その保証は?」

今の母親は良い奴だ。

俺みたいな悪党と一緒にいない方が幸せになれる。

「ああっお前と千鶴の離婚の後に、俺が千鶴と養子縁組する、まぁ義理とはいえ親子だ、これでどうだ? あとは信用してもらうしかねーよ…あっ俺の親に纏まった金をあげてくれ、お前からしたら小銭だろう?」

「なんだかな…それがお前がしたかった事か? 知っていたら揉める必要がなかったじゃねーか…いいぜ、のった」

此奴はクズだって事か?

千鶴を切り捨てたいが、一代で財産を大きくした為に離婚をしたら莫大な財産分与を取られかねない…それが少額で済んで慰謝料なしになるんだ、御の字だ。

「勝手に決めないで、あなた何を言っているの? 嘘よね」

「お父さん、もう..私を愛してないの?ねぇ嘘だって言ってよ、ねー――ってば」


「入れ墨入った女なんて家族として要らない、ごみなんだよ、バー-カ」

此奴、本当に言いやがった。

俺の本当の親に近い…思った通りの本当のクズだ。

「それじゃ、哲夫さん…離婚届け持ってくれば? 俺が無理やり書かせてやるからよー」

「お前、本当に中学生か? それならもう持っているから、頼むよ」


「嘘よね..そんな、そんな…」

「書きたくないなら拒否してもいいけど? 顔でも焼こうか?」

流石に顔を焼いたら使えないから...しねーよ。

「いや、いやぁぁぁー-、書きます、書きますから」

泣きながら書いてやがんの…まさに転落人生だな…社長夫人が実質家畜だ。

それと同時に、他の書類も書いていく。


千鶴については

『財産分与は、家+4億円のみ、それ以上は一切払わない』

理由としては『未成年』と浮気したからだ。

まぁ、俺とやったんだから嘘ではないな。

レイプだけど…



千春には

『遺産放棄』

これも未成年と不純な行為を母共々していたから(笑)

その代わり、婚約破棄の慰謝料は最後の情けとして哲夫が払う。




そして、俺。

『おもちゃにされた償い』に千鶴と養子縁組を組む。

それに伴い、元の親に5千万払う。

あとは、税金に計上しないでよいお金として8千万貰う約束をした。


哲也には

『もう一切の支援はしない』

そういう覚書を貰った。



思っていた金額より1桁多い。

良いのか?

だが、尾上家の資産は数百億ともいわれている。

その多くは哲夫が1代で増やした。

その半分近くを財産分与で持っていかれる事を考えたら…小銭だな。

まぁ良い、これで終わりだ。

しかし、嬉しそうに『離婚届』をしまっているあたり、哲夫は本当にクズだ…当たり前だな。

「ほらよ、田向」

哲夫は鍵を俺に放り投げた。

「ああっ」

「今日から実質、この婆ぁ達もこの家もお前の物だ…すげー中学生だな、こんな金持ちのガキ中々いないぞ」

「誉め言葉と受け取るよ、あと、そこの三人に俺の取り分から500万ずつ1千500万やってくれ」

「おい、おい良いのか?」

「なぁ、結構怪我させて済まなかった、三人とも、これで手打ちで良いか」


「ああっ、それでよい」

「金貰えなくても、関わりたくねー、まぁ貰う物は貰うが」

「ハァハァ…解った...それで良い」


何かの拍子に化けて復讐されない為の保険だ。

この位の金で掛けられるなら...安いもんだ。




これで方がついたな。

哲也はこれで終わりでよい。

石川も、もう実質終わりだ。

あとは久保田だな…これで復讐は…まだ終わらねーな。

まぁ良いや、念願の、やり部屋に、雌奴隷2人が手に入った。これで一段落だ。


◆◆◆

哲夫たち4人は先に帰っていった。

「ふんぐうううー-っ」

「うんぐ、ううー-ん」

「それじゃ二人とも明日から頼むわ」

二人を手錠と足錠を使い完全に拘束して猿轡を噛ました。

これでもう逃げられないだろう。

俺はシャッターを下ろし戸締りをして萌子の待つホテルへ向かった。












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