5 / 49
1.
偶然
しおりを挟む
「お前!裏切り者!!」
「ごめんごめん!ちょっとD組の吉田がねー。何?バトった?」
「全然だよ!なんか自己紹介して爽やかによろしくされた…」
「さすがイケメンは社交的だな~」
戻ってきた玉木にさっきまでの出来事を話しながら肩を殴る。
女子に囲まれた後、日下部はそれを撒くように電話と言って教室を出て行った。
囲まれる前になんか僕に言おうとした気がしたけど…まあいいか。
とりあえず、どっか行ってよかった。心が落ち着いた。
「玉木、面白がってるよな?人が打ちのめされている時に!」
「いや、こんな展開になるの意外で面白いなって」
「面白がるな!もう今日の帰り、バーガー奢れ」
意外は僕のセリフだよ…。
なんで、クラス替え早々恋敵(仮)に自己紹介されてよろしくしてるんだ。
でも、あの少しだったけど話してみて、日下部が顔に加えてめっちゃいい男だってことは分かった。
顔がいいのに嫌味のない優しい感じで、こう温かい雰囲気…。
そりゃ雪菜さんも付き合うよな…。
ていうか…
「なんか僕…そろそろ女々しくないか?」
「え、今更気付いた?」
「だから傷えぐるなよぉ!!」
はぁ…なんか今日はより一層疲れたな…。
「まあまあ、今日は午前中だけだからよかったじゃん。傷心の風音君にこの後バーガーセット奢ってやるから元気出せって」
「玉木~やっぱいいやつ、、」
「抱きつくなよ、暑い」
ん…?なんか背後から視線を感じるような…。
「どうした?キョロキョロして」
「いや、誰かに見られてたような…」
「誰もいないけど?」
まあいいか。
「ていうか、あとは自由下校だよな?風音もう帰れんの?」
「うん、もう帰れ…!あ!!」
色々あって忘れてた!!
「ごめん、そういえば数Aの先生んとこ行かなきゃいけなかった…復習課題まだ出してなくて今日出さなきゃ」
「あーじゃあ先に昇降口行ってるわ。終わったら来いよ」
「うん!ありがと!」
危ない、期限今日まで待ってもらったんだったよ。
思い出してよかった…さっさと出して、さっさと帰ろう。
身支度を済ませた鞄を抱えてから廊下を急ぎ足で進んで、数Aの先生がいる教室へ向かう。
「失礼しまーす。先生、復習課題出しに来ました」
「おー春野。ギリギリだったな。忘れてるかと思ったわ」
「さっき思い出しました」
「お前…いいか?次のテストは赤点取るなよ?また取ったら復習課題倍にしてやるからな」
「ぐっ…!それはやめてください…」
「それが嫌だったらテスト頑張るんだなー」
「は、はい…」
「心配だったら補習増やしてやるぞー」
「い!いえ!大丈夫です!頑張ります!」
くそ…今日はどれだけ精神攻撃を受ければいいんだ…!
数学苦手なんだよな…。他の教科はそんなに悪くないのに。しかもあの先生、補習となるとスパルタで怖いから嫌だ…。
「はぁー、玉木もそこまで点よくないけど教えてもらうかなぁ」
ん?
「あれ…階段の方から声がする…?」
教室を出て階段を降りようとした時、上の踊り場の方から微かに声が聞こえてきた。誰かの話し声?
でも、ここ屋上に続く階段だし、屋上行くには鍵借りないとだからこれより上には滅多に誰も行かないのに…
なんか、男女2人くらいの声が聞こえる。
くっそー!!もしかしてカップルがイチャイチャするために使ってんのか!?
学校内でやるなよな!!悔しい!
チラッと覗いてやろ。
「どんな奴だよ…どうせパリピ…」
えっ!!
「…だから迷惑なんだけど」
「私は、ただ連絡しただけで!」
「それが迷惑って言ってんの。必要な連絡以外は電話してこないで。あと、そんなにしょっちゅうお前の予定に合わせられない。わがまま言わないで」
「なんで!?彼女なんだからいいでしょ!?」
え、イチャイチャじゃなくて、すごい不穏な空気…
というかあれって。
え?え?うそ?あれって…
「日下部と…雪菜さん?だよな、絶対」
「ごめんごめん!ちょっとD組の吉田がねー。何?バトった?」
「全然だよ!なんか自己紹介して爽やかによろしくされた…」
「さすがイケメンは社交的だな~」
戻ってきた玉木にさっきまでの出来事を話しながら肩を殴る。
女子に囲まれた後、日下部はそれを撒くように電話と言って教室を出て行った。
囲まれる前になんか僕に言おうとした気がしたけど…まあいいか。
とりあえず、どっか行ってよかった。心が落ち着いた。
「玉木、面白がってるよな?人が打ちのめされている時に!」
「いや、こんな展開になるの意外で面白いなって」
「面白がるな!もう今日の帰り、バーガー奢れ」
意外は僕のセリフだよ…。
なんで、クラス替え早々恋敵(仮)に自己紹介されてよろしくしてるんだ。
でも、あの少しだったけど話してみて、日下部が顔に加えてめっちゃいい男だってことは分かった。
顔がいいのに嫌味のない優しい感じで、こう温かい雰囲気…。
そりゃ雪菜さんも付き合うよな…。
ていうか…
「なんか僕…そろそろ女々しくないか?」
「え、今更気付いた?」
「だから傷えぐるなよぉ!!」
はぁ…なんか今日はより一層疲れたな…。
「まあまあ、今日は午前中だけだからよかったじゃん。傷心の風音君にこの後バーガーセット奢ってやるから元気出せって」
「玉木~やっぱいいやつ、、」
「抱きつくなよ、暑い」
ん…?なんか背後から視線を感じるような…。
「どうした?キョロキョロして」
「いや、誰かに見られてたような…」
「誰もいないけど?」
まあいいか。
「ていうか、あとは自由下校だよな?風音もう帰れんの?」
「うん、もう帰れ…!あ!!」
色々あって忘れてた!!
「ごめん、そういえば数Aの先生んとこ行かなきゃいけなかった…復習課題まだ出してなくて今日出さなきゃ」
「あーじゃあ先に昇降口行ってるわ。終わったら来いよ」
「うん!ありがと!」
危ない、期限今日まで待ってもらったんだったよ。
思い出してよかった…さっさと出して、さっさと帰ろう。
身支度を済ませた鞄を抱えてから廊下を急ぎ足で進んで、数Aの先生がいる教室へ向かう。
「失礼しまーす。先生、復習課題出しに来ました」
「おー春野。ギリギリだったな。忘れてるかと思ったわ」
「さっき思い出しました」
「お前…いいか?次のテストは赤点取るなよ?また取ったら復習課題倍にしてやるからな」
「ぐっ…!それはやめてください…」
「それが嫌だったらテスト頑張るんだなー」
「は、はい…」
「心配だったら補習増やしてやるぞー」
「い!いえ!大丈夫です!頑張ります!」
くそ…今日はどれだけ精神攻撃を受ければいいんだ…!
数学苦手なんだよな…。他の教科はそんなに悪くないのに。しかもあの先生、補習となるとスパルタで怖いから嫌だ…。
「はぁー、玉木もそこまで点よくないけど教えてもらうかなぁ」
ん?
「あれ…階段の方から声がする…?」
教室を出て階段を降りようとした時、上の踊り場の方から微かに声が聞こえてきた。誰かの話し声?
でも、ここ屋上に続く階段だし、屋上行くには鍵借りないとだからこれより上には滅多に誰も行かないのに…
なんか、男女2人くらいの声が聞こえる。
くっそー!!もしかしてカップルがイチャイチャするために使ってんのか!?
学校内でやるなよな!!悔しい!
チラッと覗いてやろ。
「どんな奴だよ…どうせパリピ…」
えっ!!
「…だから迷惑なんだけど」
「私は、ただ連絡しただけで!」
「それが迷惑って言ってんの。必要な連絡以外は電話してこないで。あと、そんなにしょっちゅうお前の予定に合わせられない。わがまま言わないで」
「なんで!?彼女なんだからいいでしょ!?」
え、イチャイチャじゃなくて、すごい不穏な空気…
というかあれって。
え?え?うそ?あれって…
「日下部と…雪菜さん?だよな、絶対」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
66
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる