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ゴージャス・ボディ③

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「君を指名したのは成功だったみたいね」
「ありがとうございます」

 ノアさんは御褒美を与えるように、ブラを外してくれた。豊かな水蜜桃が露になる。僕のバナナに握りしめると、水蜜桃に押しつけたり、こすりつけたりする。水蜜桃は柔らかく、弾力に富んでいた。

「シュウ、最初に断わっておくけど、私はとことんセックスを楽しみたいの。満足するまで付き合ってもらうから、途中で逃げないでよ」

 唾液にまみれたバナナに指を巻きつけて、上下にしごきはじめた。

「覚悟を決めて、私を抱きなさい」
「わかりました、ノアさん」

 果し合いのようだけど、素直に応じる。

「誠心誠意、ノアさんを抱かせてもらいます」

 再び、あたたかい粘膜がバナナを包み込んだ。舌をからみつかせ、上下に絞り上げられる。このテクニックもパトロンに仕込まれたのだろうか。

 そんなことを考えながら、快感に飲み込まれないように自制する。ノアさんの愛撫は一層熱を帯びてくる。まるで、僕の体液を搾り取ろうという勢いだ。

 でも、これで体液を吐き出したら、コールボーイとして失格である。

 オーラルな責めに5分ほど耐えただろうか。ノアさんは不満げに、僕を見上げた。

「シュウ、私が特別にしてあげているのに、どうしていかないのよ」
「申し訳ありません。僕の仕事はお客様に満足していただくことですから」

 不愉快に思われないように、僕は慎重に言葉を選んだ。

「ふん、生意気なのね」ノアさんは立ち上がり、胸を反らした。「もしかして、あまりよくなかった? そんなはずはないわね。お口でしてあげたら、誰だって身もだえして、あっという間にいってしまうのに」

 プライドを傷つけたのかもしれない。僕が返事に困っていると、ノアさんはクルリと背を向けた。

 何も言わずに、スタスタとベッドルームに消えていく。ファッションモデルのようなウォーキング。思わず、見ほれてしまったけれど、慌てて後を追いかける。

 ノアさんは優雅な身のこなしで、キングサイズのベッドに横たわった。

「さぁ、プロの仕事を見せてもらおうかしら」

 そう言って、ノアさんは僕の顔とバナナを交互に見る。

「本当のことを言うと、一度出しておいた方が長持ちするかな、と思ったの」
「お心遣いを感謝します」
「それを無駄にしたんだから、シュウには責任をとってもらうわよ」

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