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♡ 王宮魔導師長再び

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『つまりこのじいさまは、いわゆる第3の目っつうので私を見てるってことかしら?』

「第3の目?」

「う~む、魂を見る目がどっかにくっついとるんか? 長い事生きてきたが見たことはないのう・・・」


 そう言いながら自分の手や顔を触るワイプ。


『いや、じいさま。目って言っても肉体にくっついてる目ぇちゃうで。霊体っつってとこにあるんだから肉眼で見えんって・・・』

「お主意外に物知りじゃのう」

「だから、私を無視しないで下さい・・・」

『拗ねるなシルフィー』

「無視しとらんぞシルフィーたん! こんな面白い現象を研究せずにどうするっ!」

「げ」『げ』


 ハモる2人。


「1人の身体に2つの魂が同居しとる訳じゃからのう。普通なら1人に1つに視える筈なんじゃよ」

「『へえ~・・・』」


 ウ~ン、と考えるオバちゃん。


『じゃあ、なっちゃんと隆ちゃんはどうなんだろ? シルフィーと私みたいにダブって見えるのかしら?』

「まだ他におるんか?」


 驚いた顔のワイプ。


「ええ、フォボス第1王子とディアドラ公爵令嬢の御2人ですね」


 シルフィーが答えると


「は? あの2人がシルフィーたん達の様に視えたことは1度もないぞ?」


 ワイプは驚いた顔をし、


「ちょっと来させるかのう」


 指をパチンと鳴らすとさっきの黒猫が現れる。

 もう1度鳴らすと黒猫がフワッと分裂して2匹になった。


「2人ともここに連れて来い」


 ワイプが黒猫達に命令すると、2匹は霞のように消えてしまった。

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