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♡ 王宮魔導師長再び
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しおりを挟む「で? 何故私はまたココにきちゃったんですかね~」
綺麗な水色の目をパチパチと瞬かせて首を傾げながら、目の前の御仁を眺めると
「すまんのう、嬢ちゃん」
そう言いながら王宮魔導師長ワイプ・ゲルグがその白い頭をボリボリと掻く。
――そう、ここは通称『魔塔』。王国に選ばれた王宮魔導師達が魔法を研究する施設である。
王宮図書館の蔵書室で1人本の栞の修理をしていたのだが、何やら部屋の隅の方で動くものがいることに気がついたシルフィー。
近づくと、大きな黒い猫。
金色の目でこちらを見上げて『ニャア』と鳴くかと思いきや、
『魔法塔に御案内します。ご令嬢』
と、いきなり喋る。
ええ? 何これ? と思った途端ここに居た・・・
「まだ仕事中なんですけど」
ジト目になって目の前の人物に胡乱な視線を向ける。
白いマントにスッポリと覆われた小さいお爺ちゃん、ワイプはこの国1番の魔法使いで以前シルフィーをこの塔に拉致した犯人? である。
「何の御用ですか? あ。私とベイジル様の進展具合を・・・」
「あ~あ~あ~あ~違うっ! そうじゃ無いぞシルフィーたん」
「誰がシルフィーたんですか・・・」
「まあ良いじゃないか・・・実はのう、相談があってなぁ」
「はぁ」
絶対にこの感じ良い話じゃ無い気配がする。
「例の魔素溜まりのことなんじゃよ」
やっぱりか。
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