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♡ 戦いのゴングが鳴るよ〜

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 その言葉に、ムッとして睨むフォボス王子とポカンとするディアドラ嬢の顔を交互に見ながら、更にニヤニヤ笑うシルフィー(中身オバちゃん←しつこい)


「それとさ、アンタたちどう見たって美男美女カップルじゃないの。もうのよ、なっちゃん?」


 ハッと息をしながら手をヒラヒラとさせるシルフィー。


「お幸せにね」








「申し訳ありません」


 実に申し訳顔で頭を下げるシルフィーを見てソファーに座るフォボス王子とディアドラ嬢は苦笑いをする。


「じゃあ、君の前世の【オバちゃん】は君と一体化はしてないんだね」

「はい。今は時々繋がる感じですね以前はそうでもなかったんですけど。魔獣に襲われた時に生き残ろうとして身体が勝手に記憶を探って前世が引っ張り出されたんだろうって言われました。走馬灯? みたいに作用したんだろうって」


 そう云うシルフィーは既にピンクブロンドと薄水色という、如何にもヒロインめいた姿の戻っている。


「走馬灯、成程・・・」

「その時はもっと前世と今の自分が同じっていう感覚がありましたね。最近は叩き起こさないと出てこない感じです」


 眉根をよせ渋顔になるシルフィー。


「「叩き起す・・・」」

「以前はもっと頭の中に彼女の声が聞こえてたって感じです」

「僕たちとはちょっと違うみたいだね」

「ええ」


 王子と公爵令嬢は前世と今の自分との意識差がないので、シルフィーとオバちゃんの関係とは少し違うようだ。


「二重人格っぽいのかしら」

「でもオバちゃんの言ってたりやってることは分かるんですよ」

「いつから変わったの?」

「学院に入学してからです」


 3人は首を傾げた。


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