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リリアン!?
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「ふぅ…。」
今夜もコネクティングルームになってはいるものの、カギをかけたままの自分の寝室へ向かう。
今夜のメニューはなんだか重たかった。
ウナギのゼリー寄せにすっぽんのスープ、オイスターの前菜…。
美味しかったけど。
気のせいかもしれないけど、全部精がつく料理だよね?
まさかね…。
灯りをつけずにベッドに腰掛けると、「ぎゃっ!」という可愛い声が聞こえた。
まさか?
おそるおそるベッドサイドの灯りをともし、布団の中を見ると、そこにはリリアンがいた。
しかもいつぞやのスケスケなんだが!
お尻が丸見えで、大事な場所が包まれているだけで、あとは紐。
「ねえ、カカオ。俺、18になったよ?薬飲んでいたからきつくはなかったけど、でも、欲しかったんだよ?だから暫く、飲んでいなかったの。」
18になったリリアンは、殆ど変わらないが、手足が伸びて少し面持ちが大人びた。
鎖骨が形よく彩っている。
だめだ。
ごくりと喉をならしそうだ。
本能が襲えと言っている。
彼の中の奥に穿って子種を放ち、実を結ばせたいと叫んでいる。
薬を飲んでいない、発情していると言った。
薔薇の香りがするリリアンの香りは、ひときわ華やかに薫りたった。
「—-----っ、だめだ、リリアン」
「なんでダメなの!俺はカカオにされたいよ。カカオと赤ちゃん作りたい。この手に抱きたい。」
「だって私は「カカオの意気地なし!俺に相応しくないなんてことないでしょ!相応しいとか相応しくないとか誰が決めるの!俺が、カカオがいいんだから!」
あああ、もうっ…。
台無しだ。
白い結婚で、婚姻無効になれば、リリアンに傷がつかないからって思ってたのに。
もう離してやれそうもない。
「カカオがそんなに気にするなら、うんと幸せにして責任とって?」
魅惑的な言葉が唇から繋がれ、密着した肌は吸い付くようで、それが垣根を越えて、二人の境界などないかのように浸透する、熱。
これはリリアンの作戦勝ちかもしれない。
今夜もコネクティングルームになってはいるものの、カギをかけたままの自分の寝室へ向かう。
今夜のメニューはなんだか重たかった。
ウナギのゼリー寄せにすっぽんのスープ、オイスターの前菜…。
美味しかったけど。
気のせいかもしれないけど、全部精がつく料理だよね?
まさかね…。
灯りをつけずにベッドに腰掛けると、「ぎゃっ!」という可愛い声が聞こえた。
まさか?
おそるおそるベッドサイドの灯りをともし、布団の中を見ると、そこにはリリアンがいた。
しかもいつぞやのスケスケなんだが!
お尻が丸見えで、大事な場所が包まれているだけで、あとは紐。
「ねえ、カカオ。俺、18になったよ?薬飲んでいたからきつくはなかったけど、でも、欲しかったんだよ?だから暫く、飲んでいなかったの。」
18になったリリアンは、殆ど変わらないが、手足が伸びて少し面持ちが大人びた。
鎖骨が形よく彩っている。
だめだ。
ごくりと喉をならしそうだ。
本能が襲えと言っている。
彼の中の奥に穿って子種を放ち、実を結ばせたいと叫んでいる。
薬を飲んでいない、発情していると言った。
薔薇の香りがするリリアンの香りは、ひときわ華やかに薫りたった。
「—-----っ、だめだ、リリアン」
「なんでダメなの!俺はカカオにされたいよ。カカオと赤ちゃん作りたい。この手に抱きたい。」
「だって私は「カカオの意気地なし!俺に相応しくないなんてことないでしょ!相応しいとか相応しくないとか誰が決めるの!俺が、カカオがいいんだから!」
あああ、もうっ…。
台無しだ。
白い結婚で、婚姻無効になれば、リリアンに傷がつかないからって思ってたのに。
もう離してやれそうもない。
「カカオがそんなに気にするなら、うんと幸せにして責任とって?」
魅惑的な言葉が唇から繋がれ、密着した肌は吸い付くようで、それが垣根を越えて、二人の境界などないかのように浸透する、熱。
これはリリアンの作戦勝ちかもしれない。
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