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グラビア発売
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<本日 ウワサの冬木香月×夏目太陽 グラビア付き!週刊「ウーマン」本日発売!!!!>
「きゃぁあああああああああああああ!!!!!!!!!冬夏冬夏!!!!!!!冬夏でしかとれない栄養があるッ!」
「クールだけど愛し気な雰囲気を出している冬木様に夏目太陽が抱き着いているのよおおおおお!!!」
「夏目太陽の視線と指先が切なげで…っ、セクシーでっ。」
「はぁああああ!もうリアルでくっついちゃえYO!」
「おおおお。こないだ急に撮ったやつ、発売されたんですけど、すっごい反響ですね~。二人でアルコールのCMに出ませんかとか化粧品のCMに出ませんかとかバラエティに出ませんかとかめっちゃ来てますね。」
「こっちにも来てる。どうしようかな…。(ルナが捨てられたのは子どもの頃だし、大人になって第二次性徴で顔の雰囲気は変わったし、本名も変えたから、今なら全然顔出ししても大丈夫って判断もしてはいるけど…。改善傾向はみられるとは言え、まだ香月の表情は固いしな。夏目くんが相手だから少しはましになっただけで…。)」
「秋口、豊さん仕事が入ったんですか?」
「うーん、二人でCMとバラエティ?オファー来てるんだけどどう?バラエティの内容は吟味するけど。」
「香月が出たいならフォローしますよ。いろんな仕事やってれば、できるようになる気もするし。番宣で何回かバラエティは出てるんで、俺、大丈夫ですよ。ヤバいのは秋口、どけてくれるでしょ。」
「だって。香月、やってみるか?」
「うん!兄さん!秋口さんと一緒に進めて。」
「了解(………前に進めてる、よかった。夏目太陽をかませたのは、親父、英断だったな。)。」
「は。」
薄暗いキャバレーの控室で、派手な赤いドレスの女は、女性週刊誌を掴んで、クシャリと曲げた。
「ああああーっ!それ私まだ見てないのにぃ!店の備品でしょーっ!おばさん酷いっ!」
「ああぁ!?」
若いホステスが金切り声をあげたので睨むと、さっさと控室から出ていく。
若さだけが取り柄のブス。化粧美人のブス。どいつもこいつも…。
私は元芸能人。母親はシングルマザーだったけど父親はたぶん外国人で、私は美人に生まれて、この美貌でのし上がっていくんだって信じてた。
シングルマザーだったけど、通訳や翻訳の仕事をしていた母の稼ぎは一般的な家庭ほどはあって。
弟は私立の進学校へ行って、良い大学へ入り、官僚になったと風の噂で聞いた。
私は家族を捨て、上京した。だって、幸せになるのは私だけでいい。
商社マンでそこそこ良い家の息子だった夫との結婚が認められたのは、興信所で調べた私の母と弟がしっかりしていたから。
そして、父とも国と文化が違うことによる円満離婚で、向こうも有名企業のエンジニアだったから。
私の出自に後ろ暗いことがなかったからで、芸能人くずれの元ホステスでもいいでしょうってことだったのよ。
まったくムカつく。
あの男が甲斐性がないから悪いのよ。
なんで私の人生、ぜんぶ空回りするの?
いい相手だと思ってた男は落ちぶれて、鏡の中の私はだんだん年をとり、今では安月給の場末のホステス。
こんなはずじゃなかった。
なのに。
要らない子だから捨てたのに。
いつの間にか捨てたルナは人気者になってたなんて。
「ルナ、私は貴方の母親よ。私がいたから貴方は芸能人になれたのだから、貴方は私の人生を豊かにする義務があるわよね?」
成長して分からなくなるわけはない。
私が産んだ子供なのだし。
ルナは私によく似てる。
私の弟にも似ているのよ。
「ふふふ、ふふっ。」
「きゃぁあああああああああああああ!!!!!!!!!冬夏冬夏!!!!!!!冬夏でしかとれない栄養があるッ!」
「クールだけど愛し気な雰囲気を出している冬木様に夏目太陽が抱き着いているのよおおおおお!!!」
「夏目太陽の視線と指先が切なげで…っ、セクシーでっ。」
「はぁああああ!もうリアルでくっついちゃえYO!」
「おおおお。こないだ急に撮ったやつ、発売されたんですけど、すっごい反響ですね~。二人でアルコールのCMに出ませんかとか化粧品のCMに出ませんかとかバラエティに出ませんかとかめっちゃ来てますね。」
「こっちにも来てる。どうしようかな…。(ルナが捨てられたのは子どもの頃だし、大人になって第二次性徴で顔の雰囲気は変わったし、本名も変えたから、今なら全然顔出ししても大丈夫って判断もしてはいるけど…。改善傾向はみられるとは言え、まだ香月の表情は固いしな。夏目くんが相手だから少しはましになっただけで…。)」
「秋口、豊さん仕事が入ったんですか?」
「うーん、二人でCMとバラエティ?オファー来てるんだけどどう?バラエティの内容は吟味するけど。」
「香月が出たいならフォローしますよ。いろんな仕事やってれば、できるようになる気もするし。番宣で何回かバラエティは出てるんで、俺、大丈夫ですよ。ヤバいのは秋口、どけてくれるでしょ。」
「だって。香月、やってみるか?」
「うん!兄さん!秋口さんと一緒に進めて。」
「了解(………前に進めてる、よかった。夏目太陽をかませたのは、親父、英断だったな。)。」
「は。」
薄暗いキャバレーの控室で、派手な赤いドレスの女は、女性週刊誌を掴んで、クシャリと曲げた。
「ああああーっ!それ私まだ見てないのにぃ!店の備品でしょーっ!おばさん酷いっ!」
「ああぁ!?」
若いホステスが金切り声をあげたので睨むと、さっさと控室から出ていく。
若さだけが取り柄のブス。化粧美人のブス。どいつもこいつも…。
私は元芸能人。母親はシングルマザーだったけど父親はたぶん外国人で、私は美人に生まれて、この美貌でのし上がっていくんだって信じてた。
シングルマザーだったけど、通訳や翻訳の仕事をしていた母の稼ぎは一般的な家庭ほどはあって。
弟は私立の進学校へ行って、良い大学へ入り、官僚になったと風の噂で聞いた。
私は家族を捨て、上京した。だって、幸せになるのは私だけでいい。
商社マンでそこそこ良い家の息子だった夫との結婚が認められたのは、興信所で調べた私の母と弟がしっかりしていたから。
そして、父とも国と文化が違うことによる円満離婚で、向こうも有名企業のエンジニアだったから。
私の出自に後ろ暗いことがなかったからで、芸能人くずれの元ホステスでもいいでしょうってことだったのよ。
まったくムカつく。
あの男が甲斐性がないから悪いのよ。
なんで私の人生、ぜんぶ空回りするの?
いい相手だと思ってた男は落ちぶれて、鏡の中の私はだんだん年をとり、今では安月給の場末のホステス。
こんなはずじゃなかった。
なのに。
要らない子だから捨てたのに。
いつの間にか捨てたルナは人気者になってたなんて。
「ルナ、私は貴方の母親よ。私がいたから貴方は芸能人になれたのだから、貴方は私の人生を豊かにする義務があるわよね?」
成長して分からなくなるわけはない。
私が産んだ子供なのだし。
ルナは私によく似てる。
私の弟にも似ているのよ。
「ふふふ、ふふっ。」
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