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役の上では結ばれて
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「ぐぁぁぁああああああ!!馬鹿なァ、この俺が、こんなところでぇ、こんなところでぇえええええええ!」
「ひぃいいいいいいいい!」
散々虐げてきた天童勇気のパーティーは、最終決戦を前に自分たちが魔王の首をかこうとして自滅し、無残に溶けていく。
それはもう、回復魔法も、蘇生魔法も……無理だ。
国では権威を失墜した陛下が、荒れた国策の責任をとらされようとしていた。
「ははは……もう、おしまいじゃ……。どうしてこんなことに。」
「勇者を見誤ったから……。いえ、本当にお妃様になるべきだった方を見誤ったからこうなったのでしょう。」
「アッシュ。」
「俺が守ってやる。倒そう、二人で。」
「ふ、ふははは!!!!無駄なことを…!」
魔王の弱点は、『本当の愛』。愛を知らない魔王に愛を伝える。
アッシュのかけてくれた守護魔法に、剣への付与。
2人で手を繋いで飛び立ち、魔王の心臓に刃を立てた。
「なんだ、この、あたたかい、気持ちは…。」
悪しき存在が消え、魔王だったものは元の姿に戻る。
それは、この世界の神たる鳥の雛。
「今度こそ、あなたに見捨てられないように努めます。」
アッシュがそういうと、雛は嬉しそうにぴるるる、と鳴いた。
まだ世界は滅びの名残を残し、復興作業で皆大忙し。
半壊した城を遠くに見やり、僕は国を出る。
一生食べるのに困らないだけの褒賞は、ギルドの銀行に預けて。
(アッシュ……。いい王様になってね。)
国を出ようとして、気づく。
国境の検閲のところに、見慣れた人影。
「アッシュ!!!」
「よ。」
「どうして?なんでここにっ。」
「この国は共和国になるんだ、長年支えてくれた宰相たちに全ての権利を託してきた。教育も受けていない俺よりよほどうまく治めてくれるさ。」
「なんでぇ…。」
二つの影は重なり、そうして歩き出す。
未来に向かって。
「クランクアップです!」
スタジオが明るくなり、花束を渡される。
今回の収録では、最終決戦に行く前に、二人がエッチな関係になる描写がうっすらあった。
行間読んでね、的な。
それを経てのクランクアップ。
最後もキスで終わるし。
なんか恥ずかしいな。
香月を見れば、香月も真っ赤になって。
「あーめずらし!冬木君照れてるぅ!」
「ほんとだー!冬木君も人間だったのねぇ!今までどんなきわどいシーンでも照れなかったのにねぇ。」
「最後の方は表情出てたよ~。気づいてなかったでしょー。」
「香月のこと、弄らないでください!」
ぎゅって抱きしめたら、香月も腕にしがみついてくる。
「みんな、今日はみんなで飲みに行かないか?」
「東雲さんが誘うなんてめずらしい~。」
(秋口、豊さん、いいかな?)
(いいですけど、俺たちもついていきますよ。)
―――――今日くらいは。
皆も一緒なら大丈夫だろう。
そう思った俺が間違いだった。
「ひぃいいいいいいいい!」
散々虐げてきた天童勇気のパーティーは、最終決戦を前に自分たちが魔王の首をかこうとして自滅し、無残に溶けていく。
それはもう、回復魔法も、蘇生魔法も……無理だ。
国では権威を失墜した陛下が、荒れた国策の責任をとらされようとしていた。
「ははは……もう、おしまいじゃ……。どうしてこんなことに。」
「勇者を見誤ったから……。いえ、本当にお妃様になるべきだった方を見誤ったからこうなったのでしょう。」
「アッシュ。」
「俺が守ってやる。倒そう、二人で。」
「ふ、ふははは!!!!無駄なことを…!」
魔王の弱点は、『本当の愛』。愛を知らない魔王に愛を伝える。
アッシュのかけてくれた守護魔法に、剣への付与。
2人で手を繋いで飛び立ち、魔王の心臓に刃を立てた。
「なんだ、この、あたたかい、気持ちは…。」
悪しき存在が消え、魔王だったものは元の姿に戻る。
それは、この世界の神たる鳥の雛。
「今度こそ、あなたに見捨てられないように努めます。」
アッシュがそういうと、雛は嬉しそうにぴるるる、と鳴いた。
まだ世界は滅びの名残を残し、復興作業で皆大忙し。
半壊した城を遠くに見やり、僕は国を出る。
一生食べるのに困らないだけの褒賞は、ギルドの銀行に預けて。
(アッシュ……。いい王様になってね。)
国を出ようとして、気づく。
国境の検閲のところに、見慣れた人影。
「アッシュ!!!」
「よ。」
「どうして?なんでここにっ。」
「この国は共和国になるんだ、長年支えてくれた宰相たちに全ての権利を託してきた。教育も受けていない俺よりよほどうまく治めてくれるさ。」
「なんでぇ…。」
二つの影は重なり、そうして歩き出す。
未来に向かって。
「クランクアップです!」
スタジオが明るくなり、花束を渡される。
今回の収録では、最終決戦に行く前に、二人がエッチな関係になる描写がうっすらあった。
行間読んでね、的な。
それを経てのクランクアップ。
最後もキスで終わるし。
なんか恥ずかしいな。
香月を見れば、香月も真っ赤になって。
「あーめずらし!冬木君照れてるぅ!」
「ほんとだー!冬木君も人間だったのねぇ!今までどんなきわどいシーンでも照れなかったのにねぇ。」
「最後の方は表情出てたよ~。気づいてなかったでしょー。」
「香月のこと、弄らないでください!」
ぎゅって抱きしめたら、香月も腕にしがみついてくる。
「みんな、今日はみんなで飲みに行かないか?」
「東雲さんが誘うなんてめずらしい~。」
(秋口、豊さん、いいかな?)
(いいですけど、俺たちもついていきますよ。)
―――――今日くらいは。
皆も一緒なら大丈夫だろう。
そう思った俺が間違いだった。
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