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渚のクイーン

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「日焼け止め、塗って?ハンス。」

「了解。」

「なんで!ハンスばっかりずっる!」

「だって、ハンスの方が丁寧にまんべんなく塗ってくれるんだもん。」

「僕もちゃんと塗るから!」

「じゃあ、お願いね。」


白のマイクロビキニの刺激的な姿に、白のパーカーのローゼスは、パラソルの下にマットを引き、ハンスとグリーンに日焼け止めを塗ってもらいながら、団長とシュドーたちを見る。


(団長……。気づきなさいよ…。今が畳みかける時でしょうよ。)







「へぇ。騎士さんってすごいんですねぇ。僕も強くなれますかねぇ。」

「いつからでも遅いことはないさ。1か月のうちに練習をしてみようか。」


「ありがとうございますっ。」


(いいなあ。子どもは素直で…。)


持って来た果実を絞り、フレッシュジュースを作る。

3人分トレイに乗せて、シュトロームと談話しているカシューのところへ。


「はい、どうぞ。」

「ありがとうございます、お兄様。」

「ありがとう。ラン。」

「ううん。ローゼスさんたちはまだ日焼け止めの準備が終わってないみたいだし、殿下はレモネさんと岩場でゆっくりしてるし。もう少し陽が落ちてからビーチバレーはしよう。」

シュトロームとカシューの間に座る。


「ビーチバレー楽しみです!」

「シュトロームは俺とカシューさんのチームにしようね。」


「はい!」

「カシューさん、よかったですね。シュトロームは俺そっくりだけど俺より若いし、可愛げがあるし。」


「えっ。」

カシューの目が丸くなった。

「もしかして、嫉妬、してるんですか…?」

顔を真っ赤にしたカシューは、また鼻血を噴いた。



「あああぁっ!シュトローム、紙ナプキンを持ってきてくれる?」


「はい!」






「貸して?」

ローゼスさんがやってきて、言われるがまま膝枕でカシューさんを寝かせる。

俺の膝枕なんかでいいのかな。

鼻に詰め物をして、頭を横向きにした。


「団長、最近鼻血多いですよ?大好きな人がそばにいて興奮してるのかと思ってましたけど、ちょっと検査しましょうよ。」

「大丈夫だ。平気だよ。」


「最近、体に痣はないですか?」

「鍛錬してるんだから、痣くらい作るだろう。」

「発熱は?」


「どうだったかな。たぶん、ない。」


「ならいいんですけど、調子が悪くなったら言ってくださいよ。」


そうだった。ローゼスさんは医学の心得もあるんだ。


心配だな…。




ビーチバレーはみんなでやったけど、カシューさんは休んでもらった。

殿下とレモネさんは暫くして帰って来たけど、なぜかレモネさんの顔が赤かった。


「はい、あーん。貧血対策です。肉をたくさん食べてください。できれば、赤いお肉がいいです。」


カシューさんの口に焼いた牛肉を入れる。



シュトロームもやりたがったけど、俺が嫌だ。




どうしよう。


俺って、カシューさんが好きだったのかな?
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